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【連載】久しぶりのハワイでしたことは

写真家・市橋織江さんが長年にわたり撮影してきたハワイの写真がカレンダー『ハワイ 市橋織江 Hawaii 2024 Orie Ichihashi』になりました。やわらかなハワイの風を感じるかのようなやさしい海と空のブルー、草花のピンクやイエロー、ピンクオレンジのサンセットシーンなど、懐かしい風景が甦るカレンダーです。このカレンダーに言葉を添えるのは市橋さんと多くのハワイ本を手掛けてきた編集・ライターの赤澤かおりさん。ここでは、赤澤さんによるハワイの思い出やエピソードをお伝えします。

プロフィール:赤澤かおり Kaori Akazawa
料理と旅、暮らしまわりのことを中心に執筆・編集を行う。ハワイ渡航歴150回以上。『THIS IS GUIDE BOOK IN HAWAII』『Travel Hawaii』(ともに主婦と生活社)、『Hawaii note ハワイ手帖』(KADOKAWA)などハワイにまつわる著書多数。最新刊は『人生にはいつも料理本があった』(筑摩書房)。Instagram:@kaoriakazawa.akalohasunny

(執筆・写真 赤澤かおり)

【その1】やっぱり大好き、ローカルフード。なんだかんだで結構定番に行きました。

「2024年のカレンダーを作りませんか?」とお声がけいただき、2023年のまだ少し寒さが残る春から編集さんと構想を練り、10月、市橋織江さんの写真によるハワイのカレンダーが出来上がりました。
 市橋さんとは、ともに長年ハワイの本を作ってきました。当時の写真を掘り起こし、ずっと変わらずにいてほしい、私の中の愛してやまないハワイシーンを選びました。とはいえ、デザイナーの茂木隆行さんをはじめ、編集さん、そしてもちろん市橋さんも含め、皆であぁでもない、こうでもないと選んだのですが。12枚に決めるのは、本当に難しく、あれもこれも使いたい、なんなら日めくりにしたいと提案したほど、どれも懐かしく愛おしいハワイが詰まったものばかり。
 悩みに悩んだ末、ようやく12枚が決定。そこに言葉を添えたり、月の満ち欠けを加えながらの製作中に何度も思ったのは、年中、行ったり来たりしてきたあの島へ、そろそろ出かけたいなぁということ。製作中、懐かしく眺め続けてきたハワイの写真が私の背中を押してくれたおかげでようやく重い腰を上げ、出かける決意ができたのは8月の終わりも終わり。
 久しぶりの海外旅行の準備に戸惑いながらも、どうにかこうにか、ハワイへと旅立ちました。

チョコレートカップケーキにオレオとクリームたっぷりのケーキが私のお気に入り。
カラフルなシフォンケーキは友人宅への手土産によくしていたもの。

 3年半ぶりのハワイは変わったといえば、変わったし、変わらないといえば、変わらない感じ。カレンダーで選んだ写真の場所を思いながら、自分の中のハワイを思いながらの3週間ちょっと。結局足が向いたのは、昔から通い続けてきた懐かしいローカルフードのお店ばかりでした。
 円安ということで、少し前に比べたら決して安いとはいえませんでしたが、それでも新しくできた流行りのところに比べたら、ぜーんぜん、ありがたいやさしいお値段。しかも、この数年ですっかり日本食に慣れ、今までよりは少食になった私の胃袋のおかげ!? で、モリモリ食べていたプレートやスイーツが半分で満足するようになっていたのもよかった! 二人で出かけたところはだいたい半分こするとちょうどよし。その分、いろいろな種類を楽しむ方向になっていました。
 写真は、ここ数年でオアフ島の各地に出店し、便利になった「リリハベーカリー」。ワイキキにもこのお店があるだなんて、うれしいような、ちょっぴり寂しいような。便利ですが、結局ワイキキ店には足を踏み入れることなく、相変わらずリリハ店やアラモアナ店で買い物したり、ランチしたりの日々でした。

ペイストリーは甘いのもしょっぱいのも種類いろいろ。
ぎっしり並ぶ姿がかわいくて、長いことウィンドーを見てしまう。
ヨットの中で食べようと思って友人の分と2つホットドッグを購入。

「リリハ ベーカリー」は、もう何十年も前からローカルたちに指示されてきたベーカリーで、ヌアヌ地区のリリハ通り近くにある小さなベーカリー&ダイナー。以前は夜中というか朝方までやっていましたが、コロナ渦後も営業時間はいろいろ変化しているようです。出かける際は、時間を確認してくださいね。
 このデコラティブなケーキですが、見た目よりもあっさりで、昔も今もこれだけは変わらず、ランチの後にスライスしたものを2個くらいはぺろり。有名なココパフは私はそれほどでもないので、いつもこのケーキ! もしくはこのホットケーキ!(このメニュー名もなんか好き) パンケーキじゃなくてホットケーキというメニュー名を初めて見た30年くらい前、何が違うのか思わずお店の人に聞いたことがありましたが、何も違わないと言われ、ずっこけた思い出があります。

「Liliha Bakery」
515 N.Kuakini St., Honolulu
Tel: 808.531.1651

テーブルにのらないくらいズラリと並んだ朝ごはん。これぞハワイの朝!

 こちらは朝ごはんといえばの定番1964年創業の「ジャックス」。2個の卵料理とスパムやベーコンが選べるプレートに付けるのは、ここの名物、ビスケット! これがミルキーで最高に好き。久しぶりすぎて興奮する私を見かねた友人たちは、パンケーキもオーダーしてくれ、みんなでシェア。こういうなんでもないローカルスタイルの朝ごはんが、一番おいしくていい。私が食べたかったのはまさにコレ! これを食べにきたんだよ、と思いながら、懐かしいハワイを満喫しました。

「Jack’s Restaurant」
820 West Hind Dr.,#119 Honolulu
Tel: 808.373.4034

入口のところに飾られている昔のハワイの写真を見ながらウェイティング!
上がハワイアンモコ。下がカルアピッグ&キャベジ。どちらもすごいボリューム!!

   本格的なハワイアンフードが食べられるお店として地元の皆さんに長い間愛され続けている「ハイウェイ イン」。パールハーバーの北西側に広がるワイパフ地区にお店がオープンしたのが1947年。以前は、ここのごはんが食べたくなったらワイキキからえんやこらわざわざ出かけていましたが、結構前にカカアコ地区にもお店がオープンし、ワイキキからも行きやすく、便利になりました。
    ロコモコやハワイアンシチュー、カルアピッグ&キャベジなどのメニューを前に悩んだ末、結局、ハワイアン・モコとカルアピッグ&キャベジ、それにマカロニサラダをオーダー。このハワイアン・モコは、ハンバーガーパテの代わりにラウラウというハワイの肉料理がのったロコモコで、目玉焼きの上にはこれまたハワイアンフードメニューのロミサーモンが、下のご飯はフライドライスにもできるというスペシャルなもの。こんなに食べられるわけがないのにーと思いましたが、意外とこれもぺろり。あ、でも、2人でですよ、一応。

「Highway Inn」
680 Ala Moana Blvd.#105, Honolulu
Tel:808.954.4955

 こんな感じにハワイでのごはんはなんだかんだで、新しい場所を探検するというよりは、まずは懐かしい定番に出かけることが多かったなぁという前半。引き続き次回も、懐かしの定番ローカルフードでの時間をお届けしたいと思います。


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