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3月11日を振り返る。〜私が独立するまで〜

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今となっては考えると3月11日の東日本大震災が人生の転換となった。3.11から私が独立するまでの話。
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記事一覧

円満のロゴと壁の絵、ご縁の話 (第12話)

円満のロゴと壁の絵、ご縁の話 (第12話)

【前回の記事】

【ロゴ作成の色々】今日は円満のロゴを作った時の話から書いていこう。

やっぱり和食屋さんだし、店名のロゴは筆字が良いと前々から思っていた。誰か頼める人いないかな?と考えていて、ふと、あるストリートアーティストさんを思い出した。

・遼二君当時から更に数年前のこと。原宿を特に用もない感じで歩いていた時、確か明治神宮辺りの通りでご自身の作品を並べ販売しているアーティストさんを見かけた

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飲食業と景気・後編 (第11話)

飲食業と景気・後編 (第11話)

【前回の記事】

経営者になってみて景気と経営が密接な関係であることを身をもって体験できた。私がお店を開業したのは2014年3月で、日本経済の視点で見るとアベノミクスが前年に発表されて景気が回復し始めた頃であり、ラッキーなタイミングだった。

そして後編ではもっと小さな地域の経済について書いていく。

【神田スクエア】2020年、神田スクエアという複合商業ビルが開業した。地上21階建てでスタイリッ

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飲食業と景気・前編(第10話)

飲食業と景気・前編(第10話)

【前回の記事】

【はじめに】年が明けた頃、感染が広がり始めた新型コロナウイルス。世界中がひどい事になってしまった。パンデミック宣言、そしてロックダウン…。国によっては医療崩壊が起きてしまい、沢山の方の命が失われた。ワクチンと特効薬がない時点で感染速度を遅らせる為には、人々の動きを制限するという方法しか無かった。

私は今、ドイツで暮らしている。ヨーロッパの被害は日本の何倍もひどい。例えばイギリス

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お金を借りる 〜第9話〜

お金を借りる 〜第9話〜

【前回の記事】

【資金調達】資金調達に関して私は疎いのでどの方法が最善なのかはお伝えできないが、私の体験談を書きたいと思う。6年前以上の話だ。現在はもっと別の選択肢が増えているなと感じるし、まぁ、一例だと思って読んで頂きたい。

【日本政策金融公庫】資金調達の方法はいくつかあると思うが、私は銀行や公的機関から融資を受ける事にした。1番スタンダードな方法だと思うし、飲食店を経営する諸先輩方も「国金

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お店の名前を考える (第8話)

お店の名前を考える (第8話)

【前回の記事】

https://note.com/yumiko_n/n/n0373b7d7438a

前回、前々回の記事では実際どんなお店だったのかを書いたが、これからはまたお店を作る前の段階に話を戻し書いていく。

【店名を考える】作りたいお店を想像してそれに似合う言葉を見つける作業は、振り返れば1番楽しい仕事だったかもしれない。我が子の名前を考えるようなもの、この作業によって理想像を描くこと

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コンセプトを形に〜ディナー編〜(第7話)

コンセプトを形に〜ディナー編〜(第7話)

【前回の記事】

【イメージは小料理屋】前回はランチタイムの営業について書いたので、この記事ではディナータイムについて書いていきたい。営業時間は17時〜24時。

お店を作る前、さてどんなお店にしようかな?とずっと考えていた。健康的な食事ができる事は取り入れたい、カウンターにおばんざいがぽろぽろっと出てあって、日本酒があって、私は着物で立っていて…。外から見ると暖簾が下がっていて、暖色の光が外に漏

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コンセプトを形に〜ランチ編〜(第6話)

コンセプトを形に〜ランチ編〜(第6話)

【前回の記事】

前回に続く…

【理念を落とし込む】今日の記事は、では実際にはどのようなお店にしていったかを具体的に書いていきたい。

前回の記事で経営理念をこのように書いた。「役割をもって仕事をしている人のための安息の地を作る」だ。

では役割をもって仕事をしている人とは…。仕事をしている以上、役割を待っていない人はいないのだが、私が指し示したい人は生活の中で仕事の比重が高い人のことだ。仕事へ

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お店のコンセプトを考える。(第5話)

お店のコンセプトを考える。(第5話)

【前回の記事】

ある時、コンビニの肉じゃがを見て思った。最近肉じゃがを食べてないな…。この感情がこれから作るお店の核となってゆく。

【なぜ肉じゃがが気になったのか?】独立資金を作るため朝から晩まで働いた2年間。今ではもう2度とやりたくないと思うのだが、無我夢中な時は周りが見えていないのでそれ程辛くは感じていなかった。辛さの根本は周りとの比較にあり、比較対象を身の回りから取り除いてしまえばそれは

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これから何をしようかな。(第4話)

これから何をしようかな。(第4話)

【前回の記事】

震災を経験し、何もできなかった事を後悔した。でも頑張ってる方々の姿に自分にも何かが出来るような気がした。そして2年間勤めたバーを卒店し考えはじめる。私に一体何ができるんだろう。

【お店を辞めた直後】飲食店を経営するってどういう事なのか?調べ始めた。ネットは今ほど情報が沢山あった訳ではないので、本を数冊買ったような気がする。お店の家賃の事とか売り上げの事とか、借り入れのこととか…

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あの時、何ができたんだろう(第3話)

あの時、何ができたんだろう(第3話)

【前回の記事】

東日本大震災の後日のニュース。どこかの飲食店で帰宅難民に方が飲めるようにと給水所を店先に作っていた。このニュースを見た私は、私にも出来たことがあったと気付かされた。

【一体何ができただろうか】このニュースを見た後、すぐに考え始めた。あの時一体何ができただろう。

帰宅難民者が求めていたものはまず食べ物と水。そしてニュース、あとトイレだ。今だったら携帯の充電スポットやWiFiも欲

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震災直後、その時の気持ち (第2話)

震災直後、その時の気持ち (第2話)

【前回の記事】

2011年3月11日、東日本大震災は起こった。茨城出身、当時は東京で生活していた私はほとんど被害を受けずにすんだ。それは家族や親戚、友人も同様、職場もその日のうちから通常営業ができていて、安心感すら感じ始めていた。

しかし、テレビから流れるニュースは受け入れ難いほど悲惨な状況を伝えていた。それを見ているとやがて絶望感を感じた。

安心感と絶望感、解離したこの二つの感情がなぜ私に

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3月11日を迎えて (第1話)

3月11日を迎えて (第1話)

あの日から9年が経った。東京に住んでいた私ですら凄まじい日だった。地震が起こった瞬間からテレビはニュース速報ばかり、関東エリアのどこかの工場で火災が起こっている映像を見たのを覚えている。

この後、被害はどんどん大きくなっていった。最終的には2万人以上の命が失われ、原発事故は今もなお解決の見通しがついていない。発生から数日後に、未曾有の事態と表現されるようになった。当時の事を思い出すと今でも胸が詰

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