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日本のTVって、そのうち外資に食い尽くされるんじゃないか?

皆さんは、「地上波テレビ」をちゃんと見てますか?
ぶっちゃけ、私はあまり見てません。
しかし見てないという人、案外多いんじゃない?
だからこそ、近年ずっと視聴率低迷が叫ばれてるわけで・・。

全体的に落ちてるね。
もはや、視聴率一桁というのは当たり前という時代のようだ。
ただ上のグラフを見る限り、【まだマシ】と【もうヤバいかも】に分かれてると思う。

【まだマシ】
NHK、日テレ、テレ朝、テレ東

【もうヤバいかも】
フジテレビ、TBS

テレ東は視聴率最下位グループながらも、元からダントツ最下位だったわけで、落ち幅とすればむしろ小さいから【まだマシ】の方に入れました。
本当の意味で最もヤバく感じるのは、フジテレビである。
昔は強かったのになぁ・・。
一体、どうしちゃったんだろ?

民放5局売上比較

こうして見ると、フジテレビは「売上高」という数値なら今でも上位なんだね。
ただ、純利益額がテレ東より下で、最下位じゃん・・。
見た感じ、一番大丈夫そうなのが日テレである。
日テレの強さ、その「アニメ戦略」を見てりゃ、頭の悪い私ですら分かるよ。

【日テレのアニメ戦略】

①「葬送のフリーレン」初回を「金曜ロードショー」枠で放映をする賭けに出て、その賭けに勝ち、見事に大人気アニメとした。

②劇場版「名探偵コナン」のプロモーションに力を入れ、最新作は興行収入140億円突破というシリーズ最高記録を樹立。

③スタジオジブリをグループ子会社化し、これで「スタジオ地図」細田守に続き、宮崎駿を押さえることにも成功。

なんか、最近の日テレには「勝ち組」オーラが出とるわ。
そうは言っても、宮崎駿はあと20年も生きてないと思うんだけど。
・・ま、まさか、吾郎に期待?

上の図は、日本の広告費媒体別シェアである。
見ての通り、いまやテレビのシェアはせいぜい25%で、インターネットの43%シェアを大きく下回っている。
もはや、テレビはネットに勝てないメディアということか・・。
だから、今後はいかにテレビ局がネットに絡んでいくかがカギになるわけで、俗にいう「オンデマンド」ってやつだな。

<オンデマンド契約者数ランキング>

※某サイトの独自アンケート調査によるランキングです
【1位】
Amazonプライム
【2位】
Netflix
【3位】
U-NEXT
【4位】
Hulu
【5位】
ABEMAプレミアム
【6位】
ディズニープラス
【7位】
dアニメストア
【8位】
DAZN
【9位】
Lemino
【10位】
FODプレミアム
【11位】
TELASA
【12位】
DMMTV
【13位】
WATCHA

このランキングの中で、4位のHuluは日テレ系。
5位のABEMA、および11位のTELASAはテレ朝系。
12位のFODはフジテレビ系、ということになってると思う。
こういうところで見ても、日テレがややリードかな?
とはいえ、1位のAmazonプライム、2位のNetflixの牙城を崩せそうな気配はまるでない。
こういったところは資金が潤沢なのか、独占オリジナル番組のクオリティで他と差別化してる戦略だよね。

Amazonプライムは海外ドラマに強みあり
Netflixは、アニメにまで力を入れている

こういうサービスによって色々と見られるようになったのはありがたいものの、でもさ、こういうのって日本の放送局のテレビ視聴率が落ちた分だけ、その利潤がまるごと海外資本(AmazonプライムやNetflix等)に奪われたという構図でしょ?
なんか、日本のおカネがアメリカに搾取されたみたいで、嫌だなぁ・・。
考えてみりゃ、日テレが提携してるHuluだって本拠はアメリカのディズニー資本だし、

・日テレ
・Hulu
・ウォルトディズニー
・ジブリ(日テレの子会社)
・タツノコプロ(日テレの子会社)
・マッドハウス(日テレの子会社)
・スタジオ地図(版権を日テレと共有)

だんだんこういうグルーピングになってきてる中、最後はおいしいところをディズニーに根こそぎ持っていかれるんじゃないだろうか、と皆さんは不安にならない?
私は心配だよ。
まぁ、今すぐどうこうということはないと思うけど。
でも、もし私がディズニーの立場なら、この中で最も食指を伸ばしたいのは

・ジブリ
・タツノコプロ
・マッドハウス
・スタジオ地図

ですよ。
版権云々の問題ではない。
それ以上に魅力なのは、これら制作会社が有する「2Ⅾアニメ制作スキル」の方である。
もちろん「3DCGアニメ制作スキル」の方は元々ディズニーは持ってるし、むしろ自分たちは世界一だという自負すらあるだろう。
だけど、2Dとなると話はまた別。
この分野だけは「日本にかなわない」と思ってるはずだし、また、世界には一定数「3DCGアニメより2Dの方が好きだ」という人たちがいるのも事実である。
だから当然のごとく、今後ここを狙ってくるはずなんだ。
正直いうと、付け入る隙は十分にあるんですよ。
だって、

日本のアニメーターの平均年収は440万なのに対し、海外のアニメーターの平均年収は780万だから。

こういう格差は日本独自のビジネス構造(製作委員会システムなど)の問題だから致し方ないとしても、しかし今まで「キツイだろうけど頑張って」と現場の社畜精神(アニメ愛)に甘えてきたのも紛れもない事実である。
もし、ここを海外資本に付け込まれた日には、一体どういう流れになるかは私にも読めない。
ぶっちゃけ、結構ヤバいことになるかも・・。

でも、決して悪いことばかりでもないんだよ。
こうしてオンデマンドが全世界を網羅するようになった時代だけに、日本のアニメ市場は着実に成長を遂げてるんだから。

見ての通り、伸びてるのは海外売上である。
多分、まだまだ伸びる余地は残されてると思う。
おそらく、軸として注視していくべきはリーディングカンパニーの日テレだね。
業界浮沈のカギを握ってるのは多分ここだし、それこそ黒船でペリーが来航した時のようなもんで、いわばHuluなんかは日米和親条約のようなものなのかもしれない。
日テレ=江戸幕府?
この流れでいくと、逆に「薩長連合」っぽい潮流が出てくることも考えられなくはないなぁ・・。
たとえば、東宝が坂本龍馬みたいな役割を担い、
テレ朝⇔テレ東
を提携させちゃうのよ。
仮にそういう朝日東京連合ができれば、
・「ドラえもん」(興行収入MAX83億)
・「クレヨンしんちゃん」
(興行収入MAX22億)
・「ポケモン」
(興行収入MAX72億)
・「妖怪ウォッチ」
(興行収入MAX78億)
・「SPY×FAMILY」
(興行収入MAX62億)
などの子供が喜びそうなコンテンツを一堂に集め、東宝が仕切ることで何か大きなことをできるかもしれない。

そして、オンデマンドは「ABEMA」に一本化して強化。
私が知ってる高校生なんかは、めっちゃ「ABEMA」を見てるのよ。
私はほとんど見たことないんだが、恋愛リアリティショーなどが結構面白いらしいぞ?
でもって、テレ朝は100%子会社に「シンエイ動画」をもってるのが強み。
シンエイは非常にクオリティ高いアニメを作れるところなんだし、ここに「ABEMAオリジナル」を続々と作らせて勝負に出るのもいいだろう。

シンエイは、思春期のユーザーの琴線に触れるのがうまいところだと思う

一方、テレ東は「ポケモン」「妖怪ウォッチ」等キッズ向けに強みがあり、大体は「OLM」という制作会社がそれを請け負ってるわけだが、このOLMも最近では「オッドタクシー」や「異世界食堂」など、いい感じに非キッズの作品を制作してきている。
・・うん、朝日東京連合って、意外とうまくハマるんじゃないか?
もちろん弊害要素がたくさんあるのも分かってはいるけど、でもここにきて時代はまさに幕末、何らかの新編成がないことには、日本ってこのまま地盤沈下してしまうような気がするんだよねぇ・・。

いや、まずは日テレ、頑張ってください!


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