見出し画像

初の臈纈染め体験!少数民族モン族に弟子入りしてきた。

こんにちは!Yukaです🌻

あけましておめでとうございます。

2024年も引き続きベトナムから発信していくので、どうぞよろしくお願いします!

とはいえ、ベトナムは旧正月テトのお祝いがメインなので年末年始感は皆無。

年末は30日に仕事納め、年始は2日から仕事初めです。

そんな何も特別感のない年末年始でしたが、大晦日はモン族の村を訪問して「臈纈(ろうけつ)染め」を教わってきました!

今回は、モン族の伝統文化の一つである「臈纈染め」についてご紹介します。

ムーカンチャイに来たら体験必須なので、是非読んでみてください!


臈纈染めはモン族の伝統文化

モン族の臈纈染め

ベトナム北部のムーカンチャイに多く暮らす少数民族モン族には、臈纈染めという伝統的な染色技法があります。

先日ご紹介したKhèn(ケーン)という伝統楽器と同様、モン族の臈纈染めの技術はベトナムの国家無形文化遺産にリスト入りしています。

まずは臈纈染めの歴史や概要について簡単にご紹介します。

臈纈染めの始まりは文化伝承のための暗号だった

臈纈染めが施された布地

モン族は文字を持たない少数民族です。

起源は諸説ありますが、伝説の一つでは、漢民族から蔑視されていたモン族は迫害されるのを防ぐために、独自の文字を持たずに臈纈染めや刺繍の模様を使って子孫に民族の文化や歴史を伝承しようとしたのが始まりだと言われています。

模様一つ一つにも意味があり、自然をモチーフにして「繁栄」や「幸福」などを表現していたそうです。

模様の意味については下記の3つの記事で紹介しています!


どうやって模様を描いている?

蜜蝋を溶かしているところ

モン族の臈纈染めは、溶かした蜜蝋を使って布に模様を描いていき、防染という技法を使って藍染めをします。

蝋を垂らしたところには色が入らないので、そこだけが白く残って模様になります。
*インドネシアのバティックと同じ技法です

染料や材料も全て自然物から。自分たちの手で。

麻の糸を紡いでいる70歳のおばあちゃん

臈纈染めに使われる染料や布生地は全て自然由来のもので、人の手で作られています。

染料は藍の葉と石灰で作られ、生地は麻の糸を紡いで布を織って作ります。

今回訪問したのは、Chế Cu Nha(チェークーニャ)という隣の村。

この村にも電動の機械はありません。

この村のお店に並んでいる製品は、モン族の方々が昔からの知恵と技術を使って、時間と労力をかけて、やっと形になってできているものなんですね。

臈纈染めを実際に体験してきました!

ニンさんが手がけた民族衣装

今回は、モン族の女性織物組合のリーダーを務めるニンさんを訪ね、臈纈染めを教わってきました。

インドネシアのバティックは以前にやったことがありましたが、モン族の臈纈染めは今回が初めて!

下書きから染色までは約1時間、染色から完成までは約半日かかりました。

①枠を描く

枠を描いているところ

まずは布に枠を描いていきます。

お手本に、ニンさんが土台となる枠を描いてくれました。

親指の爪を使って器用に下書きをし、鍋で溶かした蜜蝋をペンのような道具に入れてなぞっていきます。

②蜜蝋で模様を描く

私の作品です(笑)これは染色前

枠ができたら、あとは自由に好きな模様を描いてね!と、練習もなくぶっつけ本番!(笑)

バティックの経験から、蜜蝋は1回垂らしたら修正がきかないことを知っていたので緊張しました、、😂

私が好きなひまわりのお花、ムーカンチャイといえばの棚田など、拙い絵ですがそれとなく描いてみました!

ツッコミどころもありますが、なんとかデザインは完成!

③染色する

染料の原料となる泥藍

模様が描けたら、染色していきます。

染料の原料に使われるのは、藍(あい)という植物と石灰です。

藍の葉を3日程水に浸けた後、葉を取り除き、そこに石灰を混ぜると青い色の泡が立ちます。

そこからさらに数日置くと、ドロドロの濃紺の絵の具のようなものが沈澱し、これが藍染めの染料となります。

染色の工程では、この染料に布を通す作業を40〜50回ほど繰り返します。

④蝋を落とす

丁寧に作業してくれているニンさん

染色の工程を終えると、真っ白だった布生地も美しい濃紺に!

熱いお湯に通して蝋を落としたら色の差がはっきりして、綺麗な模様がついていました。

⑤乾燥させて完成

天日干しているところ

ここまでなかなかな労力と時間がかかりましたが、乾燥させたら完成です。

思ったより上手くできていて、モン族の皆さんにもたくさんお褒めの言葉をいただきました!

部屋の壁に飾っておこうと思います。

ムーカンチャイに来たら体験必須!

モン族の民族衣装を着ているところ

臈纈染めの体験と私の拙いベトナム語でモン族の方々との距離も縮まり、最後には民族衣装も着させてもらいました。

腕の部分が臈纈染めでデザインされているところで、他の部分は刺繍や飾りを使って装飾されていました。

実際に着てみると、想像以上にずっしりと重たかったです!

この衣装も全て原料から人の手で作られている現場を知っていると、工場で作られた洋服を着る感覚とは少し異なりますよね。


今回は、モン族の素敵な伝統文化の一つでもある臈纈染めを少しでも多くの人に知ってもらいたく、記事にしてみました。

ムーカンチャイに来た際には棚田を見るだけではなく、モン族の臈纈染め体験もお忘れなく!

【追記】体験をオンライン予約する方法


*2024年2月1日更新

下記のFacebookページから体験を予約できるようになりました!


Yuka

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?