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干し柿
渋くてかたい柿が好きじゃなかった。栄養があるからって食べさせられてはいたけれど、あんまり食べると怒られた。
吊るして萎びた姿は食欲をそそるようなものではなく、なんだか小人が吊るされているように見える。狩りの成果を誇るようなその様子が少し怖くて、今思えばすっかりわたしは毒されていたのだと思う。
すすめられてもかじりたくなかった。結局大人になるまでかじることはなかったのだけど。でも、大人になったからこそ感じる郷愁のような懐かしいにおいにいつか手を伸ばすのだと思う。
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