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せかいのよげん

赤、青、赤。
0、1、0。
紐付けは変わらず、合図に合わせて色味が変わる。送られる合図は定期的に切り出され、その都度別の意味づけがはじまる。
意味をつなげて切って、かけて余りを切り捨てて。伝えるための過程はとめどなく続き、伝わる相手は未だ求め続けられている。

雨垂れの波紋を計算し、花の色素を解き明かす。血の流れすら推し測ることができるなら、0と1からはじまるものは全て形を描くことができる。

そう信じられていたのは少し前。波紋が自我を持ちはじめ、花弁が光を発しはじめてからのこと。この世の終わりと騒がれた。何もかもが乱れてしまった。

ただ、自由帳に描かれている中身を除けば、大抵のことは過去の誤った観測と吐き捨てられてしまった。


ご清覧ありがとうございます。

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