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くず紙ころりん

丸めた髪が穴に落ちる。おむすびであれば持ち主は追ったかもしれないが、丸めた紙の主はそれを追おうとはしなかった。
穴の底には、眼鏡をかけたモグラが一匹。もはや捨て去られたも同然の丸めた紙がが頭に落ちる。

「いて、なんだろう。毎日のように」

紙はモグラのねぐらに降り積もり、溢れそうになってしまってからは横穴を作ってどかさなければならなかった。

「迷惑だなあ。黒と白、ねえアリさん、そこは狭くない?」

紙は何返事をしなかった。もぐらは応えてほしくて紙に歯を立てる。

「まずい、なんだこれ」


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