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これまでに読んだおすすめ本のレビューです。
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#オススメ本

言葉が思いつかない人のための語彙トレ55【ブックレビュー】

言葉が思いつかない人のための語彙トレ55【ブックレビュー】

「なんだかしっくりこないんだけど」

「なんて言ったらいいのかな…」

年を重ねるにつれて、語彙力が少しずつ少しずつ削られてゆくような。

さらさらと流れる砂時計のように、静かにこぼれ落ちてゆくような。

そんな焦りがあったのだろう。図書館でフラフラしているときに、この本が目についた。

本書は、コラムニスト・毎日新聞客員編集委員である近藤重勝氏による

言葉が思いつかない人のための語彙トレ55

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文章読本さん江【ブックレビュー】

文章読本さん江【ブックレビュー】

前回紹介した池上彰氏・竹内政明氏の「書く力」。

『はじめに』の中で池上氏はこう述べている。

いい文章が書けるようになりたい。そう熱望していた私は、駆け出し記者の時代、文章読本の類を乱読しました。その中には、斎藤美奈子さんの『文章読本さん江』も入っていました。この本は恐ろしい作品です。

本文内でもこんな風に言ってのける。

『文章読本さん江』は、読んだことを後悔するような怖い本で、歴代のそうそ

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書く力 私たちはこうして文章を磨いた【ブックレビュー】

書く力 私たちはこうして文章を磨いた【ブックレビュー】

私は話すことが得意ではない。

書いているほうが、あらゆるものとまっすぐに向き合えているような、何となくそんな気がするのである。

けれど私の逆パターンで、普段から人にわかりやすく話せる人すべてが、書くことが苦手というわけではなかろう。書くことも話すことも得意な人は、どんな風にして言葉を扱い、書き伝えているのだろうか?

書くこと、話すことの両分野で名をはせる、池上さんの頭の中を覗いてみようか…そ

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書くための文章読本【ブックレビュー】

書くための文章読本【ブックレビュー】

最近、文章に関する本を読むのが楽しくて、片っ端から読みふけり、仕事そっちのけになってしまうことがある。

これが実に面白いもので、大きく分けて2つの読後感を味わえる。

「なるほど、すぐに実践してみよう!」

と前向きになれるもの。

「これは…、してはならぬことをしてしまっていた…」

と猛省し、恥ずかしさのあまり思考停止してしまうもの。

今回はどちらかと言えば前者である。私にとって「恐ろしい

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〈新版〉日本語の作文技術【ブックレビュー】

〈新版〉日本語の作文技術【ブックレビュー】

近ごろ、なぜブックレビューを書くようになったのか?

素晴らしい本をたくさんの人に知ってほしい思いに加え、自らの記憶に留めておきたいと思ったから。

自らの振り返りとして、自省を込めて読み返したい。

本書は、朝日新聞編集委員を経て『週刊金曜日』編集委員を務めた本多勝一氏による

〈新版〉日本語の作文技術

出版社: 朝日出版新聞
発売日: 2015/12/30(第一刷)

対象とする文章はあくま

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書くことが思いつかない人のための文章教室【ブックレビュー】

書くことが思いつかない人のための文章教室【ブックレビュー】

「忙しい」を何となくの理由にし、遠ざかっていたnote。
そんな私の背中を押してくれたのが本著である。

毎日新聞専門編集委員、コラムニストの近藤勝重氏による
「書くことが思いつかない人のための文章教室」
出版社: 幻冬舎新書
発売日: 2011/9/30(第一刷)

いい文章とは?いい文章を書きたい…とは誰しも思うものだ。
それは何なのか?これはさまざまな観点から判断されるだろう。

まずは、誰

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