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【連載】ハワイで気になったこと、もの その2

写真家・市橋織江さんが長年にわたり撮影してきたハワイの写真がカレンダー『ハワイ 市橋織江 Hawaii 2024 Orie Ichihashi』になりました。このカレンダーに言葉を添えるのは市橋さんと多くのハワイ本を手掛けてきた編集・ライターの赤澤かおりさん。ここでは、赤澤さんによるハワイの思い出やエピソードをお伝えします。

プロフィール:赤澤かおり Kaori Akazawa
フリーライター+フリー編集者。主に料理と旅、暮らしまわりのことを中心に執筆・編集を行う。『THIS IS GUIDE BOOK IN HAWAII』『Travel Hawaii』(ともに主婦と生活社)、『Hawaii note ハワイ手帖』(KADOKAWA)などハワイにまつわる著書多数。最新刊は『人生にはいつも料理本があった』(筑摩書房)。
Instagram:@kaoriakazawa.akalohasunny

(執筆・写真 赤澤かおり)

気になっていたことを久々にしてきました。

アフタヌーンティーのおみやげのひとつがこのエレガントな扇子。

 2024年、早くも3月も終わりになり、あっという間に半年を過ぎてしまいそうな勢いですが、みなさん、お元気でしたか? 昨年の9月に滞在していたハワイのことをつらつらと何回かにわたり書かせていただいておりました。
 
 最終回は、家族の記念で久しぶりにモアナサーフライダーの「the veranda」でアフタヌーンティーをいただいた話です。

箱を開けると、モアナサーフライダーがドーン!

モアナサーフライダーでお誕生日のお祝いを

 ワイキキのファーストレディとして知られる1901年創業のホテル、モアナサーフライダーで、たまにはゆっくりしてみようということになり、ダンナのお誕生日のお祝いに贅沢することに。ビクトリア調の雰囲気の中、小さなスイーツやサンドイッチをつまみながらオリジナルの紅茶やミモザと共に優雅な時間を過ごすのも悪くないな、ということでちょっとおしゃれして出かけました。

 まずは紅茶を選ぶことから。ハワイアンココナッツ、スイートピーチ、バッション・オレンジ・グァヴァ、マンゴー・パイナップルといったホテルのトロピカルなクラシックティーのほか、アールグレイ、ダージリンなどのスタンダードな種類から好みのものを選ぶんですが、箱を開けた瞬間にふわっと広がる甘い南国フルーツとココナッツの香りにはじめからテンションが上がりまくり。これだけでなんかもう満足してしまうほど♡

これで2人分。上と下はそれぞれのスイーツが。真ん中のスコーンはシェア。

 小さなスイーツとサンドイッチということでしたが、みてください。このボリューム! スイーツだけでこの種類とサイズ! ブルーベリースコーン、ハウピアロール、マンゴーマカロンなど、トロピカルな要素をさりげなくエレガントに取り入れているところはさすが! 老舗ホテルの粋を感じました。
 
 お菓子作りが趣味な私が再現してみたいと思ったのは、ハウピアロール。しっとりしたロールケーキ生地に、ハウピア(ココナッツ)のクリームが巻かれた南国らしいロールケーキ。
 これは、特にもっと食べたい!と思ったものでした。

一見小さなサンドイッチですが、これが結構なボリューム!

贅沢な食材を使ったフィンガーサンドイッチ

 フィンガーサンドイッチは妙齢の胃袋にやさしいナスのカツサンドのほか、Ho Farmsのきゅうり、わさび、クリームチーズ、ディルのオープンサンド、ロブスターがサンドされたクロワッサンサンド、たまごサンドはトリュフ入り! という豪華さ。

 これ、フィンガーといっても十分な大きさで、食べられるかなぁと心配になりましたが、ひとつひとつが贅沢な食材を使い、ていねいに作られているからか、全然ぺろりとイケました。食べられるか心配した自分が恥ずかしい(はい、すいません、そんな華奢な胃袋ではありませんでした)。

 目の前に広がるワイキキビーチを眺めながら、コロナ渦後にこうして共にまたハワイを訪れることができたことに感謝しつつ、久しぶりに頭を空にして、ただただハワイにいる幸せを噛みしめました。

このピンク色がハワイだなぁと思わせるシャーベット。
いろいろメニューがあるので、その日の気分で!

 〆はトロピカルなシャーベット。レースのテーブルクロスとシャーベットの控えめなピンクが、古(いにしえ)のハワイ時間を思わせるような完璧なエンディングでした。ちなみに私たちがいただいたのは、Royal Teaというもので、ひとり135ドルのもの。お祝いなのと久しぶりということで、奮発しちゃいました。
 
 メニューの真ん中に白とピンクの文字で書かれた「maui imua」("imua"とはハワイ語で前に進むという意味。このキャッチにじんとしたのはきっと私だけではないはず)の文字と、背景にうっすらハワイ王朝最後の女王リリウオカラニのお姿がプリントされていたというのもなんだか奮発したくなっちゃった理由かもしれません。

かわいくておいしいおみやげもいただき、最後まで気分は上がりっぱなし。

 最後の最後にはこんなおみやげも! 気になっていた紅茶がおみやげに入っていてうれしかった〜。ちょっぴり塩けを感じるこのショートブレッドは私のお気に入り。トロピカルなフルーツが描かれた缶はかわいいのでそのままとっておき、私の仕事机の片隅でクリップ入れとして活躍しています。
 
 こちらのアフタヌーンティーは毎週金曜〜日曜の11:30〜14:30という限られた時間のみの営業なので、その日にちゃんと行くことを考えておかないと、実はなかなか行けないのです。急に行くとなってもダメなので、あらかじめ予約しておくことが大切。私も何十年越しかで久しぶりに体験してきましたが、旅のメリハリにもなっていいなぁとあらためて思いました。

 ローカル女子たちがバースデーのお祝いをしていたり、私たちのように久しぶりのハワイを喜び合う家族やカップルたちもいて、店内がハッピーなムードに包まれていたのもよかったなぁ。そして、この包み込むようなアロハな空気はさすが、モアナ! でした。

Moana Surf Rider,A Westin Resort &Spa,Waikiki Beach
the veranda
2365 Kalakaua Ave.,Honolulu
808-922-3111

ハワイでの時間とカレンダー

 5回にわたるこの連載のきっかけは、ともにハワイの本を作り続けてきた市橋織江さんと作ったカレンダーの話から、発売元である山と渓谷社のnoteでその仕事を終えてからのハワイでの時間ということで書かせていただきました。

 最初にお伝えしていたように、カレンダーの販売が落ち着いた先月、売上金の一部を編集部からマウイ島への寄付にさせていただいたとうかがっています。引き続き、こういった活動は微力ながら続けていこうと思っておりますが、ひとまずのご報告。ご協力いただきました、皆様、ありがとうございました。

 そして、たくさんのみなさんにエールをいただいた市橋織江さんとのカレンダーですが、ちょっとお休みをいただきます。また、いつかの年にお目にかかれることを祈りつつ♡

 で、今私は、ハワイを想う市橋さんの写真がもったいないので、月が終わるごとに額装して部屋のあちこちに飾っています。そう考えるとお得なカレンダーでしたね。市橋さんのハワイが毎月あるカレンダーなんて、と思っております。

 今回のこのハワイコラボは、10年以上ぶりのことで、ともにハワイの本作りをしてきたデザイナーさんが一緒だったこともあり、ハワイでのいろいろな想いが蘇ってきた作業でもありました。この場をかりて、カレンダー作りにお声がけくださった編集さんにお礼を申し上げます。そしてまたいつか、市橋織江さんとのハワイコラボが実現したらいいなぁと思っております。

 長い間、お付き合いいただき、ありがとうございました〜Mahalo Nui Loa.   

2024年 春の日に。赤澤かおり