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短歌まとめ
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#創作

短歌《いつかのわたしたち》

短歌《いつかのわたしたち》

ミルク多めのカフェオレを飲みたいと優しさに飢えてるわたしたち

枯れかけの花束愛でるあのひとはきっと誰の死も愛してくれる

ぽつぽつと咲き始めてる桜見て散りゆくとこを想像してる

無意識に二人分の珈琲を淹れるくらいに君が好きだよ

誰もかも死んだ人には優しくて誰のための優しさなのか

みっちりと包まれている購買の惣菜パンの優しさを買う

まんまるのホットケーキにナイフ刺す世界を覗く切り込み入れる

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9月と10月の短歌

9月と10月の短歌

放課後のひとりぼっちの教室で眺める雷雨嫌いじゃないよ

あなたの幸せがわたしの幸せなワケねーだろふざけんなよ!

真っ暗な台所に灯ってるポットのランプ 冬がくるよ

ヨーグルトのその白さが眩しい 健康の塊みたいで

お互いの誕生日さえ知らないが君の口癖誰より知ってる

ゆびさきについたガムシロ舐める癖 知っているのは多分ぼくだけ

ゆっくりとミルクを注ぐ横顔は天国つくる神様みたい

笑顔しかみせな

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7,8月の短歌

7,8月の短歌

強炭酸を飲み干してあの夏の青春取り戻した気になる

夏だから夜中にひとりコンビニにスイカバー買いにでかけてもいい

まわり道しても隣に君がいる 無駄じゃないって笑いとばせる

自分より背丈の高い向日葵がこわくなった君のいない夏

丁寧に西瓜の種を取り除く明日の平和を祈るみたいに

目が覚める夢のむこうに大切ななにかを忘れてる夏の朝

きみ眠る確実に目を覚ますから愛しいとおもえるその寝顔

熱揺れる

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6月の短歌

6月の短歌

電線が街からすべて消えたとき空が途端につまらなくなった

金平糖かじるたびに一等星手に入れた気になった真夜中

野良猫を追いかけ迷う路地裏で君と出会った真夏の昼間

人混みは好きじゃないからこの夏も花火をベランダでひとりじめ

履歴書に書き連ねてるもうひとりの自分が生まれる不気味さ

地下鉄が地上にでてく瞬間がなぜだかすごく安心できた

離れてるほうが愛せる星空も君の寝顔も知らなくていい

真っ白

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5月の短歌

5月の短歌

パレットの鮮やかな色ぐちゃぐちゃに僕の心と同じく濁る

まだすこし肌寒いから半袖でタオルケットにくるまって寝る

帰り道きみと別れる十字路で互いの影は交差したまま

悪い癖と自覚してても煙草吸ってるきみの横顔がすき

屋上でひとりっきりでシャボン玉飛ばすあなたは神様ですか

4月から放課後きみのクラスまで迎えにいくのはわたしの番ね

君のことわたしのなかで永遠に生かし続けるとか言わないで

シャト

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4月の短歌

4月の短歌

自販機で迷った挙げ句綾鷹の冷たいの買う春が来ました

わたしたちパスタもうどんも啜るからいっそ一緒に暮らしませんか

いつまでも君と一緒にいたいから今年は梅酒をつくりませんか

靴擦れを我慢しながらきみの待つ一番線へかけあがってく

インスタの投稿全部削除して迎える社会人一年目

風邪のとき君が作ってくれるうどんで知った愛情の柔らかさ

君が焼くお砂糖入りのたまごやきの匂いで朝を迎えたい

ポテサ

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3月の短歌

3月の短歌

限定のパフェをほおばるあなたのその笑顔はわたし限定

不器用なあなたが焼いたパンケーキ ムラだらけの焦げ目も愛しい

新品の消しゴムの角削るとき心のなかでごめんって言う

この春は君は隣にいないけど桜は綺麗に咲いているよ

コンビニで桜餅買う君はちゃんと女の子していて可愛いね
(3/3の短歌)

ルミネのキャッチコピーほどわたしたち単純じゃないよと笑い合う

スーパーの特売品のカルピスの瓶を眺めて

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2月の短歌

2月の短歌

今日だけはあなたのために我慢する甘ったるいチョコレート捧ぐ

制服のリボンをきゅっと結んだら わたしは私に変身する

僕のことうつしていないその時の君の瞳がいちばん綺麗

人類が清く正しくあるために俺らの愛は汚されていく

お刺身を新鮮な死骸と言うきみ 僕はとてもカワイイと思う

恋人ができたら君も人間をみんな愛してしまうでしょうね

まだジャスコだけど君にはイオンまで行こうって言う思春期だから

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11月の短歌

11月の短歌

ワンルーム冷えきっていた 寂しくて買ってしまったコンビニおでん

カチカチとカッターの刃を伸ばしてく 一度も折らず今日まで無傷

多数派になると決めたら覚悟するいつか共犯者になることを

本日も僕に棲んでるツッコミがアホな世界になんでやねん

美しくぼやける世界見るための代償は視力0.1

満点とっても20点なんだって 厳しすぎない?ルナルナ

そうやって らしさばかりを好いてくる そのたび性を嫌

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10月の短歌

10月の短歌

読むのはわたしだけだから許される単行本の帯を栞に

靴下で隠れてしまうペディキュアは君だけが知る秘密の印

音姫で消してしまえば大丈夫 この恋だってなかったことに

マグカップなみなみ注ぐ珈琲とひとりで過ごす あなたは留守で

どんぐりを辿っていくと見えてくる丘のベンチで読書するきみ

死にたいとツイートのたび確実にわたしのなにかぷちっと弾け

死んでいる野良猫みつけ立ち止まるわたしじゃなくてごめ

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