戦わずして勝つ〜孫子の思想~
秋晴れのさわやかな日々が続いています。
散歩すると気持ちいいですね。
澄んだ青空は美しいですよ。
好きな言葉をお伝えいたします。
「他者の行動によって、
あなたの心の平穏を
乱されることのないようにしてください」
(ダライ・ラマ14世)
戦いとは何か?
戦争というものは、国家の大事である。
民の生死が決まり、
国家の存亡のわかれ道であるから、
よく洞察しなければならない。
そのため戦争の可否を
五事ではかり、七計でくらべ、
その実情を知る。
利がなければ、軍を動かさず
得るものがなければ、兵を用いず、
危険でなければ戦わない。
君主は怒りにより軍を興してはならず、
将は恨みにより戦いを行ってはならない。
利にかなえば動き、
利にかなわなければ止める。
怒りはまた喜ぶことができ、
恨みはまた悦ぶことができるが、
亡国は再び存在できず、
死者は再び生き返らない。
そのため、明君は戦争を慎重にし、
良将は戦争を戒める。
これが国を安寧にし
軍を保全する原則である。
戦争とは敵を欺くことを根本とし、
利益のあるところに従って行動し、
分散と集合を用いて巧みに変化するものである。
これは、孫子による戦争の定義です。
孫子の軍事思想の原則は、
なるべく
実際の戦闘をしないよう
説いています。
そして、
戦争をしないことに努めながらも、
それでも戦争する場合には
必ず勝つために、
五事・七計について実情を比較して、
勝算を判断すること、
戦争の基本的性格を
「騙し合い」
と定義づけています。
五事・七計とは?
1.五事
自軍・敵軍の戦力を比較する方法です。
五事とは、
「道・天・地・将・法」
です。
(1)道
君主が民たちを教令で導くことです。
上と心を同じくし、
「人の和」を最も重要とします。
(2)天
冬や夏に戦争を起こさず、
民を愛すべきであるという解釈です。
(3)地
地形に応じた戦い方をすることです。
(4)将
将軍は、
智・信・仁・勇・厳の「五徳」を
備えるべき資質と説いています。
智:知恵、知性
信:信用する、信頼される人
仁:慈しむ、愛する心
勇:勇気、決断力
厳:自分に厳しい、規律正しい
(5)法
軍隊の組織化と制度化、軍官を統率し、
糧道を確保して軍隊を動かすための費用を
掌握することです。
2.七計
君主が将の五事への理解を比較するものです。
君主は、
「主・将・天地・法令・兵衆・士卒・賞罰」により
将の勝ち負けの実情を探ります。
主:君主はどちらに道徳があるか
将:将はどちらに智能があるか
天地:天の時と地の利はどちらが得ているか
法令:法令はどちらが行われているか
兵:兵はどちらが強いか
士卒:士卒はどちらが訓練されているか
賞罰:賞罰はどちらが明らかであるか
参考文献:
渡邉義浩著 孫子ー「兵法の真髄」を読む
中公新書
最後まで読んでいただきありがとうございました。