【超貴重】モン族の臈纈染めの模様を大解明 #1
こんにちは!Yukaです🌻
私がムーカンチャイで行っている活動の一つに、「文化体験アクティビティの発展」というものがあります。
少数民族モン族の伝統文化である臈纈(ろうけつ)染めの体験を、より質の高い文化体験アクティビティにするために、モン族の方々と協力しながら改善活動を行っています。
▼ろうけつ染めに関する詳しい内容はこちら
私が着任した当時のろうけつ染めの体験は、ムーカンチャイじゃなくてもモン族と一緒じゃなくてもできる『好きな絵を描いて布を染める体験』でした。
でもムーカンチャイのモン族のろうけつ染めは、そんな浅いもんじゃない!(笑)
文化的価値ゼロでもったいない、どうにかしなきゃ!!ということで改善活動の一つとして作成したのが「モン族のろうけつ染めの模様POP」です。
これが加わったことによって、ムーカンチャイのモン族とだからできる『ろうけつ染め体験』として、プチ改善されました。
今回、この模様の意味をまとめたものが大好評で、記事にしてほしいというリクエストも多かったので記事にしてみました!
モン語は文字を持たない言語
以前、ろうけつ染めに関する記事にも書きましたが、モン族が使用するモン語は文字を持たない言語です。
世界中には現在6,000〜7,000もの言語があるそうですが、うち文字を持つのは1,000以下だと言われています。
モン族は文字を持たない代わりに独自の文化を発展させてきました。
それが刺繍とろうけつ染めの文化です。
彼らは刺繍やろうけつ染めの模様を文字の代わりにし、文化や歴史、価値観などを伝承してきたと言われています。
模様の意味を大解説!
今回は、私が現在読んでいるモン族について書かれた本「Bản Sắc Văn Hoá Dân Tộc Mông ở Yên Bái」と、ハノイにあるアートスクール(https://mythuatms.com)の情報を参考に、模様の意味をまとめました!
女性の憧れ(シルバーのアクセサリー)
モン族の女性にとって、民族衣装のシルバーのブレスレットやイヤリングを持つことは憧れと夢。結婚の際、両親から新郎新婦へ銀のブレスレットとイヤリングが送られる。イヤリングがないとモン族女性の魅力は失われる。
男性の強さ(家を支える4本の柱)
男性は毎日森まで仕事をしに行ったり、農業に励んだりと、重労働を担っている。男性が常に家族を支える大黒柱であることを示す。
家庭の平和(食卓を囲む家族)
モン族の家庭にはかつて差別が存在した。毎日家族全員で畑仕事をするにも関わらず女性は家事も行い、食事の際は、父、息子、母、息子の嫁、他の女性の順に、男女別の食卓で食べていた。今でも家族との楽しい食卓を願う象徴としてこの模様を描き続けている。
子供の成長(蜘蛛の巣)
ある日、妊娠中のモン族の娘が洗濯をしに川へ行くと美しい蜘蛛の巣が日差しから守ってくれた。彼女は赤ちゃんを守ってくれた蜘蛛の巣に、我が子も蜘蛛のように厳しい自然環境でも健やかに育って欲しいという願いを込め、それを抱っこ紐に描いた。
女性の勤勉さ(石臼と使うハンドル)
通常このハンドルは十字の形をした木で作られ、長年使い続けることによって滑らかになっていく。家族の繁栄を保つためのモン族の女性の勤勉さを表している。
女性の苦悩や忍耐(石臼)
モン族の主食であるトウモロコシを粉砕するための石臼。石臼を使って行われるこの作業は女性によって行われ、大変な重労働とされている。モン族の女性の苦難や忍耐を意味する。
男女の幸せ(シダ)
シダはどんなに厳しい環境でも常に強い生命力を持つ植物である。シダのようにあらゆる困難を乗り越えて、男女の幸せが続くようにという思いが込められている。
楽観主義、観察力、想像力(水牛の糞尿)
モン族の人々の世の中に対する無邪気で楽観的な見方や、繊細な観察力と想像力を表している。
女性の勤勉さ(水牛の糞尿と米を篩にかける)
モン族の少女の勤勉さは、家族の世話をするための日々の仕事を通して示される。モン族女性の創意工夫と勤勉な家事を讃える深い意味が込められている。
文化を知れば旅はもっと面白い!
いかがでしたか?
模様一つ一つにストーリーがあって面白いですよね。
ちなみに先日、模様のモチーフになっている石臼とシダを見つけました!!
見つけた瞬間、これか!って大興奮してました(笑)
ムーカンチャイでモン族のろうけつ染めの体験をするときには、込めたい思いや意味にあった模様をデザインしてみてくださいね。
続編もお楽しみに!
Yuka
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