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2021年11月の記事一覧
虚しい朝に
虚しさを心に抱いて、朝方の光が目にしみた。疲れの取れた心地はせず、また繰り返した今日という過去と未来とに思いを馳せると悲しくなった。
「はい」
口癖になってしまったのだけど、おはようとも言う相手がいないせいか、ぼくはそんなことを寝起きに口走る。
返事に耳を傾けてみたけれど、声は聞こえてこなかった。
雨があがったら、それからは
排気が漏れ出てきたら、さよならするのに足を上げましょう。カラカラ回るファンの音に耳をかたむけ、吸気と共にかすかに響く街の声に耳を貸せば。
淡い色のアジサイを這うカタツムリは、白い線をいくつも残しながら、背中に背負った運命のとぐろから漏れ出た悲しみも喜びも跡を残す。
火を消す雨は友達になろうとして空から落ちるも、避けられて終える未来の友に涙を流して別れを告げた。