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【開催報告】次世代の組織運営を体感する〜ホラクラシー&エンコード体験ワークショップin京都

※本記事は、2017年11月18日(土)〜19日(日)に開催された『次世代の組織運営を体感する〜ホラクラシー&エンコード体験ワークショップin京都』開催報告のアーカイブ記事を再構成したものです。

2017年11月18日(土)〜19日(日)開催

再構成をしている2022年11月時点で5年前の情報であるため、紹介されているコンテンツの最新情報は文末の参考リンク等も合わせてご覧ください。

ホラクラシー&エンコードワークショップ開催の経緯

2016年9月19日~23日に開催された『NEXT-STAGE WORLD: AN INTERNATIONAL GATHERING OF ORGANIZATION RE-INVENTORS』。

ギリシャのロードス島で開催されたこの国際カンファレンスは、Frederic Lalouxの『Reinventing Organizations』にインスピレーションを受け、新しいパラダイムの働き方、社会へ向かうために世界中の実践者が学びを共有し、組織の旅路をサポートしあい、ネットワーク構築を促進することができる場として催されました。

いち早く日本人として参加していた嘉村賢州吉原史郎といった実践者たちは、この海外カンファレンスの報告会を開催することとなります。

※2人が協働を始めるようになったきっかけや、『Reinventing Organizations』のコンセプトを発見した際のエピソードについては以下の記事もご覧ください。

2016年9月19日~23日に開催された『NEXT-STAGE WORLD』の報告会は、2016年10月19日に京都、10月24日、25日に東京にて開催され、嘉村賢州吉原史郎の両名は組織運営に関する新たな世界観である『Teal組織』について紹介しました。

※日本における『ティール組織』出版は2018年1月24日です。

これ以降、当時私が参加していた特定非営利活動法人場とつながりラボhome's viはティール組織探求を始め、同年2016年11月以降、『Reinventing Organizations』の英語原著を読み解く会も始まりました。

2016年12月の「reinventing organizations」読み解き会

また、2017年6月以降はhome's vi自体をティール・パラダイム的な運営へシフトするため、ホラクラシー(Holarcacy)の導入を行うこととなります。

当初は、NEXT-STAGE WORLD以降、嘉村らとコミュニケーションしてきたメンター、ジョージ・ポー(George Pór)氏 にご協力いただき、またミーティング・プロセスの伴奏はホラクラシー(Holarcacy)の実践を深めていた吉原史郎 さんに参加してもらうことで進めていきました。

私自身は2017年7月以降、ホラクラシー(Holacracy)のファシリテーターとして実践を積み始めました。

そのような時に、『次世代の組織運営を体感する〜ホラクラシー&エンコード体験ワークショップin京都』の企画 が立ち上がりました。

海外から来日されるゲストはお二人。

encode.org社のトム・トミソン氏(Tom Thomison)と、

トム・トミソン氏(Tom Thomison)
HolacracyOne(ホラクラシーワン社)の創業者

Evolution at Work社のクリスティアーネ・ソイス=シェッラー氏(Christiane Seuhs-Schoeller)です。

クリスティアーネ・ソイス=シェッラー氏(Christiane Seuhs-Schoeller)
ヨーロッパにおけるホラクラシー(Holacracy)の実践者

私は今回の企画の事務局として参加することとなりました。

海外の実践者のお二人から、まさに進めつつあったホラクラシー(Holacracy)の学びを得られることに、否が応でも期待が高まっていました。

お二人を招いての企画は東京・京都の2ヶ所で行われ、私は京都での参加となりました。

ホラクラシー(Holacracy)とは?

ホラクラシー(Holacracy) とは、既存の権力・役職型の組織ヒエラルキー(Hierarchy:階層構造)から権力を分散し、組織の目的(Purpose)のために組織の一人ひとりが自律的に仕事を行うことを可能にする組織運営法です。

2007年、Holacracy One(ホラクラシー・ワン)社のブライアン・J・ロバートソン(Brian J Robertson)と、トム・トミソン(Tom Thomison)により開発されました。

組織の全員がホラクラシー憲法/憲章(Holacracy Constitution)にサインして批准することで、現実に行なわれている仕事を役割(Role)継続的に行なわれている活動(Accountability)として整理し、 仕事上の課題と人の課題を分けて考えることを可能にします。

ホラクラシー(Holacracy)における組織構造は『Glass Frog』という独自開発された可視化ウェブツールを用いて、以下のようにホラーキー(Holarchy)なサークル図によって表されています。

2022年10月時点のHolacracyOne社のサークル図

ホラクラシー(Holacracy) を実践する組織において仕事上、何らかの不具合が生じた場合は、それをテンション(tension)として扱います。テンション(tension)は、日々の仕事の中で各ロールが感じる「現状と望ましい状態とのギャップ、歪み」です。

このテンション(tension)を、ホラクラシー(Holacracy) においてはガバナンス・ミーティング(Governance Meeting)、タクティカル・ミーティング(Tactical Meeting)という、主に2種類のミーティング・プロセスを通じて、および日々の不断の活動の中で随時、不具合を解消していきます。

Holacracy(ホラクラシー)の語源は、アーサー・ケストラー(Arthur Koestler)が提唱した Holon(ホロン:全体の一部であり、 且つそれ自体が全体性を内包する組織構造)という概念に由来します。

さらなる詳細や事例については、日本人初のホラクラシー認定コーチであり新訳版の解説者である吉原史郎さんの以下の記事及び、新訳版出版に際してホラクラシーのエッセンスについて語られた動画にもご覧ください。

ホラクラシー&エンコード体験ワークショップin京都:全体の構成

2日間にわたって京都で行われたプログラムは、

1日目にクリスティアーネ・ソイス=シェッラー氏(Christiane Seuhs-Schoeller)メインのホラクラシー(Holacracy)の講義と各ミーティングプロセスの体験。

右から、
尾上典子さん(当日の通訳をしてくださった、日英バイリンガルのエグゼクティブコーチ)
クリスティアーネ・ソイス=シェッラー氏(Christiane Seuhs-Schoeller)
桑原香苗さん(講師サポート。プロセスワークをベースに組織・人材開発、気候変動に取り組む)

2日目にトム・トミソン氏(Tom Thomison)メインによる、The For-Purpose Enterprise(目的志向企業)Purpose Agent(パーパス・エージェント)に関する講義とグループワークが行われました。

The For-Purpose Enterprise(目的志向企業)Purpose Agent(パーパス・エージェント)については、ホラクラシー(Holacracy)をより企業経営や法的な契約形態に関して踏み込んで発展させ、同時に従来のホラクラシー(Holacracy)ではカバーしきれていなかった「人」の位置付けを明確にしたモデルであり、試みと言えます。

ホラクラシー(Holacracy)をさらに発展させようというトムの話に、皆が聞き入りました

ホラクラシー(Holacracy)についての学び・気づき

以下、ホラクラシー(Holacracy)実践者向けの内容が含まれます。

また、2022年現在、ホラクラシー憲法/憲章(Holacracy Constitution) ver.5.0にアップデートされていますが、記事中の用語は一部ver.4.1の内容を含みます。

ホラクラシー憲法/憲章(Holacracy Constitution) については、以下のリンクもご覧ください。

目的(Purpose)について

「その組織は何故あるのか?」「その組織は何を世界にもたらすためにあるのか?」という根源的な問いであると話されたことがとても印象的でした。

また、組織の目的に「営利」を挙げる人もいることについて、「営利は、組織が生きていくために必要不可欠なもの。生き物でいう呼吸と同じ。ただ、生き物は呼吸をするために生きているのではない」というクリスティアーネの言葉がとても心に残っています。

役割・ロール(Role)と人について

組織を役割・ロール(Role)ロールによって継続的に行なわれている活動(Accountability)に整理することで、仕事と人は別で考えることができるようになります。これは、俗人的な仕事や社内政治などの力学から、仕事と人をそれぞれ別の視点で捉えてみよう、という招待でもあります。

この役割・ロール(Role)と人の差異化(differentiation)により、個人と個人の関係性(Relationship)ではなく、ロールとロールの関係性 (Role-ationship)で物事を進めることができるようになるというのが、ホラクラシー(Holacracy)のめざすものでもあります。

では、「人」はどのようにホラクラシーを導入した組織で機能するのか?となった時、クリスティアーネは「組織の構造に命を与える」「エネルギーを与えるもの」。あるいは、「テンション(tension)を感じ取るセンサーとしての人」という表現がなされていました。

休憩時間の間も、クリスティアーネと積極的に議論が交わされています

テンション(tension)の解消について

従来の組織では、何か困りごとが起こった時に「誰か」が解決してくれるのを「誰か」が待っている・期待しているという状態ですが、、ホラクラシー(Holacracy)においては「どのロールの、どのアカウンタビリティがそれを行うのか?」というシンプルな問いがとてもパワフルに機能します。

テンション(tension)を感じることは、衝動として起こってくる反応であり、感じることそのものは悪いことではありません。ただ、ホラクラシー(Holacracy)においては、自分の感じたテンション(tension)に責任を持つことが必要であり、テンション(tension)の解消のための方向付けまでが求められます。

さらに、日々の業務上のテンション(tension)を扱うミーティングは、組織が同期(シンクロ)する装置でもあります。そのため、タクティカル・ミーティング(Tactical Meeting)の開催を待たずに、業務上(オペレーション上)必要なコミュニケーションは、各ロール間、サークル内等でどんどん取っていくことが重要です。

講義を挟みつつ、ミーティング・プロセスの実践と質疑応答が行われました

リードリンク(Lead Link)の役割について

「リードリンク(Lead Link)は、アカウンタビリティの中でサークルの目的(Purpose)を保持するというものがあり、あるロールが気付いていない点を、そのロールに成り代わって発言してしまう場面を見てきたが、リードリンク(Lead Link)のあるべき姿とはどのようなものか?」

という質問をクリスティアーネに投げてみました。

そうすると、クリスティアーネは、「それは Bad Lead Link」と仰っいました。「ロール(Role)にアサインされている人がいるのにそれを差し置いて発言することは、そのロール(Role)に対して失礼である」と。

重ねて、「リードリンク(Lead Link)ロール(Role)に人をアサインすることができますが、それは Order(命令) でもRequest(要求)でもないのでしょうか?」と別の参加者も尋ねると、「それはリードリンク(Lead Link)による招待 (Invitation)です。」と答えてくれました。

ここからはトムの補足も入りますが、良いリードリンク(Lead Link)となるためには、最も組織の目的(Purpose)とつながっていることが大切とのこと。

またリードリンク(Lead Link)は、

「別のロール(Role)にやるべきことを言いません。尋ねます。伝えるのではなくて」

"Never tell another role what to do. Ask,don’t tell."

という言葉が印象的でした。

リードリンク(Lead Link)はに対して、もし優先すべきことがロール(Role)にあるとしたら、その理由を尋ねることができる、というのも良き学びとして残っています。

The For-Purpose Enterprise(目的志向企業)についての学び・気づき

ここからは、ホラクラシー(Holacracy)をさらに独自に発展させた内容が含まれます。

Reinventing Organizations(ティール組織)とThe For-Purpose Enterprise(目的志向企業)

Reinventing Organizations(ティール組織)では、これまでの組織のあり方からのブレイクスルーポイントとして、 Evolutionally Purpose(進化する目的)Wholeness(全体性)Self-Management(セルフ・ マネジメント)が挙げられていました。

これに対し、encodeがめざすThe For-Purpose Enterprise(目的志向企業)においては、5th Discipline(5つの原則)があるといいます。

すなわち、Purposeful(目的を持って働く)Holarchic(ホラーキックに)Dynamic(動的に)Autonomous(自律的に)Transparent(透明性を持って)、の5つです。

トム・トミソン氏(Tom Thomison)の進める話を傍らでサポートする桑原香苗さん

企業における3つの領域...『Organization』『Company』『Association』について

encodeにおいては、ホラクラシー(Holacracy)を実践した組織においても残り続け、継続的に発生し続けるテンション(tension)を、企業における3つの領域(space)から眺める視点を持つことで解消することをめざしました。

すなわち、仕事を管掌する『Organization(それぞれの構造・役割に基づき仕事を行う組織)』、資産を管掌する『Company(法的要件・責任を備え、資産分配などの権利を明記した法人組織)』、人とのつながりを管掌する『Association(人と人の協同、連携による集まり・組織)』です。

『Organization』
仕事を管掌する領域。それぞれの構造・役割に基づき仕事を行う組織としてのあり方。

Association』
人のつながりを管掌する領域。人と人の協同、連携による集まり・集団としての組織のあり方。

Company』
資産を管掌する領域。法的要件・責任を備え、資産分配などの権利を明記した法人組織としてのあり方。

これら3つのスペースを意識することで、ホラクラシー(Holacracy)は仕事を管掌する 『Organization』をうまく機能させるために活用されてきた手法だと整理され、残る人間関係、 企業の資産の取り扱いについて扱う領域について考えることができるようになった、とトムは語ります。

The For-Purpose Enterprise(目的志向企業)とは、この3つの領域(space)をうまく取り扱い、機能させることで目的(Purpose)実現をめざす組織のあり方、と言えるでしょう。

3つの領域を包摂し、うまく機能させることで目的(Purpose)実現をめざす
The For-Purpose Enterprise(目的志向企業)

Purpose Agent(パーパス・エージェント)とThe For-Purpose Enterprise(目的志向企業)

実際に、『Organization』『Company』『Association』の領域を扱うThe For-Purpose Enterprise(目的志向企業)に参加しようと決意した時、人はどのような形で参加するのでしょうか。

トムは、『Organization』『Company』『Association』それぞれの領域(space)に関する取り決めについて、Agreement(同意書)にサインしていくことで、参加できるようになると話していました。

この手続きにより、一人ひとりが選択的に、ある企業のめざす目的(Purpose)に対して自分の持てる時間、労働力、知識、あるいは資産を投資していく存在であることを明確にしています。

このようなあり方の人をトムはPurpose Agent(パーパス・エージェント)と表現していました。

HolacracyOne創業者のトムは、組織運営・経営のさらなる発展を試みていました

なお、Purpose Agent(パーパス・エージェント)は複数の企業に対してAgreement(同意書)を結ぶこともできますが、その際のある1つの企業に投資する時間をFocus Time(フォーカス・タイム)と呼び、そこには自身の休日といった最大限能力を発揮するためのメンテナンス時間も含まれています。

Agreement(同意書)を交わすことにより、組織には従業員、雇われる人、雇う人といった関係性は一切なくなることになります。 実際に、法的に合法的な同意契約であるのですが、国によっては線引きが違うこともあるため、 その国の法律家にチェックを依頼する必要があるともトムは話していました。

『Company Space』では、創業時から事業発展、そして安定期間いった時期ごとの資産の配分について、『Association Space』では、その企業として作っていくコミュニケーションと文化について、『Organization Space』ではホラクラシー(Holacracy)をベースに仕事の配分と働き方についてを同意し、 契約を結んでいくことになります。

『Organization Space』における『Agreement(同意書)』
ホラクラシー(Holacracy)をベースに仕事の配分と働き方についてを同意し、 契約を結ぶ。

『Company Space』における『Agreement(同意書)』
創業時から事業発展、そして安定期間いった時期ごとの資産の配分についてを同意し、 契約を結ぶ。

『Association Space』における『Agreement(同意書)』
その企業として作っていくコミュニケーションと文化についてを同意し、 契約を結ぶ。

また、トムが話していたことで、「憲法/憲章(Constitution)同意書(Agreement)にサインするのは”人”だという盲点があった。十分な判断力を持てないような、Bad Day にその人がサインしてしまうことも起こりうるから」という話は、とても興味深く聞くことができました。

The For-Purpose Enterprise(目的志向企業)とワーカーズコープ(ワーカーズコープ)

トムの語ったThe For-Purpose Enterprise(目的志向企業)においては、法人形態および個人の働き方についてもフォーカスが当たりました。

特に3つの領域のうちの『Company』における、創業時に考える将来の利益配分や資産配分における取り決めなどは、『その組織は何を利益とし、何に対して奉仕するのか?』という問いにもつながります。

現在、日本では株式会社という代表的な法人格の他に、合同会社(LLC)・合資会社・合名会社・一般社団法人特定非営利活動法人・宗教法人・学校法人・医療法人・専門資格士法人(弁護士法人・税理士法人など)などの様々な法人形態が存在する他、協同組合有限責任事業組合(LLP)という形で事業運営や参加者への利益配分を行う組織が存在します。

それぞれ目的、理念、組織構造と役職・役割ごとの権限、利益配分の仕組み・あり方、税法上の取り扱いなども異なるため、これからの働き方を考える上で、自分の参加する組織がどのような法律や規定に基づく存在であるのかも、重要な論点となるかもしれません。

また、2022年10月より労働者協同組合法が施行されました。労働者協同組合は別名ワーカーズコープとも呼ばれますが、組合員による出資、運営、労働の一体的な構造を想定しています。

この労働者自らが出資、経営に参加する新たな法人形態は、トムが想定していたThe For-Purpose Enterprise(目的志向企業)およびPurpose Agent(パーパス・エージェント)とも重なる部分もあるように感じられます。

現在、探求中であるため、この辺りもより深めていければと思います。

Purpose Agent(パーパス・エージェント)とSource(ソース)

Purpose Agent(パーパス・エージェント)という、一人ひとりが選択的に、ある企業のめざす目的(Purpose)に対して自分の持てる時間、労働力、知識、あるいは資産を、Agreement(同意書)に基づいて投資していく存在という見方について、私は2017年当時も、そして2022年現在も納得感を感じることが多いです。

このPurpose Agent(パーパス・エージェント)というあり方は、一人ひとりが自身の目的(Purpose)に基づいて生きているということと、そんな個人が共感し、参加していきたい目的(Purpose)を持った組織に主体的に参加していく、という考え方が根底に流れているように感じられるためです。

この視点は、ビジネス領域に限定的ではあるものの、Source Principle(ソース・プリンシプル/ソース原理)にも近しいもののように感じられます。

Source Principle(ソース・プリンシプル/ソース原理)は、『ティール組織(Reinventing Organizations)』著者のフレデリック・ラルー氏によって紹介されて以来、2019年以降、日本に浸透しつつある概念です。

Source Principle(ソース・プリンシプル/ソース原理)においては、人は誰もが自分自身の人生を創造的に生きていくソース(Source/源)としての素質を備えており、あるアイデアを実現しようとリスクを取り、一歩踏み出すことで人はソース(Source)となりうると考えています。

この実現しようというアイデアの大小によって、例えばお昼ご飯を作るというちょっとした活動のソース(Source)から、社会を変えていくほどのビッグアイデアを実現するために大規模なプロジェクトや組織のソース(Source)となる、という扱う活動の幅の広さも、Source Principle(ソース・プリンシプル/ソース原理)の特徴かもしれません。

詳しくは以下のリンクもご覧ください。

それでも、トムとクリスティアーネが来日していた2017年当時から、2022年の現在、日本で広がりつつある概念のアイデアのエッセンスが紹介されていたことに、確かなつながりの感覚と感動を覚えました。

なお、この時のご縁がきっかけで約1年後、クリスティアーネとは再びプロジェクトをご一緒することになります。

さらなる探求のための参考リンク

『Reinventing Organizations: A Guide to Creating Organizations Inspired by the Next Stage of Human Consciousness』
フレデリック・ラルー(Frederic Laloux)が著した『ティール組織』の原著


『Holacracy: The New Management System for a Rapidly Changing World』
ホラクラシー(Holacracy)の開発者であり、トム・トミソン氏(Tom Thomison)と共にHolacracyOne(ホラクラシーワン社)を創業したブライアン・J・ロバートソン(Brian J Robertson)の主著。


『The For-Purpose Enterprise: A Powershifted Operating System to Run Your Business』

トム・トミソン氏(Tom Thomison)の立ち上げたencode.org がお勧めしている参考書籍。2020年11月に発行されました。


『ALIGNING PEOPLE AND LEGAL STRUCTURES WITH A HOLACRACY ORGANIZATION』
The For-Purpose Enterprise(目的志向組織)に関しても言及されている、トム・トミソン氏(Tom Thomison)が2018年3月に寄稿した記事です。


『New Stories of Love, Power, and Purpose: A Global Invitation to Experiment With the Unknown』
クリスティアーネ・ソイス=シェッラー氏(Christiane Seuhs-Schoeller)の主著。2022年7月に出版されました。


『Christiane's Place』
現在のクリスティアーネ・ソイス=シェッラー氏(Christiane Seuhs-Schoeller)のウェブサイトです。


『Work with Source: Realise big ideas, organise for emergence and work artfully with money』
Source Principle(ソース・プリンシプル/ソース原理)を起業家視点の実務的な観点から体系的に紹介している、トム・ニクソン(Tom Nixon)の書籍です。2021年3月に出版されました。


『A little red book about source: Liberating management and living life with source principles』
トム・ニクソン(Tom Nixon)に先駆け、2020年9月に出版された、ステファン・メルケルバッハ(Stefan Merckelbach)によるSource Principle(ソース・プリンシプル/ソース原理)の書籍です。

終わりに

今回、2017年に開催された『ホラクラシー&エンコード体験ワークショップ』での学びをまとめ直すにあたって、2016年の嘉村賢州・吉原史郎両名による『ティール組織』報告会まで遡ることとなりました。

当時、私は特定非営利活動法人場とつながりラボhome's viに参加しており、本企画に参加した時点ではまだまだホラクラシー(Holacracy)の実践も駆け出しの頃でした。

2018年1月の『Reinventing Organizations』の邦訳書『ティール組織』が出版されて以降、『ティール組織』は国内のビジネス領域に大きな影響を及ぼし、現在はその中の1つとして紹介されていた『パーパス』という概念が注目されつつあります。

私自身に目を向けると、2017年に参加したワークショップ以降もホラクラシー(Holacracy)のファシリテーターおよびプロジェクト・団体内の推進役として実践を続けながら、2019年フレデリック・ラルー氏来日時のカンファレンス『ティール・ジャーニー・キャンパス』にてホラクラシー(Holacracy)のミーティング・プロセスの実演を行った他、

その後、オランダにて開催された『Holacracy Practitioner Training』にてブライアン・ロバートソン氏(Brian Robertson)と直接コミュニケーションながら技術の研鑽をしつつ、

現在まで、7つの組織やプロジェクトにおいてホラクラシー(Holacracy)の実践を重ねてくることができました。(今なお探求・実践は続いています)

途中、人生の大きな転機があったため5年も経ってしまいましたが、ようやく当時の学びを今の実践へ統合できるような、そんな振り返りとまとめを行うことができたように思います。

その振り返り、学び直しの中で特に印象的だったのは、誰しも一人ひとりが自分の人生の目的(Purpose)を持っているという考え方と、誰もが自分の人生における創造的な活動の源泉になりうるというソース(Source)の考え方がリンクしてきたことです。

現在、ソース(Source)に関してはありがたいご縁をいただき、『Work with Source(邦訳:すべては一人から始まる)』の著者であるトム・ニクソン氏(Tom Nixon)との親交を深めつつ、仲間たちと探究を進めていますが、この2016年に始まる新しい組織・経営のあり方や一人ひとりの生き方・働き方の紹介は、今後もじっくり腰を据えて、進めていきたいと再確認できました。

2016年当時から、立場や関係性、状況が変わったりなどでそれぞれ別の旅路を行く仲間もいますが、その時に共有していた根っこは同じではないかな、重なる部分も多かったんじゃないかな、と感じています。

それぞれの道を行く当時の仲間たち、現在も共に歩む仲間たち、様々な人がいますが、ここまで私が歩んでこられたのは、当時の仲間たちやそこにつながる様々な支えやご縁のおかげだと考えています。

これから出会うだろう仲間たちも含めて、人生の道が再び交わり旅路を同じくするときは、これまでの学びとこれからの願いもまた、分かち合っていければ幸いです。


サポート、コメント、リアクションその他様々な形の応援は、次の世代に豊かな生態系とコミュニティを遺す種々の活動に役立てていきたいと思います🌱