ヤマケイの本

山と溪谷社の一般書編集者が、新刊・既刊の紹介と共に、著者インタビューや本に入りきらなか…

ヤマケイの本

山と溪谷社の一般書編集者が、新刊・既刊の紹介と共に、著者インタビューや本に入りきらなかったコンテンツ、スピンオフ企画など、本にまつわる楽しいあれこれをお届けします。https://www.yamakei.co.jp

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  • 【新刊のご案内】

    毎月ご案内している、新刊情報のまとめです。興味のある一冊を探してみてください!

  • 「ヤマケイの本」全文公開

    本noteで公開している、全文公開記事をまとめました。

  • 日々の暮らしを充実させたい!

    毎日の生活に一工夫して、より充実した日々を過ごせる方法を紹介します。

  • インタビュー・取材記事

    「ヤマケイの本」から出版された書籍にまつわるインタビューや、取材記事のまとめです。

  • とある編集者の日々の観察

    ツイッター山と溪谷社いきもの部(@yamakei_ikimono)でブチョーwが日々垂れ流している生き物観察のまとめです。内容はほぼブチョーwの妄想なので信用してはダメです(笑)。

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  • 固定された記事

「山以外の本も出しています!」――ヤマケイの本について、もっと広く楽しくお伝えするnoteをはじめます

私たち山と溪谷社は、1930年に山岳の雑誌『山と溪谷』と書籍を発刊する出版社として創業しました。2020年に創業90周年を迎えた、かなり老舗の出版社です。 山好きの方には、『アルペンガイド』や『ヤマケイJOY』、山のムック本などで馴染みをもっていただいているかもしれません。 そんな出版社ですが、実は山以外の単行本もたくさん発刊しているのです……! 料理やペットの実用書、研究者が書いた科学エッセイ、民俗学的な読み物、生き物をもっと楽しく知るための図鑑や児童書、よりよく生き

    • 広大な”狼屋敷”で犬、狼、ジャッカル、狐、ハイエナと暮らした「犬奇人」のすご過ぎる人生【動画つき】

       戦前から戦後にかけて、狼をはじめとするイヌ科動物を独学で研究し、雑誌『動物文学』を立ち上げた平岩米吉という人物がいました。  動物行動学の父・ローレンツに先駆けて自宅の庭で犬、狼、ジャッカル、狐、ハイエナと暮らしながら動物を徹底的に観察。「シートン動物記」「バンビ」といった動物文学を初めて日本に紹介し、フィラリアの治療開発に私財と心血を注ぎました。この、知られざる奇人であり偉人を描き切った痛快ノンフィクション、ヤマケイ文庫『愛犬王 平岩米吉』(片野ゆか著)から「プロローグ」

      • 植物のプロは、イチゴをこんなふうに見る

        文:大森雄治(元横須賀市博物館学芸員) イラスト:山口ヒロフミ 何が果実でどれが種子? 果実と種子の区別は、なかなか厄介である。イネ科やキク科の果実のように果皮がとても薄く、ほとんど種子だけの果実もあれば、種子のまわりに子房だけでなく、花托(かたく)や花びらや萼(がく)などがまつわりついているもの、さらに小さな果実が集合したものなど、果実の実体は複雑なものになっている。 被子植物の分類では、花のかたちがもっとも重要な形質とされ、科の特徴も花によく現れているが、ドングリを

        • 【アメリカの化学者が教える】マーガリン等に含まれるトランス脂肪酸は、なぜ動脈硬化のリスクを上げるのか?

          SNSで話題沸騰の新刊『さぁ、化学に目覚めよう 世界の見え方が変わる特別講義』(ケイト・ビバードーフ:著、梶山あゆみ:訳)。テキサス大学で文系の学生に向けた授業を担当し、自他ともに認める化学オタクの著者(表紙写真で火を噴いている人物)が、高校から大学の教養レベルで学ぶ化学の基本原理と、日常にあふれる化学反応をわかりやすくユーモアたっぷりに語る一冊です。 私たちが毎日の食事でとっている油脂。これは、脂肪酸とグリセリンという分子からできています。脂肪酸は飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸

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        • 広大な”狼屋敷”で犬、狼、ジャッカル、狐、ハイエナと暮らした「犬奇人」のすご過ぎる人生【動画つき】

        • 植物のプロは、イチゴをこんなふうに見る

        • 【アメリカの化学者が教える】マーガリン等に含まれるトランス脂肪酸は、なぜ動脈硬化のリスクを上げるのか?

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        • 「ヤマケイの本」全文公開
          37本
        • 【新刊のご案内】
          46本
        • 日々の暮らしを充実させたい!
          19本
        • インタビュー・取材記事
          32本
        • とある編集者の日々の観察
          13本
        • 自然観察を楽しみたい!【野鳥・植物 etc】
          40本

        記事

          絶景を楽しめる山岳リゾート上高地を知る【ヤマケイのこんな本】

          山岳リゾートとして多くの人が訪れる上高地。 一度は行ってみたい!という方もいらっしゃるのではないでしょうか。 4月27日には開山祭が開かれ2024シーズンが始まります。 今回は、ヤマケイから刊行している「上高地」関連書籍をご紹介いたします。 ■『上高地ハイキング案内』 上高地・明神徳沢・横尾涸沢など、各エリアごとの自然や歴史、施設、みやげ、食べ物、山小屋、上高地周辺のコースガイドをご案内します。 定番の観光地だけでなく、もう少し足を延ばすと見られる上高地の姿を見に、今

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          サメを知るために、サメを描く——【サメ愛好家イラストレーターめかぶさん・インタビュー】

          世界のサメをくらべることができる図鑑、『くらべてわかるサメ』。 本書ではサメたちを、すべてイラストでくらべています。 リアルな描写ながらもわかりやすく可愛らしい。そんな印象のサメイラストですが、それらは全て、サメ愛好家イラストレーターめかぶさんの描き下ろし。その点数は、なんと150点! 前著『世界のサメ大全 サメ愛好家が全身全霊をささげて描いたサメ図鑑』と合わせると300近くのサメイラストを書籍用に描いているめかぶさんですが、はたして「サメ愛好家イラストレーター」とは? 

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          読みおえたときには化学の基礎知識が身につき、化学があらゆる物事にひそんでいることがわかるようになる本

          SNSで話題沸騰の新刊『さぁ、化学に目覚めよう 世界の見え方が変わる特別講義』(ケイト・ビバードーフ:著、梶山あゆみ:訳)。テキサス大学で文系の学生に向けた授業を担当し、自他ともに認める化学オタクの著者(表紙写真で火を噴いている人物)が、高校から大学の教養レベルで学ぶ化学の基本原理と、日常にあふれる化学反応をわかりやすくユーモアたっぷりに語る一冊です。本書から、著者の熱い想いほとばしる「はじめに」を公開します。 はじめにはじめにひとつ白状しておきたい。 私は化学オタクだ。

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          新刊のご案内【2024年4月発売】『絶滅体験レストラン』など7冊

          桜前線が西から進んで来ています。春の足音が聞こえてきました。 4月は進級や異動のタイミングの方が多いのでは? バタバタと忙しい日々の中で、ゆったり読みたい本をご紹介いたします。 ※発売日はAmazonなどWEB書店の日付に準じます。 <4月1日発売> 『トラベラーズノートと歩く東京のかわいい街さんぽ』 Tamy著かわいいものを見つけて、おいしいものを食べて、たまにはゆったり東京をプチトリップしてみませんか? Instagramで大人気のイラストレーターでエッセイストのTa

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          【連載】ハワイで気になったこと、もの その2

          写真家・市橋織江さんが長年にわたり撮影してきたハワイの写真がカレンダー『ハワイ 市橋織江 Hawaii 2024 Orie Ichihashi』になりました。このカレンダーに言葉を添えるのは市橋さんと多くのハワイ本を手掛けてきた編集・ライターの赤澤かおりさん。ここでは、赤澤さんによるハワイの思い出やエピソードをお伝えします。 気になっていたことを久々にしてきました。  2024年、早くも3月も終わりになり、あっという間に半年を過ぎてしまいそうな勢いですが、みなさん、お元気

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          ボクの体はスポンジやガラスです

          人間の体の約60%は水だといわれています。ですが体を絞ったら水が滴り落ちてくるなんてことはありえませんね。一方、海綿動物ではそんなことがありえます。海の綿、英語では「スポンジ」と呼ばれています。何を隠そう私たちが日頃使っている食器を洗ったり体を洗ったりするスポンジは、真のスポンジである海綿動物の体をマネしてつくられたものです。多くのカイメンは繊維状タンパク質でできた吸水性抜群な体の中に、小さな針状の骨片をたくさんもっています。 さて、ほねなしと言っているのに骨片? と疑問に

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          ケイト先生はオタク…?俺もだよ! 化学が大嫌いだった私が1冊の本によって化学と仲直りできた話

          『さぁ、化学に目覚めよう 世界の見え方が変わる特別講義』(ケイト・ビバードーフ:著、梶山あゆみ:訳、山と溪谷社)が発刊されて間もなく、なんと、大手予備校講師の田中健一さんがX(旧Twitter)にて本書を激賞してくださいました。 「化学だけは生理的に無理」だった田中先生が、本書に惹かれたのはなぜ……? が気になって、本書の読みどころを語っていただきました。 どうせまた、この本もダメだろうな皆さん、こんにちは。田中健一と申します。 今日は化学が苦手どころか大嫌いだった私が1

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          高野秀行さん「じゃあ、僕と藤井さんは"狂言"と"エロ"ってことで…」【高野秀行×藤井一至スぺシャル対談その5】

          それは、2023年11月12日のことでした。ノンフィクション作家の高野秀行さんが、旧Twitter(現・X)でヤマケイ文庫『大地の五億年』を絶賛してくださったのです。編集担当が喜び勇んで著者の藤井一至さんに連絡したところ、なんと藤井さんは高野さんの本の長年の愛読者であるとのこと。これは、お二人をおつなぎしなければ……! そのような経緯で、辺境を旅するノンフィクション作家と辺境で土を掘る研究者による、学びあり・笑いありの濃い対談が実現しました。全5回にわたってお届けします。(原

          高野秀行さん「じゃあ、僕と藤井さんは"狂言"と"エロ"ってことで…」【高野秀行×藤井一至スぺシャル対談その5】

          【連載第5回】最小限の労力で最大限の収穫を得る! 一坪ミニ菜園

          たった一坪で、おいしい野菜を年中育てるミニ菜園の魅力を紹介してきた本連載も今回が最終回。広い畑がない人でも、忙しくてあまり時間がない人でも、ミニ菜園なら無理なく楽しく野菜づくりができます。このメソッドを実践することで、家庭菜園の面白さを実感していただけたら嬉しいです。 (文/和田義弥 写真/阪口克) 広い畑には労力と時間が必要 家庭菜園といっても畑の広さは人それぞれ。自宅の庭や貸農園の限られたスペースに作りたい野菜が作れない人もいるだろう。また、家庭菜園に興味があっても、

          【連載第5回】最小限の労力で最大限の収穫を得る! 一坪ミニ菜園

          名エッセイストの案内で巡る、自然の本、山の本【ヤマケイのこんな本】

          2019年に亡くなられたドイツ文学者の池内紀さん。 ドイツ文学の翻訳だけでなく、旅行記、随筆・評論など様々な本を著されました。 自然を愛し、登山も楽しまれていた池内さんは、絶筆となるまで12年間にわたり、登山雑誌『山と溪谷』で書評連載を担当されていました。 取り上げられた本は153冊! 山の本だけでなく、詩集、歴史、動植物、漫画、民俗学、建築など、幅広い本が紹介されています。 『山の本棚』では雑誌に掲載されたすべての書評が一冊に! 古今東西、山と人、自然から生まれた言

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          藤井一至さん「みんなが行かないところに行くやつが、一番強い!」【高野秀行×藤井一至スペシャル対談その4】

          それは、2023年11月12日のことでした。ノンフィクション作家の高野秀行さんが、旧Twitter(現・X)でヤマケイ文庫『大地の五億年』を絶賛してくださったのです。編集担当が喜び勇んで著者の藤井一至さんに連絡したところ、なんと藤井さんは高野さんの本の長年の愛読者であるとのこと。これは、お二人をおつなぎしなければ……! そのような経緯で、辺境を旅するノンフィクション作家と辺境で土を掘る研究者による、学びあり・笑いありの濃い対談が実現しました。全5回にわたってお届けします。(原

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          宇宙人よりも宇宙人な、地球の生きものたち

          海には不思議な形、驚くような生き方をしている動物がたくさんいます。その多くが無脊椎動物と呼ばれる、背骨をもたない動物です。私たち人間を含む哺乳類や鳥、魚などの、一般的に人が〝動物〞だと思っている生きもの(脊椎動物)は、背中に体を支える背骨(脊椎)をもっています。その脊椎をもたないのが無脊椎動物。背骨がないので、私は親しみを込めて〝ほねなし〞と呼んでいます。 一般によく知られるものとしては、イカ、ヒトデ、クラゲ、カニなどがいます。でも知られているほねなしなんてほんのわずか。み

          宇宙人よりも宇宙人な、地球の生きものたち