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OTA YUKI
2021年12月20日 01:39
11月に入って、雨が続く日が増えた。夏前に、少し刈った雑草たちが、茶色く色を染めていたのに、今はもう、すっかり緑になっている。これくらいの頃から、「オリーブオイル、買えますか?」というリクエストが増えてきた。右も左も分からずに、見切り発車で進めてきた私の、実際、美味しいのかどうかも分からないのに、「買いたいです。」と言ってくれる人たちがいる。なんて有難いことかと思うし、早く商品化さ
2021年12月13日 00:56
収穫の終わった、10月の終わり。まだ少し、黒く熟している実をつけたオリーブの木が、サワサワと揺れている。さてこれから、やる事はいっぱいある。搾り取ったオリーブオイルは、販売するのに商品化しなくてはならなかった。オリーブオイルの成分検査ラベル作りどのような商品展開をしていくのか詳細やホームページ配送方法その他、諸々。人生の、ありとあらゆる場面で、人は決断しているけれど、販
2021年12月6日 01:28
機械が壊れるというトラブルを抱えながらも、なんとか「搾り取る」ところまできた。ここまできて、ようやくちょっと安心したのか、急にお腹が空いてきた。そういえば、勢いで家を飛び出してから、何も食べてはいなかった。搾油所では、ひっきりなしに機械が動いていて、ガーッという音と、オリーブの独特の香りに包まれている。いよいよ、収穫分のオリーブを投入した時、初めて、おおお!と思った。機械によっ
2021年11月29日 00:53
「今日の搾油、出来そうにないんだ…」うつむき加減で、世話役フランコが言った。聞くと、オリーブを搾り取る機械の一部が壊れてしまった…というのだ。週末という事もあってか、壊れた部品を購入するのも容易ではないらしく、週末に開いているお店を調べて、遠く離れたところまで買いに行く事を考えると、今日中に搾り取るのは、多分、無理…という事だった。オリーブは、収穫されてからの時間が、オリーブオ
2021年11月21日 21:56
10月15日。この日を収穫の日と決めたのは、世話役フランコの口添えであった。晴れの日が続いた10月。フィレンツェ辺りだと、10月半ばは収穫には少し早いかと思われるが、トスカーナでも南のマレンマ地方は、これくらいの時期の収穫は、普通なのだと言う。私がお世話になる搾油所は、10月の4日にオープンしており、早速見学させてもらった時には、既に収穫されたよそ様のオリーブが搾り取られているのを垣
2021年11月7日 23:57
9月に入ると、オリーブの実が少しずつ大きくなって、中には黒く熟しているのもチラホラと見られるようになってきた。「OLIVE DELLA YUKI」と名前を決めたのは良いけれど、ラベル作成には、相変わらず苦戦していた。ひとまず、頂いたサンプルを書き写すところから始めてみることとする。はて。一体、どのアプリを使って、データを落とし込んでいけば良いのだろう。のっけから、固まる。コンピュ
2021年11月1日 01:37
8月半ば。少しずつオリーブは、その実を膨らませているけれど、まだまだ青い。オリーブオイルに貼り付けるラベルを作ろうと、必要な要項を読み解いていく。そういえば、ロゴも決めていなければ、ホームページに使うドメインも取っていない。どんなロゴにしようか、どんな名前にしようか。スケッチブックには、撮った写真から描き起こしたオリーブの絵が乱雑に並ぶ。こんな感じかな、あんな感じかな。
2021年10月25日 21:51
7月半ば。オリーブの実が、少しずつ大きくなっているのが分かる。「いやぁ、ビックリさせられたよ〜。」オリーブ畑に行くと、現場に来ていたフランコが笑いながら、そう言ってきた。何のことだろう…と思っていると、「いや、君の苗字、OTAって言うんだね。ビックリしたよ。OTAって言ったら、トスカーナに『オリーブ栽培トスカーナ協会』ってのがあってさ、そこから振込があるなんて、まさかのまさか。お金
2021年10月11日 00:57
6月の終わり。ついこの間、花が咲いていた…と思っていたのに、オリーブは、小さな小さな緑の実をつけ始めている。そんな時期に、フランコと出会った。オリーブ畑の北側にある、2軒分のアパートの改装工事を担当してくれる…というフランコは、目のクリクリした、丸い感じのシニョーレ。知り合いの知り合いというせいか、割とスグに、心の友と打ち解けて、話す会話のスピードに追いついていけない自分がいる。分か
2021年10月4日 01:04
いよいよ暑くなってきた、6月の終わり。「剪定はちょっと無理そうだね…」不動産屋のステファノがそう言った。良質のオリーブを作るためには、剪定をして、栄養を行き渡らせる必要がある…ということは、YouTubeで知った。ちょっとネットであたれば、情報が得られる良い時代でもあるけれど、実際に向き合ってみないと、わからないことも沢山ある。いや、分からないことだらけである。どんなふうになってい
2021年9月27日 00:56
右も左も分からぬまま、急いで「独立」を決めたのには、訳があった。心の友が購入した敷地と家は、cancello chiusoと言って、敷地内全てのものが契約と同時に心の友の所有となった。その中には、2台分のトラクターも含まれていたのである。トラクターの所有にあたっては、農家であることに必要な税務番号が必要だったのである。既に家族で会社を経営している心の友は、別の税務番号を持つことが出来ない
2021年9月20日 00:05
イタリアで、仕事の独立申請をする。大概の人は、言う。「よく考えてからにしたほうがいいよ。」と。イタリアの税金が高いからだ。儲けがなくても、年々支払う金額は、安くはない。申請をせずに、利益を丸ごと儲けるというのをNEROとイタリア語で言って、不法で働くのは、昔は普通だった。最近は随分といろいろ整ってきたおかげで減ってはきているけれど、今のご時世にもちゃんと存在している。以前、メルカ
2021年9月13日 00:07
あれから、1ヶ月が過ぎた。銀行での手続きに時間がかかるのは、イタリアだからか、それとも、コロナ禍だからか。心の友が銀行からのローンに関しての返答を受けたのは、5月に入った頃だった。私が契約している銀行からは、いつも、「ローンを組みたいのであれば、いつでも相談に乗りますよ〜」的なメッセージをもらうけれども、実際そうしようと思ったら、本当は、面倒なことなのかもしれないと思う。私が借りれる金額
2021年9月6日 00:25
「あそこを買おうかと思ってるんだけど…」心の友がそう言った時、私はまだ、それが決意の言葉だとは、信じていなかった。「もちろん、11ヘクタールの土地が分割販売出来たら…の話なんだけれどね。」コロナという経済不況の最中、ローンを組むのも容易くはない。採算がつくのかどうかは、心の友の懐事情にもよるけれど、2件分のアパートを観光客に貸すことと3ヘクタールの土地を私が借りることとで、何とかな