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書くことが思いつかない人のための文章教室【ブックレビュー】

「忙しい」を何となくの理由にし、遠ざかっていたnote。
そんな私の背中を押してくれたのが本著である。

毎日新聞専門編集委員、コラムニストの近藤勝重氏による
「書くことが思いつかない人のための文章教室」
出版社: 幻冬舎新書
発売日: 2011/9/30(第一刷)


いい文章とは?

いい文章を書きたい…とは誰しも思うものだ。
それは何なのか?これはさまざまな観点から判断されるだろう。

まずは、誰にでもわかりやすい言葉、伝わる表現、というのが一つ考えられる。
それに加えて重要なのは「自分にしか書けない文章」であること。
どこかから借りてきた言葉ではなく、内容や表現などすべておいて自分自身のものであることが大切だと筆者はいう。


思い出して書く

何も浮かんでこない。さて、何を書こうか…。
そんな時はまず「思い出す」ことから始めてみるべし。

「思う」のではなく「思い出す」ことで、より鮮明に細かい部分まで描写しやすくなる。私もやってみたが、これ、本当。思い出すことで、頭の中から自分の経験をつまびらかにし、一つの場面を切り取って文章におこすことができる。

普段からnoteを書いている皆さんは当たり前のようにやっていることかもしれないけれど、「何も書くことがない!!」と思ったときに、一息ついて「思い出して」みてはいかが。

また、筆者は「描写」の大切さを問う。
描写力をつけるには、見たこと、ものを他者に克明に伝える意識を強く持つことだ。

第一章は「記憶を描写してみよう」とある。
そうだ。思い出し、またよく観察して、描写してみよう。


伝わる文章は何が違うのか?

第二章では「伝わる文章の秘密」について8つの項目に分けて紹介している。
その中でも私が特にピンときたのが「五感」についてだ。

文章を書くとき、まずは「見たもの」を言葉にする場合が多いのではないだろうか。けれど、視覚以外の五感もうまく活用することで文章の幅も奥行きも広がる。

筆者は講師として大学の授業を行った際、学生に5分間目を閉じてもらい、その間に気づいたことや目を開けて感じたことをメモ書きしてもらったという。
その中で学生たちは、さまざまな発見や気づきがあったそうだ。

私もやってみた。
肌に軽く触れる髪のなびく感覚、屋外で響く自動車の走る音。
まぶたに感じる外の光、風にそよぐ植物たちのざわめき…。

そんな五感で感じるささやかなものごとを丁寧にひとつずつ言葉にする。
それだけで十分に「自分の言葉」になるのではないだろうか。

また、それらに加えて、擬音語・擬態語といったオノマトペもうまく生かせそうだ。

よし、書いてみようか。

本著は、第三章「そもそも書く手順とは?」、第四章「文章はこう直す」と続く。

読み切った後には重い腰が上がり、
「よし、書いてみようか」
と、私のような気持ちになっている人が少なくないはずだ。

noteを書いていて、
「何書いていいかわからん…」
と、迷子になっている人。

そんな人に、ぜひ、本著をおすすめしたい。

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