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フランス語(等の)方へ

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主にフランス語・フランス語学に関連する記事を放り込んでいます。
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#外国語

deuxièmeとsecond【フランス語の方へ:1】

小手先の記事もちょっと書いてみよう、という試みです。


フランス語には、「2つ目の」と訳しうる形容詞がふたつあります。deuxièmeとsecondです。前者は基数詞deuxに序数詞化標識-ièmeをつけたものです。後者はラテン語secundusに由来します(なおsecundus自体は、sequi「付き従う(suivre)」という意のラテン語の動詞と、根のところでは繋がっているようです。Oxf

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【531】フランス語中級者のためのモンテーニュとたまねぎ

【531】フランス語中級者のためのモンテーニュとたまねぎ

ミシェル・ド・モンテーニュの名を聞いたことがある人は少なくないと思います。世界史の教科書にすら出てくるビッグネームですし、彼の『随想録(Essais)』は、実際に読むと骨が折れるとは言っても、枕元において少しずつ読むと豊かになるタイプのテクストです。  

(なお、フランス語初修の段階でモンテーニュを読もうと思うと爆死します。フランスの学生すら現代フランス語訳を要するテクストですし、そのハードルを

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【295】単発の理論や知識ではなく、全体性を見せてください

【295】単発の理論や知識ではなく、全体性を見せてください

Twitterで私のアンテナに引っかかるのは友人伝いで見られる学習系のアカウントです(というより、殆ど見ないからそうしたアカウントしか目に入らないという成り行きです)。

驚くべきことでもないのかもしれませんが、やはり半角280字という制限の中では、役立つことになっている単語やその意味を示しておしまい、ということになりがちです。それはそれできわめて意義のあることですし、それ以上を求める必要もないの

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【273】フランスのペンギンに学ぶ、辞書や専門領域の内的循環を脱する方策

【273】フランスのペンギンに学ぶ、辞書や専門領域の内的循環を脱する方策

皆さんはペンギンがお好きですか。私は好きです。日がな一日眺めていても飽きません。

ペンギンは英語でpenguinですが、フランス語だとmanchot(カタカナに無理に直すなら「マンショ」)です。なんだかへんな音ですよね。

今回はここから。

※この記事は、フランス在住、西洋思想史専攻の大学院生が毎日書く、地味で堅実な、それゆえ波及効果の高い、あらゆる知的分野の実践に活かせる内容をまとめたものの

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【265】seminarの語源から、多様かつ重層的に言葉を見ることへ

【265】seminarの語源から、多様かつ重層的に言葉を見ることへ

ごく簡潔ではありますが、語源を検討する能力を持つことの価値について、また広く言って自らの言語運用を反省することについて、見てみたいな、と思います。

※この記事は、フランス在住、西洋思想史専攻の大学院生が毎日書く、地味で堅実な、それゆえ波及効果の高い、あらゆる知的分野の実践に活かせる内容をまとめたもののうちのひとつです。流読されるも熟読されるも、お好きにご利用ください。

※記事の【まとめ】は一番

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