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【連載第5回】最小限の労力で最大限の収穫を得る! 一坪ミニ菜園

たった一坪で、おいしい野菜を年中育てるミニ菜園の魅力を紹介してきた本連載も今回が最終回。広い畑がない人でも、忙しくてあまり時間がない人でも、ミニ菜園なら無理なく楽しく野菜づくりができます。このメソッドを実践することで、家庭菜園の面白さを実感していただけたら嬉しいです。
(文/和田義弥 写真/阪口克)

広い畑には労力と時間が必要

家庭菜園といっても畑の広さは人それぞれ。自宅の庭や貸農園の限られたスペースに作りたい野菜が作れない人もいるだろう。また、家庭菜園に興味があっても、十分な土地がなくて始められない人も少なくないのでは。

かく言う私も、18年前に家庭菜園を始めたときは、都心郊外の住宅地に暮らしており、猫の額ほどの小さな庭に畑を作った。日当たりも土もあまりよくなかったため、なかなか上手に野菜が育たず苦労した覚えがある。そんな経験もあって、限られた広さで効率的に野菜を作る手法として、このミニ菜園は生まれた。

一坪のスペースを木枠で囲って菜園に。ひもで16マスに区切り、野菜を育てる

現在、私は茨城県筑波山麓の農村に暮らし、耕作している田畑はおよそ5反(5000㎡)にもなる。自給用としてはいかんせん広すぎて、正直に言えば、管理に手を焼いている。
これだけ広いとトラクターが必要になるし、無農薬・無化学肥料でやっているから除草も大変である。土づくりも一筋縄ではいかない。借りている畑の一部は、田んぼを埋め立てた土地で、水はけが悪く、最初は石だらけだった。その石を取り除くために丹念に土をふるい、毎年堆肥や腐葉土を施して、そこそこ野菜が育つようになるまでに10年かかった。当時はトラクターも耕うん機も持っていなかったので、最初に借りた100坪はすべて人力で耕した。開墾するのにショベルを3本ダメにした。自分で食べるものを作るため…と言っても、畑仕事が好きじゃないとやれないと思う。

最小限の労力で最大限の収穫を得る

趣味として家庭菜園をやるなら、やたらと広い畑を耕すより、ミニマムな菜園で必要最低限の野菜を作るほうがさまざまな面で、じつは効率的だったりする。その最小限の広さが「一坪」で、限られたスペースを最大限に生かす手法こそがミニ菜園のワザである。

最初の土づくりを除けば、その後に土を耕すことはほとんどないし、除草は夏の間だけ1週間に1~2回、10分程度作業をすれば、草のない美しい菜園を維持できる。労力も、作業に費やす時間も、コストも最小限ですむのだ。それでいて、年間32品目という最大限の収穫が得られるのは、連載の1回目で説明した通り。

土づくりは基本的に最初だけ。除草も簡単。大きなプランターのようなイメージだ


庭を彩るキッチンガーデン

加えて、ミニ菜園のいいところは、それが生産のためだけの畑ではなく、庭を彩るキッチンガーデンとしても素敵なことだ。

私が都心郊外の住宅地で野菜作りを始めたときにやりたかったのは、欧米で見られるような木やレンガを使ってレイアウトされたどこか洒落た菜園だった。しかし、畑が広くなると管理の都合上、どうしたって南北に畝が並んだ典型的な畑になってしまう。

家族で食べる野菜を100%自給しようと思ったらミニ菜園じゃ賄えないが、自給用の畑とは別に、素敵なキッチンガーデンが欲しいと思った。それで、家の前の畑に、ガーデニングを楽しむ目的で5枚のミニ菜園を作った。

ミニトマトやナスなどはミニ菜園でとれるだけで十分だったりもする。うまくいけば1株で100個近くの実がとれるからだ。バジルやローズマリ―といったハーブも、それほどたくさん使うわけではないので1〜2株あれば十分。コマツナやホウレンソウなら1マスに9株育てる。毎日食べるものでもないので、これくらいあれば満足できる。葉物は間引き菜だって捨てたもんじゃない。

同じ一坪でも色々な栽培方法が実現できる。育てる野菜も自分好みでOK


今の畑が狭くて悩んでいる人、
一坪ミニ菜園なら効率よく、多品目の野菜が作れます。
家庭菜園に興味がある人、
まずはミニ菜園で野菜づくりを始めてみてください。

1坪の土地があれば、自分で食べる野菜を自分で作れる。
そして、その野菜は絶対においしい!!

育てる楽しさ、とれたてを味わう喜びを、ぜひ感じてほしいと思います。

【一坪ミニ菜園はこんな人におすすめ!】
●庭先のちょっとしたスペースを利用したい
●耕うんや除草に手間や時間をかけたくない
●無農薬、無化学肥料で健康的な野菜を作りたい
●難しいことはしたくない
●管理しやすく、おしゃれな菜園にしたい
●限られた広さでもたくさんの種類の野菜を作りたい


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