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脳の過労を感じているか

筋肉と同じように脳もまた休息による回復で強くなる
筋肉と同じように脳もまた過労でズタズタになる

わたしはある時から記憶の定着が著しく悪化している。
あらゆることを急速に忘れている。
今日した仕事のことも忘れた。今日食べたもののことも忘れた。
今朝歩いた道もその時した話も、今夜帰ってきたときのことも忘れた。

わたしには現在しかない。わたしには今しかない。
過去のわたしにも未来のわたしにも連続性を感じないから、
喜びを持ちこしたり悲しみを引きずることができない。

あらゆることを例外なく忘れていく。
突然の停電で電流を失ったメモリのように、一時的な記憶はすべて消去。
突然の停電だからハードディスクに書き込むこともできず消去。
だからわたしはあらゆることをメモして、翌日のわたしにバトンを渡す。
翌日のわたしが無事に存在していることに期待して、今日のわたしに別れを告げる。

この症状は認知症や何らかの欠損によるものではない。
脳の過労状態だ。
ワーキングメモリーが疲弊し、脳が情報を処理することができないのだ。

情報化社会の影響で、インプットが過剰になり、脳が消化不良を起こしたような状態になると、感情に関わるセロトニンや、記憶に関わるアセチルコリンなどの神経伝達物質の動きが低下します。
結果、脳内のネットワークの繋がりが悪くなる… これが、「脳過労」です。

30代から要注意!脳の老化の原因となる“脳過労”とは!?
https://news.1242.com/article/117378
改善策はただ一つ、外部情報から切り離して脳を休めること

ハードなトレーニングを無限に続けることができないように、過度に脳に負担をかける情報の過剰なインプットが脳過労を引き起こす。
重要なのは脳が疲弊して認知能力が低下するため、脳が「疲れている」という感覚を知覚できないことにある。疲れているかどうかを判断できなければ疲れていないと錯覚してしまう。脳ですべてを判断しようとすれば、必ずこれに気付くことができない。

なので、脳でとらえようとしてはいけない。
客観的な行動データによって、自己から切り離した領域で知覚する。
これだけの時間経過、この行動や言動、この結果、この症状。
普段から客観的に自分の行動とその結果に目を向けていさえすれば、容易に気づくことも予兆の段階で予防することも十分可能である。
これを、自愛と呼ぶ。

至極当然のことだが、休めば脳も回復する。筋肉と同じくより強く、より疲れにくくなってわたしを助けてくれる。
でも、そんな余裕は基本的にない。哀しいことだが、わたしを愛してやまない仕事たちがそんなことを許さない。彼らの愛は基本的に重いのだ。
だから共存するしかない。愛し合うしか道はない。

記憶が消えていくというのは、非常にストレスだった。
あらゆるものを傷つけずにはいられないほど不安だった。
わたしが消えていく感覚が恐ろしかった。

でも、もうその感覚も忘れた。
人間とは実にたくましく都合よくできているものだと感じだ。

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