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2022年6月の記事一覧
第26回参議院議員通常選挙において各党は何をなすべきか
去る6月22日(水)、第26回参議院議員通常選挙が公示されました。
今回は2019年に行われた第25回参院選に比べて175人多い545人が立候補し、1995年以来27年ぶりに候補者数が500人を上回りました[1]。
もとより参院選は政権の施政に対する信任という側面を含むとはいえ、衆議院選挙とは異なり有権者が政権を選択する機会ではありません。
また、現在岸田文雄内閣への支持率は比較的高く、政権
「沖縄慰霊の日」はわれわれに何を教えるか
今日、沖縄県では慰霊の日を迎え、糸満市摩文仁の平和祈念公園では県主催の沖縄全戦没者追悼式が開催されました[1]。
沖縄戦での犠牲者を追悼する沖縄慰霊の日は、8月6日の広島への原子爆弾の投下、8月9日の長崎への原子爆弾への投下、そして8月15日の終戦記念日に比べると、全国的には注目の度合いが低いという点は否めません。
また、慰霊の日が6月23日に行われるのは、この日に第32軍司令官の牛島満大将と
【旧稿再掲】パラリンピックの閉会式で始まりの終わりを迎えた「東京2020」
昨日、東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会が大会経費の総額が1兆4238億円になったこと、東京都と国による公費負担が当初の計画の約2倍となる総額7834億円に達したことが公表されました[1]。
大会組織員会は6月末に解散するものの、組織委の解散によって全てが終わりになるという考えが妥当ではないことは、私が『体育科教育』の連載「スポーツの今を知るために」の第152回「パラリンピックの閉会
「内閣感染症危機管理庁」を創設するために岸田文雄首相に求められるのは何か
昨日、岸田文雄首相は首相官邸で記者会見を行い、感染症対策を統括する新組織として「内閣感染症危機管理庁」の設置を表明しました[1]。
新型コロナウイルス感染症への対策の際に明らかになったように、厚生労働省と内閣官房がそれぞれ施策を立案、実施することは機動的な対応を妨げるだけでなく、政策の重複や人的、物的、金銭的な資源の浪費にも繋がりかねないものでした。
また、国務大臣に便宜的に感染症対策を担当さ
こども家庭庁は実効的な組織となるか
今日の参議院本会議において、内閣府の外局としてこども家庭庁を設置する関連法案が可決、成立しました[1]。新組織の発足は2023年4月の予定です。
こども家庭庁は首相の直轄組織で、専任閣僚や長官が配置されるとともに、厚生労働省や地方自治体などからも職員を集め、300人規模の体制となる見込みです。また、厚生労働省や内閣府の子ども関係の部局の大部分が新組織に移管され、「子ども政策の司令塔」[1]となる
「党内事情を反映した人事」と言われないために細田博之衆議院議長がなすべきことは何か
去る6月9日(木)、衆議院本会議において立憲民主党が提出した細田博之衆議院議長に対する不信任決議案が採決され、自民党及び公明党の反対多数で否決されました[1]。
日本国憲法下で衆議院正副議長に対する不信任決議案が可決されたのは、1961年の久保田鶴松副議長の事例のみです。
しかも、久保田副議長は野党社会党の出身で、衆議院の過半数は自民党が制していました。そのため、この時は多数党による少数党出身
サイ・ヤング賞右腕に2年間の出場処分を科した思惑
去る5月16日(月)、日刊ゲンダイの2022年5月17日号26面に連載「メジャーリーグ通信」の第115回「サイ・ヤング賞右腕に2年間の出場処分を科した思惑」が掲載されました[1]。
今回は近年の大リーグが進める女性の球団幹部や指導者への登用の促進政策などの取り組みの意義と、ドジャースのトレバー・バウアー選手の2年間の出場停止処分の持つ意味を検討しています。
本文を一部加筆、修正した内容をご紹介
黒田東彦日銀総裁に求められる「国民との対話」への努力
昨日、衆議院財務金融委員会に出席した日本銀行の黒田東彦総裁は、「家計の値上げ許容度も高まってきている」などとした6月6日(月)の講演会での発言を撤回しました[1]。
黒田総裁は講演の中で東京大学の渡辺努先生が行った5か国の家計への調査結果に言及し、日本では「馴染みの店で馴染みの商品の値段が10%上がったときにどうするか」との質問に「他店に移る」との回答が、2021年8月は半数以上を占めたのに対し
岸田内閣に求められる「骨太の方針」ではなくなすべき政策を遂行する力
昨日、政府は経済財政運営と改革の基本方針、いわゆる「骨太の方針」を閣議決定しました。
岸田文雄首相の標榜する「新しい資本主義」の実行計画が閣議決定されたことを受け、「骨太の方針」にも「人への投資」に3年間で4000億円を投資するなど、関連する施策が反映されています[1]。
その一方で、今回の「骨太の方針」を見ると、最低賃金の引上げ、貯蓄から投資への移行の推進、カーボンニュートラル実現など、これ
「少子化問題の打開」のために見逃せない「根本的な課題」は何か
去る6月3日(金)、厚生労働省は1人の女性が生涯に産む子供の数を示す合計特殊出生率が2021年は1.30となり、2016年以来6年連続で低下し、出生数も過去最少となったことを発表しました[1]。
1994年のいわゆる「エンゼルプラン」の導入に象徴されるように、政府は種々の少子化対策を施し、出産休暇や育児休暇の制度も世界的には最高水準となっています[2]。
その一方で、実際には2020年度の男性
「休日の中学部活の地域移行」に関するスポーツ庁有識者会議の不十分な議論を戒める
昨日、スポーツ庁に設置された運動部活動の地域移行に関する検討会議は、公立中学校の部活動改革の一環として休日の運営の主体を学校から地域の外部団体に移行する提言をまとめました[1]。
いわゆる働き方改革だけでなく、中学校を含む公立学校と地域との関わりが希薄になっている現在の状況を考えれば、部活動が媒介となって地域との連携が深まることは好ましいことであると言えるでしょう。
一方、あらゆる地域で休日の