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2021年10月の記事一覧
いくらひっくり返っても
昔に隕石が落ちたとかで街には周期的にひっくり返る現象が起きた。本当はそれだけで原因ではないと言われているらしいが、住んでいる身としてはなんだっていい。
「本日は重力水たまりの振動が臨界点を迎えようとしています。反転には注意しましょう」
天気予報のついでにそんなことが言われているけれど、生まれてからこの街の外に出たことがないせいで、これが日常になっている。テレビごしに普通の学校を見たことがあるけ
そとあそびびより
「楽しい時間がほしい」
なんでだろう。ぼくと向かいあってっているのに、すごくつまらなさそう。
あ、一騎やられた。
楽しくないのかな。
ぼくは楽しいんだけど。
「もっとおれは楽しいのがいいんだな」
きっと、もっと楽しいことを知っているのかも。こわい。わからなくてこわい。
「ちょっと田んぼに行かねえか?ないんだよ、おれのとこ」
すこし、こわくなくなったや。
ご清覧ありがとうございました。
木陰にて、歌詞のように
汗の書き方に失敗なんかないって、ぼくらは太陽に身をさらした。
どっちが先に言い始めたのかなんて覚えてないけれど、疲れたときは一緒だったね。
ぼくの服がおろしたてと知っていながら、君は木陰に座ろうだなんて言い始めるんだ。まいったよ。きっと君がにやついているんだってわかっていたけど、ぼくは拒めなかったな。
「あんまり日焼けしているのだから、気にすることもないでしょ」
日に焼けるといけないからって
ハイド・アンド・スモーキング
オフィス街にあろうと、彼らはその特性を生かして周囲に姿をなじませていた。それはもっぱら日常生活において、後ろめたいことをするときに活用されたが、自らの長所を活かすことには何の問題もないというのが大抵の彼らの主張だった。
入室用カードがかざされ、ドアの開錠音がなる。姿のぼやけた一名の社員がこそこそと入っていくが、自然に閉じるはずのドアは開け放たれたままパタパタされていた。待っていましたと言わんばか