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与楽流整体術 動作指導療法理論 姿勢と動作と精神の調和

リハビリテーションの臨床現場、スポーツ指導など身体操作の知識を必要とする方へ、基本原則に関する深化した理解を提供します。 ★対象者 柔道整復師、作業・理学療法士、看護師、整体師…
「与楽流整体術メソッド マガジン」は、古武術の叡智と現代の健康に繋がる手法を融合した独自のコンテン…
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#理学療法

身体操作と思考の柔軟性における関係性~その1~

身体操作と思考の柔軟性における関係性~その1~


身体操作の柔軟性と観察力身体操作の柔軟性と思考プロセスの間には深い相互関係があります。これは特にミラーニューロンの活性化という観点から考察することができます。

ミラーニューロンとは
ミラーニューロンは、他者の行動を観察することで自分も同様の神経パターンを活性化させる脳内のニューロンです。これは、他者の動作、意図、感情を理解するのに重要な役割を果たします。

観察力の強化: 身体操作における柔軟

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『与楽流整体 概論』情報処理

『与楽流整体 概論』情報処理


大脳の言語的処理ブローカ領域: 主に大脳の左前頭前回に位置し、言葉の生成や文法の処理に関与しています。この領域の損傷は、発話の困難さや文法的なエラーを引き起こすことが知られています。

ウェルニッケ領域: 左側頭葉の上部に位置しており、言葉の理解に関与しています。損傷は言葉の意味の理解の問題を生じる。

主要な経路: ブローカ領域とウェルニッケ領域はアルコンダルファイバーを介して接続されており、

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感知動作療法とは

感知動作療法とは


感知動作療法とは定義:原始的な生体が兼ね備えた反応や運動の連動を無意識的に引き出すことを目的とする。

人間の脳は無自覚な動作や行動、いわゆるスコトーマを認知することで、その非効率性を処理し、より効率的な方法を求める能力を持っています。この能力は私たちの日常の多くの活動、特に新しいスキルや動作を習得する際に顕著に現れます。

例として、自転車の乗り方を考えると分かりやすいでしょう。最初、自転車に

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『与楽流整体 概論』その12 情報

『与楽流整体 概論』その12 情報

なぜ私たちは自らの警告システムを無視するのか?私たちの身体は驚異的な機械であり、日々の様々な負荷やストレスに対して適切に反応しています。身体は、異常やバランスの崩れを感知し、それを私たちに知らせるための「アラームシステム」を持っています。しかし、多くの場合、この繊細な警告システムは我々にとって何気ないものとして受け取られ、無視されることが多いのです。

現代社会は、情報の洪水や日常の忙しさ、メディ

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『与楽流整体術 概論』その11 呼吸力

『与楽流整体術 概論』その11 呼吸力


呼吸力について呼吸は、私たちの生命を維持する基本的な生理機能の一つでありながら、その深さやリズムが私たちの思考、心理、身体的状態に大きな影響を及ぼします。そして、これらの影響を認識し、意識的に調整する能力を「呼吸力」と呼びます。

呼吸力は、単に呼吸の深さや速さを調整することだけでなく、呼吸を通じて生じる心身の変化に適切に対応し、最適な状態を保つ能力を指します。具体的には、以下のような側面を指し

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『与楽流整体術 概論』その10 アラームシステム

『与楽流整体術 概論』その10 アラームシステム


ホリスティック医学およびマインドボディ医学ホリスティック医学やマインドボディ医学は、伝統的西洋医学とは異なり、人の健康を一つの部分や器官だけの機械論として考えるのではなく、全体としての連携と相互作用を重視するアプローチです。この視点は、人間の身体と心が分離されたものではなく、相互に影響し合う統一体として扱われます。人間を「体・心・気・霊性」等の有機的統合体ととらえ、社会・自然・宇宙との調和にもと

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『与楽流整体術 概論』1~4まとめ 個性と習慣的動作: 深い関連性の探求

『与楽流整体術 概論』1~4まとめ 個性と習慣的動作: 深い関連性の探求


私たち一人ひとりが持つ「個性」とは、思考、感情、行動における独自性や特徴性を指します。この個性は、環境や経験、遺伝的要因などさまざまな要素から形成され、私たちの日常の動きや行動パターンにも影響を与えます。特に、習慣的な動作や行動の背後にあるこの「個性」という要素は、意識的・無意識的な選択の中でどれほど強力に作用しているのでしょうか?

動作の起源と個性: 環境、経験、そして性格の影響

私たちの

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与楽流整体哲学 魂魄その3

与楽流整体哲学 魂魄その3

内容を深く理解して頂くには、「魂魄その1」から読むことを推奨します。

気魂と気魄の関係性気魂とは、精神エネルギーを示すものです。精神エネルギーは身体の中で意思として働き、人の心の中の熱意や動機、欲望を表現する力として表れます。陽のエネルギーの性質を持つ意思エネルギーは、明るく、積極的で、活動的な側面を持ちます。日の光や春の暖かさのように気候が安定している時に元気ややる気が出てくるのはこのためだと

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『与楽流整体術 概論』その2~心と体の動向~

『与楽流整体術 概論』その2~心と体の動向~



人々の姿勢や動作は、ただ身体のメカニズムだけで決まるものではありません。深いところには、個人の思考や感情、心理が潜んでおり、それが行動や動作の質に大きく影響しています。これは、身体の動きにおける「効率」にも大きく関係していることが考えられます。

感情や心理と姿勢動作の関係性私たちの思考や心理は、外見や振る舞いだけでなく、姿勢や動作にも影響を及ぼすことが多い。この影響は、意識的・無意識的なもの

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『与楽流整体術 概論』その1~環境が及ぼす個性の発生機序~

『与楽流整体術 概論』その1~環境が及ぼす個性の発生機序~


前書き:身体性と心の相互作用についての探求私たちの心と体は、互いに密接に関連して動作しています。日常生活の中での私たちの行動や感情、そして思考は、身体的な動きや姿勢と結びついていいます。しかし、この関係性は一方通行のものではありません。つまり、私たちの思考や感情が身体的な動きや姿勢に影響を与えるだけでなく、その逆もまた真実であるということです。

本文では、この心と体の相互作用を中心に、動作効率

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日本の伝統文化にみる食事の祈りと共鳴その3 お箸が結ぶ心身の次元調和

日本の伝統文化にみる食事の祈りと共鳴その3 お箸が結ぶ心身の次元調和


日本の食事文化は、食を通じて神聖な側面と日常の側面を結びつける独自の特徴を持っています。古代からの伝統と現代の変遷が交錯し、独自の価値を持つものとして存在しています。これは神仏習合という文化的背景と、食事を通じた心身の調和を探求する姿勢との結びつきから生まれています。食卓においてお箸が担う役割、そして位置エネルギー、姿勢反射、重力の影響について考察し、その深層に迫ってみましょう。

お箸の歴史と

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日本の伝統文化にみる食事の祈りと共鳴その2 日本独自の食事法の歴史と個食

日本の伝統文化にみる食事の祈りと共鳴その2 日本独自の食事法の歴史と個食



お膳の食事法とその深層歴史と背景

日本の食事文化は、古代から現代に至るまで、日本独自の特色を持ち続けています。その中でも、お膳と呼ばれる食事法は、日本の伝統的な食事スタイルの一つであり、その歴史と背後にある深層には興味深い側面があります。

食器の進化とお膳の起源

お膳の起源は縄文末期から弥生時代まで遡ります。弥生時代の遺跡からお膳の基盤となる物が発見されています。そして古墳時代に、食器や

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日本の伝統文化にみる食事の祈りと共鳴その1「頂きます」姿勢と動作の相関性

日本の伝統文化にみる食事の祈りと共鳴その1「頂きます」姿勢と動作の相関性


『頂きます』の意味と背後にある古神道との関わり日本の伝統文化には、食事の瞬間に祈りと共鳴を込める深い意味が息づいています。

この意味が象徴的に表れるのが、食事を始める際に口にする「頂きます」という言葉です。この一瞬には、歴史、文化、そして古神道との深い関わりが織り交ぜられています。

天地の恵みを感じる

「頂きます」の言葉は、食べ物を前にする際、その恵みを与えてくれた天地や自然に感謝の気持ち

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