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【ファジサポ日誌】124.Runner~第28節 ファジアーノ岡山 vs 大分トリニータ マッチレビュー ~

THE FIRST TAKEで偶然にも爆風スランプのRunnerを聴いた。筆者の子供の頃のヒット曲で、その前向きな曲調が当時から好きであったことを思い出した。

実はかつてファジアーノ岡山にもこの曲をチャントに使っていた選手がいた。
田所諒(大阪体育大⇒ファジアーノ岡山(2009~2015)⇒横浜FC(2016~2019))である。岡山では、無尽蔵なスタミナを武器に主に左センターバックや左サイドバック/ウイングバックとして活躍した。
最終ラインから諦めずに何度でもゴールへ向かって駆け上がっていくガムシャラな姿は、今とのサッカーの違いはあれどこそ、この夜のLCB(43)鈴木喜丈にも通ずるものがあった。

走る(43)鈴木、状況を打開しようと、
何度も前へ走った。

チームが上手くいかない。
特にシーズンの大事な局面で得点力不足に陥ると、体制は変われども引き継がれてしまう過剰な守備へのエネルギー投下が、ともすれば「岡山らしさ」の負の側面として語られがちで、筆者も含めてついつい結論をそうした点に導き出しがちなのだが、チームがJ1昇格を諦めずに目指しているのと同様に、そんな凡庸な結論を越えてみたいとも思えた大分戦であった。

この歳になってRunnerを聴くと、若い頃とは異なる感情の揺さぶられ方をする。
この曲の本質は、走りたくても走れない者や、走っていてもなかなかゴールに到達できない者のもどかしさや悔しさを異常なまでの疾走感溢れるメロディに乗せている、いわば諦めさせず、とにかくゴールへ向かわせる応援歌なのである。

筆者「雉球応援人」はアカウント名のとおり「応援する人」である。
評論家ではない。
実は解像度が高い人ほど、この試合の岡山の姿から昇格を諦めるような気持ちを抱くのかもしれない。
しかし、筆者は程々の解像度を基に、サポーターが前向きな気持ちになれるレビューを、出来るだけ根拠を伴わせながら提供し、最後の最後まで勝ち筋を見出していきたい。
前回のレビューでも述べたとおり、ファジアーノ岡山の今は「プロセス」の最中である。この考えに変わりもない。

伊原木県知事来場という事もあり、
試合前に掲げられた新スタ設置を訴える幕
今、出来ることを行動で示すことが大事だと考える。
行動しないと改善も出来ない。

1.試合結果&メンバー

順位が近いということもあり、翌日のいわき-熊本戦を視聴しましたが、3-4と派手な撃ち合いになっていました。毎シーズン暑い時期は攻撃戦術の成熟、そして選手のコンディションの影響もあり、スコアが動く試合が多くなります。本来がこれが「夏のスコア」であると思いながらみていました。
今節のJ2でスコアが動かなかったのは岡山-大分と、秋田-愛媛となれば、守備にエネルギーを割いているという意味では、ある意味納得というところもあります。もちろんそれではいけないことも確かです。

ここまでの岡山のスコアレスドローは印象ほどには多くなく、今シーズン4試合目となりました。しかし、大分とは2試合連続、中断明けからも2試合目となりました。
このあたりにも攻撃停滞のヒントはありそうです。
中断明け以降は4試合で2得点2失点。とにかくスコアが動かない岡山です。

大分と今回もドローとなったのは大分側の事情も大きいと考えています。
先にこの点について述べますと、大分が取り組んでいるサッカーについては毎回の対戦ごとに少しずつの違いはありますが、共通の課題は決定力不足という点で変わっていないように思えます。今節はその傾向が特に顕著でした。
得点力に特化したストライカーを1人獲得すれば解決しそうにも思えます。人件費規模でみましても、大分であればそれが可能なように思えます。
しかし、大分の場合、ハイプレス、中盤の組み立て参加など、おそらく前線の選手のタスクが非常に多く、大分のサッカー全体のスタイルに合致したFWでないとならないという縛りもあるように思えます。
それが得点力に特化したFWを獲得できない、していない、即ち、決定力不足に繋がっているようにみえるのです。
この点はあくまでも他サポの感想です。

55分大分(44)吉田のシュートはポストに跳ね返される
そのこぼれ球を繋いだ(10)野村のシュートも(49)ブローダーセンが跳ね返す。大分はとにかく決定力不足に泣いた。

とはいえ、この点においては実は岡山も似たような傾向を持っています。CF(22)一美和成を獲得した大きな理由には、彼が得点を奪う以外の岡山前線の様々なタスクを行えるという点もありました。

J2第28節 岡山-大分 メンバー

メンバーです。

岡山ではRCB(4)阿部海大、RWB(88)柳貴博、RST(39)早川隼平が復帰。スタメンは現段階でのベストメンバーと呼べる布陣といえます。ベンチにはMF(41)田部井涼やLWB(2)高木友也が久々のメンバーインを果たしました。

岡山としては、このメンバーで低調なパフォーマンスに終始してしまった点がショックであることは否めず、やはりその原因をしっかり掴むことが急務となります。今回のレビューはこのテーマが中心となります。

大分はGKに負傷者が多いという情報はあり、前節の(32)濱田太郎に代わり今節は(22)ムン・キョンゴンが先発しました。
水曜日に天皇杯を戦った大分でしたが、前節からの変更という点ではGKを含めて3人が入れ替わりました。
ベンチには久々にMF(14)池田廉が姿を現しました。

2.レビュー

J2第28節 岡山-大分 時間帯別攻勢・守勢分布図

(1)「数」と「質」

この試合を振り返るにあたって、まずは大きな枠組みの話をしなくてはならないと感じました。一部は今シーズンオフに述べようと考えていた話ですが、前倒しします。

昨シーズンから毎試合、上図「時間帯別攻勢・守勢分布図」を作成、レビューに掲載しているのですが、これを掲載している大きな理由は木山監督のサッカー、考え方を反映させやすいからなのです。
これまでのインタビュー、コメントからも理解できますが、木山監督が重視している点は、アタッキングサード(30mライン)への進入回数とニアゾーンへの進入、進入する人数を増やすこと(今シーズンに関してはWBも積極的に入っていく)、最終的ににチャンスの回数であるといえます。

ですので、これまでも思うように得点を奪えなかった試合後は、必ずチャンスの回数を増やしていく必要性について話していたと思います。

つまり、「回数」や「人数」といった「数」を重視しているといえます。

そこで、その回数を十分に確保出来る運動量とスプリントに秀でた選手を攻撃側では確保してきたといえます。

では、ニアゾーンに人数をかけるという事がどういう事なのか、今一度考えてみますと、余程の速攻がハマらない限り、ボックス内に味方の人数も増えますが、その分、敵の人数も増えることになる訳です。

つまり、ボックス内が敵、味方で大渋滞を起こしている状態といえます。
この状況でニアゾーンにボールを入れる、またはドリブルで進入した場合、ゴールするには、ゴール前の僅かなスペースに精度の高いクロスを入れるか、自身で何人もドリブル剥がしていきシュートを撃つ必要性が求められます。

では、岡山の現在の選手構成が他クラブと比べて、そこまでテクニカルな選手で締められているのかといえば、決してそうではありません。MF(25)吉尾虹樹など一部の選手を除いては、テクニックよりはスピード、強度で勝負している選手が多いといえます。

つまり、岡山のサッカーはゴールを陥れる最終局面で、実は非常に高い技術が必要なのですが、一方で選手は決して狭いエリアでの崩しを得意としていないというミスマッチが発生しているといえるのです。

端的に述べてしまえば、これが岡山の得点力不足の最大の原因であると筆者は考えています。

では、個の技術が不足しているのであれば、ゴール前での崩しの「仕組み」をつくれば良いように思えますが、おそらくこの仕組みも十分にはつくれていない、または徹底できていない、要は機能していないものと思われます。

キャプテンCH(7)竹内涼が言及した(激を飛ばした)岡山の課題は一言で述べるなら「繋ぎ」への追究不足と言えます。

もちろん、この大分戦に関しては、ニアゾーンからの崩しに限らず全体的にということと読み取りましたが、この発言は重いと感じました。
(7)竹内の言葉のチョイスからは、この試合に限った話ではなく、チームの構造的な問題点を述べたものであると感じたからです。

おそらく、前述しましたニアゾーンからの崩しについても大まかな仕組みはあるけれども、ボールの具体的な運び方が曖昧なのだと思います。
選手も実はそれは分かっており、それが証拠にゴール前で急にボール運びがスピードダウンする、必要以上に外回りになり、中に差せないという現象が生まれるものと筆者はみています。

しかし、(7)竹内が指摘している(と敢えて書く)岡山のチームとしての弱点はおそらく今に始まったことではないと筆者は考えています。

例えば木山体制1年目はハン・イグォンや白井陽斗といったニアゾーン攻略のアタッカーを迎えましたが、実際にニアゾーンへの進入から直接ゴールが生まれたシーンがどれ程あったかというと、実はそんなに記憶にないのです。シーズン途中から4-3-3から3-5-2にシステムを変更してチームが上昇し始めたという点は見逃せませんでしたし、ニアゾーンから質の良いクロスを上げられなくてもCKを獲れば(に逃げれば)、河野諒祐のキックがあり、ミッチェル・デュークや柳育崇の頭があった訳です。
そもそも、チアゴ・アウベスという「戦術」がありました。

苦しんだ昨シーズンは、そうした木山体制1年目の強みを十分に発揮できませんでしたが、ボックス内でシュートに持ち込めなくなっている櫻川ソロモンに対して、膝下で振り切るシュート技術を特訓させるなど、木山監督はボックス内でのエネルギー不足を、仕組みの整備というよりは、どちらかと言うと、個の成長を促すことで打開しようと試みてきました。

そして今シーズン、チームにはRWB(88)柳貴博などかつての「木山チルドレン」も増え、2022シーズンから在籍している(10)田中雄大や(15)本山遥など木山監督への信望が厚い選手も増えました。
木山監督としてはいよいよ理想であるニアゾーンを攻略、前線に人数を掛けるサッカーを完成させる状況が整ったように見えた訳ですが、これまで述べてきている理由から、やはり上手くはいかない訳です。
しかし、選手の多くからの木山監督への信望は基本的には厚いと思っているので、監督が示したサッカーを忠実に実行に移そうとする、でも息詰まってしまっている。そんなチームの状況であると筆者は想像しています。
春野キャンプを実施して、今の岡山のサッカーの方針がより一層固まってしまったことが、柔軟なシステム変更を行えない理由に繋がっているような気もします。

憶測も含めてですが、こうした背景が中断明けの岡山の低迷の要因であり、(7)竹内のコメントはキャプテンとしてそこに一石を投じるものであると筆者は考えています。

前述しましたようにこうした内容は、シーズン終了後に述べる予定にしていましたが、(7)竹内のコメントをきっかけにコレは待ったなしと思い、今回のレビューで述べています。

では、木山監督を暗に否定しているのかというと、そこは誤解してほしくないところがあります。寧ろ私は、歴代の岡山の監督の中では木山監督を最も支持しています。

その理由は、戦力の違いという面を差し引いても、純粋にゴールが生まれる喜び、攻撃の面白さを岡山の新たな伝統として植え付けてくれたからです。
今は苦しい状況ですが、少なくとも筆者はこの3年間はかつての岡山のサッカーから感じていた「修行」の重み、苦しさから解放されていました。
「岡山らしさ」を失わない程度に、岡山のサッカーのエンターテイメント性が高まった3年間であったともいえます。

先日、Xで少々ポストしましたが、木山監督は岡山就任前にガンバ大阪で短期間臨時コーチを務めていました。残留争いに顔を出していたチームの守備を短期間で立て直したことに、一部のガンバサポからも高い評価を得ていたと思います。

やはり、一流レベルの指導力を発揮できる監督なのです。
そうでないと、岡山6~7億の人件費でここまでの成績は出せませんし、そもそも「チルドレン」も存在しない、プロ選手からの求心力も得られません。一方で、特に攻撃は少々個の打開に頼り過ぎる傾向も否定できません。
ここに如何にパスの出し手と受け手の意思一致を、ゲーム中の細かいシチュエーションの中で設けていくのか、いよいよチームは最終進化局面に入ったのだと筆者は考えたいと思います。

(2)大分戦から見えた修正点

いきなり、総論と申しますか(1)が今回述べたかった大半の部分にはなるのですが、少しばかりこの大分戦からみえましたポイントについて触れてみたいと思います。

① ミラーゲームで後手を踏む
実はお互いに3-4-2-1でシステムが被っていました。
よって1対1の局面が多くなっていたと思いますが、この剥がしの部分で岡山は少々雑というよりは、大胆にボールを扱えていないという印象が残りました。
大分は対面で相手を迎えた際に例えばボールを蹴り上げて、浮き球にして交わすことが出来ていましたし、自陣での扱いに関してはCH(26)保田堅心をはじめ、ボールホルダーに対するサポートがしっかりしていたと思います。大分のボールの運び自体はシンプルで自陣から手数を掛けずに岡山の両CB脇にセオリーどおりに落とすボールが多かったと思います。

ここからの文脈はいつもであれば、「しかし岡山の最後をやらさない守備は…」となりそうなところが、クロスは上げられているし、ヘディングでシュートを撃たれているしで、どうしたことかという状況でしたが、選手の表情をみていましてもコンディションの悪さは伝わってくる部分がありました。この夜の異常な暑さ、そして蓄積する疲労、そこはおそらく大分も同様なのですが、昇格と戦うプレッシャーを感じさせる部分も現地で観戦していて感じるところでした。

1対1の局面でのボランチのサポートという点では、従来岡山もよく出来ていた筈なのですがCH(24)藤田息吹の動きが前節から本来のものではなかった点は、チーム全体のパフォーマンスにも大きな影響を与えていました。

② 守備的マインドから考える

大分戦後のGK(49)ブローダーセンからのコメントからはチームがリスクを負わないサッカーをしている点について触れられています。
これも重要なコメントです。
最近の監督、選手インタビューを読んでいますと、守備の完成度を根拠に、1-0で勝てる、1失点することはあるにせよ2点獲れれば確実に勝てるチームであることが強調されていました。
選手が非常にポジティブな要素として、チーム状況を受け止めているように見えたのですが、この大分戦後の(49)ブローダーセンからのコメントからはチームが自ら選択してやむを得ず守備的に戦っているようにも感じるのです。

この点に関しては、こうしたゲームプランで得点を奪うことをチームとして準備出来ていると感じた場面もありましたので、採り上げてみたいと思います。

J2第28節 岡山-大分 41分の攻撃

41分(39)早川の枠内シュートに繋がった場面です。
自陣で回収したボールからフィニッシュに繋げました。
ポイントは大分の最終ラインを上げさせている点です。
もちろん、大分の保持なので最終ラインはある程度上がる訳ですが、この場面ではLST(19)岩渕弘人が下りてボールを受けたことにより、大分RCB(31)ペレイラがその動きに引きつられています。
この(19)岩渕の動きにより、LWB(17)末吉塁に大分の背後をとるスペースが十分に与えられているのです。
現状、岡山が十分にニアゾーンへの進入からチャンスを作り出すには、カウンターを繰り出すのが最適と考えます。
その理由は相手が戻らなくてはならない分、ボックス内の守備態勢が十分に整わない、人数が足りていない状況が生まれ、ボックス内に渋滞が発生しない状況でクロス、シュートを放てるからです。

更にこの場面を突き詰めますと、必ずしもニアゾーンをとる必要もなかったようにも思えます。(17)末吉がボックス手前に到達した時、走り込んだ(19)岩渕も(24)藤田(息)もシュートを狙える位置におり、かつパスを受けやすい状況で待っています。この三角形にボールを送る選択肢も見せておいた方が、相手はより守りにくかったと思います。
今の岡山にはこうした点についての柔軟性もほしいところです。

いずれにしましても、良い攻撃でした。つまりはこうした攻撃を増やせば良いのです。そのためには(7)竹内が述べているように、選手間、チームとしてパスの出し手、受け手の約束事を細かく追究していく姿勢が必要なのだと思うのです。

(39)早川がターンしながら左サイドへパスを出す
(17)末吉が走り込む
クロスを上げ切る
この最終局面が最近は全く合わない
ニアなのか、ファーなのか。
もっと早い段階でグラウンダーのクロスを出す選択肢もあって良いように思える。
それでも人数をかけている分、二次攻撃に繋がる。
これは(22)ムンキョンゴンのファインセーブ
岡山としてはこうした「形」は持っている。
だからこそ、回数にこだわってしまうのだが、
質が向上しないと回数も増えないと言える。

この場面ではCF(22)一美が果たしている役割も大きいです。ボールを受ける、落とすをアバウトではなく、かなり正確に出来る点はこの5試合で確実にチームの力になっていると思います。一方で、自身のゴールとなりますと、こうした受けて出すをボックスに進入するまでに2回はやらなくてはなりません(この場面ですとボックス手前)。よって、シュートを撃つまでの労力はやはり相当なものになります。それでは少しでも彼の負担軽減を考えれば、そのプレーエリアは中央に止めておきたいものです。この大分戦ではサイドにまで流れていましたが、少々やり過ぎという印象は残りました。FW(99)ルカオが入った1トップ+2シャドーの場合はそれでも良いのですが、(22)一美に同様のプレーを求めるのは(本人がやりたがっているのかもしれないが)、やはり試合終盤のガス欠に繋がると思いました。

後半、ボックス内ニアゾーンに入る(22)一美
1対3ではシュートを撃つのも至難の業
(31)ペレイラ前に一人入れる分厚さは確保したいもの
サイドに流れ疾走する(22)一美
京都でWGもやっていた影響もありそうだが、
タスクが多すぎるきらいも。
この点はチームとして整理する必要がある。

一方、岡山非保持時のボールの奪いどころに関しては、この岡山の守備的マインドが悪い方向に作用していると感じました。
それは中盤で大分がボールを保持した際に、パスの出し所が限定されている場面があり、岡山がチャレンジ出来そうな局面でもあったのですが、岡山の両ボランチやWBの優先は背後のスペースを埋めることにあったと思います。つまり、ボールを奪うゾーンが非常に低い位置になってしまうのです。

先ほど相手最終ラインを引っ張り出してカウンターを狙えという主張とは矛盾してしまう面もあるのですが、攻撃面のバリエーションとしてはロングカウンターのみではなく、ショートカウンターも狙いたいところです。

特に中盤の選手については前へ出る守備にもチャレンジしてほしかったのですが、チームとしてリスクを負わない戦い方をしているということになれば、この試合のような守り方になるのは必然なのです。

この点に関してはボランチの人選も大きく、この試合では途中から(41)田部井涼が久々に出場、攻撃の構築、セットプレーのキッカーという点では次節以降に大きな期待を持たせてくれました。

一方で今最も岡山に必要なボランチは「刈り取り」型タイプなのではないかとも思えるのです。

現実的に起用される可能性は低いと思いますが、実はMF(3)藤井海和の力も必要なのかもしれません。

久々登場の(41)田部井、
間違いなく攻撃を活性化させていた。
後手に回らない守備は、ロス無き攻撃を生む

3.まとめ

結果が出そうで出ないという状況が続いてしまい、チーム全体が少々自信を失っているようにも見えました大分戦でした。
しかし、僅か残り10試合と捉えるのか、まだ10試合あると捉えるのかでかなりチーム状況は変わるような気もします。後者であれば、(7)竹内のコメントに代表されますようにパスの出し手、受け手との関係性を改善していくことも出来ますし、(22)一美の使い方の整理、失点リスクの低減をどこまで行うのかの修正も可能です。
しかし、最も必要なのは自信であると思います。
今回のレビューでは「木山サッカー」そのものの課題も踏まえて書きましたが、今シーズンここまで魅力あるサッカーを展開していた時期もあり、その積み重ねもチームにはあります。
チームが「自信を持ってプレーできるように」鼓舞するサポーターの役割も今後のチームの最終進化に向けて侮れないポイントになると思います。

元気あるプレーを見せる(5)柳育崇
試合終了直後は(7)竹内と話し込むシーンも。
もっと長い時間プレーしたい。

たとえ今は小さく弱い太陽だとしても、ファジアーノ岡山は走り続ける。

今回もお読みいただき、ありがとうございました。

※一部敬称略

【自己紹介】雉球応援人(きじたまおうえんびと)
地元のサッカー好き社会保険労務士
日常に追われる日々を送っている。

JFL時代2008シーズンからのファジアーノ岡山サポ。
得点で喜び、失点で悲しむ、単純明快なサポーターであったが、ある日「ボランチが落ちてくる」の意味が分からなかったことをきっかけに戦術に興味を持ちだす。
2018シーズン後半戦の得点力不足は自身にとっても「修行」であったが、この頃の観戦経験が現在のサッカー観に繋がっている。

レビュアー3年目に突入。今年こそ歓喜の場を描きたい。
鉄道旅(独り乗り鉄)をこよなく愛する叙情派。

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