涙ぐましい男たちin香港
昨日、世のイベント事に全く乗らない旦那の話をしました。
でも誤解しないでください!これはあくまで一個人の話。
香港の人がイベント嫌いとか、イベントに無関心な人種という事ではありません。一般的な香港人はむしろ逆。特にイベントに情熱を燃やす女性陣に引きずられて、香港男性はそんな女性陣を喜ばせるべく、涙ぐましい努力を重ねておられます。
そう、全ては君の笑顔の為に。
香港の人たちはイギリス文化の影響も色濃く受けているので、特に西洋のイベントには、かなり力を入れてます。クリスマスは香港のイベントの中でも、ある意味お正月以上に一年のイベントの中では一番のビッグイベントと言っても良いでしょう。ハロウィンやバレンタインも、すごい商戦やパーリーが繰り広げられております。
もちろん、西洋イベントだけでなく伝統的な中国イベントも、今のお爺ちゃんお婆ちゃん世代が頑張っているので、端午節や中秋節、冬至、お正月(旧正月、春節の事ですが)の家族ディナーとか、まだまだ盛り上がっています。
ま、でも一つ例に取ろうと思うなら、特に印象深いのがバレンタイン。
香港は、日本と逆で男性から女性に意思表示をする日です。
そして、今でこそ、日本の影響を受けてチョコレート業界も、色々バレンタイン用の贈答用チョコを用意するようにはなったものの、メインは花束です。花束にラブメッセージ入りのカード添え。
恋人や奥さんに花束を贈るんですけど、贈るのは会社に贈ってくるんですよ。夫婦なんて、ずっと一つ屋根の下に暮らしているのに、当日敢えて会社に花束が贈られてくる。
花束のサイズは愛のサイズ。
それはお姫様気質が強い香港女性のプライドが火花を散らす闘いの日。
そして、花束の値段も、バレンタインに向けてめちゃめちゃな跳ね上がり方をします。日本円にして1万円越えも当たり前。普段の市場価格の数倍に跳ね上がります。それなのに、その尋常じゃなく価格が吊り上げられた花束を、力ある者は赤いバラの花100本とか贈ります。
「私はこんなにも愛されています。」
という周りへのアピール。
それを周りにアピールする事に何の得があるのか。ただのお金の無〇遣いという気がしないでもないですが、本人たちは至って真面目。メンツをかけて40過ぎのおばちゃんでも、それが当然の如く、ご主人が花束に一万円~数万円の出費をし、家で渡せばゼロ円で済むところ、更にクーリエ便を手配して、会社に届けるという作業をさせるのです。
それを思うとお菓子業界に踊らされているとしても、「花より団子」な日本のチョコレートの方がよっぽど愛嬌があるし、美味しいし、不当に値段が吊り上げられる事もなくいられるじゃないの、と微笑ましく思わずにはいられません。
今年ももう11月。香港には一年で一番ビッグなイベント、クリスマスが控えています。クリスマスはもちろんゴージャスディナー&煌びやかなプレゼント。ハロウィンが終わった瞬間から、街の商戦も、涙ぐましい香港の男たちの闘いも始まっている事でしょう。
去年のデモ、今年のコロナ、と受難続きの香港ですから、大多数の聡明な女性たちは、そんな「見栄の為の無〇遣い」をやめる事に・・・なりましょうか?!