個人商店は特定のお客さんに喜んでもらう仕事。全員に認められなくてもいい【八百屋から見た“食”no.41】
昨年より闘ってまで言いたいことが減っています。
ある種の承認欲求が落ち着いたのかもしれないし、自分の出力(≒マンパワー)が落ち気味なのかも。あるいはヨノナカの全員に受け入れられはしないという諦観なのかもしれません。
「こんなことやってます」アピールよりも、日々のサービスレベルを落とさずそつなく終え、店を利用してくださる方々に応えたいという意識が強くなっています。個人商店にとっては(全員でなく)ファンに応え続けることこそが有意な拡がりとでも言いましょうか。
弱者の闘い方と言われれば確かにその通り。
自分の“出力”を、すべての人に意識を向け認めてもらおうとする“ある種の闘い”より、身近な人/関心ある人を“支えて育てて輪を広げる”意識。後者が強くなっています。ただし、コミュニティ(≒囲い込み・仮想敵の醸成)ではなくあくまでビジネスの範疇です。お客さんが買い物する際の、たくさんの選択肢の中のひとつが当店であってほしいし、ファーストチョイスが当店であってくれたならなお嬉しい。
関心ない人をいろんな手法で認知させたところで、結局本人の関心がこちらに向いた上で、本人の意識が育たない限りは“継続”しない。まして他人の興味関心意識は不安定でうつろいやすいもの。そんな不安定で達成感の無い要素に自らの労力すべてをbetするほど、個人に余裕はありません。「店の認知」に全力を上げ宣伝や告知ばかりするよりは「店(私)からの提案力・相手要望とのマッチング」こそが個人がするべき仕事です。
食材を調理して食べるという行為そのものがマイナーになった中で【食べて美味しいという関心】のきっかけを作り、継続し、育てる。高位安定の食材提供を続ける中で少しでもできたらなと考え、日々営業しています。
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>農薬・添加物は、
・使わない方が良い気がする し、
・使わなくてもできる けど、
・使う理由や状況も理解 する。
その上で、あなたがこだわり、選べばいい
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