見出し画像

【経営学31】SWOT分析とクロスSWOT分析(経営戦略分野)

【SYNCAオープン!】

経営管理部門・バックオフィス特化型の転職サイト「SYNCA」(シンカ)がオープンしました😁
皆様是非ご活用ください!


はじめに

今日はSWOT分析とクロスSWOT分析の二つのフレームワークを解説したいと思います😁

このフレームワークは今では知らない人の方が少ないかもしれません。
あまりに有名なので、きっと新卒でも3割くらいの人たちは知っているでしょう。

でも、実際に使いこなせる人はビジネスマンの中でも2割もいないと思います。
使う機会そのものがほとんどないでしょうし、使ったとしても、そこから何が得られるのかよくわからない状態になりやすいです。

だからこそ、今一度しっかり学んでおいて、いつでも使えるようにしておきたいところです。

それに、SWOT分析・クロスSWOT分析を自分の使い方で使いこなせるようになっておくと、自社及び転職先、投資先の分析も少ししやすくなると思うので便利ですよ🎵

では、解説していきます😁



1.SWOT分析とは

SWOT分析とは、企業の現状分析のためのフレームワークで、企業内部の「強み(Strength)・弱み(Weakness)」と企業の事業分野における「機会(Opportunity)・脅威(Threat)」の4つの要素で分析を行っていくフレームワークです😁

強みと弱みが「内部環境」の要素で、機会と脅威が「外部環境」の要素です。
企業の内側と外側という視点で現状を分析してみましょう!というフレームワークです。


SWOT分析の要素


SWOT分析の使い所は様々あると思いますが、主に以下の2つの場合に活用することが多いです。

(1)自社の現状を知りたい場合
(2)戦略を検討したい場合

以下、簡単にですが、ご説明させていただきます。


(1)自社の現状を知りたい場合


経営層や事業部長クラスの方々ならば、おそらく半年に1回くらいは自社の現状、市場の現状を知りたいと思うはずです。
今の自社の内部は健全なのか?
市場は順調に成長しているのか?
そう思う瞬間があるはず。

その場合、ちょっと時間を作ってSWOT分析をしてみるという使い方ができます。

・強み(Strength)
・弱み(Weakness)
・機会(Opportunity)
・脅威(Threat)

それぞれを書き出してみると、自社又は自組織の現状をざっと把握することができます。
強みや弱みを検討していく途中で、今後解決すべき課題が見つかるかも知れません😁

また、自分が今まさに実行している戦略が誤っていたと気づくことができるかもしれませんし、逆に正しいことを改めて確信できるかもしれません。

SWOT分析をして損をすることはあまりないので、常日頃からサクッとまとめられるように訓練しておくと良いと思います。

分析力大事!


(2)戦略を検討したい場合


また、経営層や事業部長クラスの皆さんは、少なくとも年に1回は自分の担当する事業の経営戦略・事業戦略を策定すると思います。
その際にもSWOT分析が活用できます。
できれば毎年SWOT分析をしていた方が良いです。

・強み(Strength)
・弱み(Weakness)
・機会(Opportunity)
・脅威(Threat)

この4つの要素を年次比較してみると、ここ数年間の外部環境の変化、自社の強み弱みの変化をある程度把握することができます。

それによって自社が今どう動くべきなのか、どこが弱点で、どういう活動をすれば改善できるのかを考えることができます。
もちろん、SWOT分析はただの情報の羅列なので、そこから踏み込んで戦略を策定するレベルまでにはある程度の乖離がありますが、事業部長以上の役職者はその程度の乖離はすんなり乗り越えられるはずです。

まとめられた情報をよく分析して、今年1年でやるべきことをまとめるのには非常に有益なフレームワークといえるでしょう😁

比較って大事



2.クロスSWOT分析とは

続いて、クロスSWOT分析についてご説明します。
クロスSWOT分析は、SWOT分析でまとめた情報を基礎として、戦略の方向性を検討してくためのフレームワークです。

・強み(Strength)
・弱み(Weakness)
・機会(Opportunity)
・脅威(Threat)

この4つの要素を組み合わせて考えるだけなので、そこまで難しくありません😁

組み合わせは、以下の4通りです。

・強み×機会(S✕O)
・強み×脅威(S✕T)
・弱み×機会(W✕O)
・弱み×脅威(W✕T)

図で示すと以下の通りです。

クロスSWOT分析

上記の図のとおり、それぞれ4通りの組み合わせで戦略の方向性を検討していきます。
一つずつ簡単にご説明させていただきます。


(1)強み×機会(S✕O)


この組み合わせは、いわば正攻法の戦略で、自社の強みを活かして機会(チャンス)を獲得しようという思考です。

SWOT分析によってまとめた情報を基に考えると、市場が拡大していて、十分な利益獲得機会があるとわかった場合に、その機会を獲得するために自社の強みが相性が良いぞとなったらS✕Oの思考で戦略を検討していきます。

自社の強みをどのように活用したらチャンスを物にできるのかを検討するだけなので、比較的簡単な思考です。
営業に強いなら営業強化戦略を検討すればいいでしょうし、技術力に自信があるなら開発コストを増額しても良いでしょう。
自社の内部にある何らかの強みを活かして、チャンスを獲得する方向で思考していきます。


強みがあるって素晴らしい



(2)強み×脅威(S✕T)


S✕Tの組み合わせは、いわば防御策を検討するための思考です。

市場の縮小や一時的な停滞、強力な競合他社の発生などの脅威が迫っているときに、自社の強みを活かして何とかしてその脅威に対処する方法は無いかと検討するのです。

具体的な戦略としては、M&A、資本提携、業務提携、新商品開発、新規市場創出、新用途考案などがあります。

自社の資金力が豊富ならM&Aや資本提携等で競合他社を味方にしてしまうことができるでしょう😁
また、開発力がある会社なら、市場が縮小していっているときに別の商品を開発して新規市場を創出することもできます。

こういう方向で思考していくと、自社がやるべきことがある程度明確になるかもしれません。
一切策がないという状態に陥ったら、撤退するという選択もありです。
撤退も有効な戦略の一つです。

撤退も技術!



(3)弱み×機会(W✕O)


この組み合わせは、自己の弱みを克服することで、機会(チャンス)を獲得できないかと思考するパターンです😁

市場が急成長していたり、新しい流行が出てきてそれが儲かりそうだとなった場合でも、自社の強みとマッチしなければ、原則としてお見送りとなります。
そこにほぼ確実に儲かるチャンスがあったとしても、できないものはできないのです😱

でも、それで簡単に諦めるほど経営者というものは単純ではありません(笑)
大抵の経営者はチャンスに対して異常なまでの執着を見せます🙄

そこで考えるべきは自社の弱点を克服する方法です。
現時点では持っていない能力、人材かもしれないとしても、身につけるか採用すればいいわけですから、やり方はあるのです。
それを最低限のコストで迅速に実現できれば、自社もチャンスを逃さずに済むかもしれません。

そういう思考がW✕Oの組み合わせです。
別にクロスSWOT分析を用いなくても自然に思いつくものですが、方向性を見失うときもあると思うので、そういうときにクロスSWOT分析を活用してみると良いと思います👍


力が足りないなら筋トレすればいい!



(4)弱み×脅威(W✕T)


最後に、W✕Tの組み合わせは、自社にとって脅威となる事象が発生していて、しかもその脅威が自社の弱点を突くような脅威だった場合に、なんとかしてその弱点を克服し、脅威を排除できないかという思考です。

この方向で戦略を練るのは非常に難しいです🤔
なぜなら、すでに脅威が存在している又は直近の未来で発生しうることがわかっている状態だからです。
この場合、弱点を克服するのに時間がかかってしまうともうアウトです。
損害自体は発生してしまうと思います。

そのため、自社の弱点というものは日頃からよく分析して、克服する努力をしておく必要があります。

それでもなお脅威が来てしまったら、なんとかして脅威による損害を最小限に抑える戦略を練ります。
弱点を完全に克服するのは通常時間がかかりますから、克服する活動を行いつつ、同時並行的に損害抑制策を検討します。

例えば、別の事業を伸ばす努力をして、そこから得られる利益で相殺したり、事業規模を縮小してコストカットしたり、在庫整理を行うことで不良在庫のリスクを低減させたりすることが考えられます。

急激な市場縮小等で不良在庫を大量に抱えてしまう可能性は常に秘めていますから、生産管理は比較的保守的に行っておいた方が良いと思います。

生産管理における過去の事例でいうと、私が小学生くらいの頃に「たまごっち」というものが流行ったのですが、一大ブームを巻き起こして全く生産が追いつかない状態になり、大量の発注がかかりました。
しかし、このブームが一瞬で消えまして、在庫だけが残りました😱
最終的に40億円以上の巨額損失になってしまったそうです。

この事例を後々客観的に見ると、生産管理に弱点があったとわかるのですが、実際のその場にいると気づくのは難しいと思います。
仮に気づけたとしても、脅威が一瞬で到来してきたがゆえに為す術がない状態だったでしょう。
そのため、脅威が来る、又は脅威が来そうだと思い始めてから弱点を克服しようとしても間に合わないことの方が多いと思います。

だからこそ、W✕Tの思考においては、日頃から未来に来る脅威を想定しておいて、そのとき弱点となるような部分を克服する努力をし、いざ脅威が来てしまったら損失を最小限に留める方法を模索するしかないと思います。

市場の縮小は急に来る



3.SWOT分析の実例

では、最後に簡単にですがSWOT分析及びクロスSWOT分析の実例をやってみましょう!
私が所属するスタートアップであるWARCをテーマにして行ってみましょうかね😁

WARCのSWOT分析は以下のような感じだと思います。


WARCのSWOT分析


まず内部環境について見てみると、WARCはちょっと変なスタートアップなので、会社内に会計士・税理士がたくさんいます。
そのため、会計リテラシーが非常に高く、それぞれの分野の専門家が社内に在籍しています。
その上、管理部門特化型の人材紹介及び人材プラットフォームを有しているので、管理部門の職種全体で見ると約10,000人くらいの人材プールを持っています。
そのあたりは強力な強みといえます😁

一方で、WARCの事業は主に会計専門家が行う事業なので、非常に難易度が高く、それを行える人材そのものが市場にほとんどいません。
そのため、人材の獲得難易度が跳ね上がっています。
その上、会計専門家の平均的な人件費は市場の全体平均の倍くらいになるので、高コスト体質となりやすいです。
このあたりは弱点になるでしょう。


続いて、外部環境について見てみると、WARCの主戦場としているベンチャー業界は、今まさに会計専門職の需要が高まっていて、非常にニーズが高い状態です。
これには昨今のIPOブームが関係しています。
IPOを目指すベンチャー企業が増えれば増えるほど、会計専門家の存在が必須になるので、その分WARCにとっては追い風になります。
その上更にベンチャー業界でM&Aが活発化してきているため、さらなる追い風が吹いています。
そういう流れもあって、ここ数年でベンチャー業界の平均年収が大手に近づいているため、ベンチャーに良い人材が流れてきています。
結果、これらのすべての要素がWARCにとってプラスに作用しています。

一方で、この良好な市場状態が一生続くことはあり得ません。
今の時点では、WARC全体に対する競合らしい競合はあまりいませんが、各事業にはそれぞれ競合がいますし、これからも絶対に誕生してきます。
IPOブームもいつかは終焉するでしょうし、M&Aだっていつかは枯渇していきます。
そもそも参入障壁の低い産業なので、レッドオーシャンになるのは必至です。


これらがWARCの主たる事業を取り巻く環境です😁


では次に、WARCのSWOT分析を基礎として、クロスSWOT分析を行ってみましょう!


WARCのクロスSWOT分析


まずS✕O(強み✕機会)については、WARCの高い会計リテラシーを活用して、管理部門のハイクラス人材の紹介事業を行う、会計コンサルやM&Aコンサル等を行うことが考えられます。
そして、現に今行っております😁
需要が非常に旺盛なので、基本的に人手不足が続いていますが、S✕Oの戦略は今のところ功を奏しています。

次に、S✕T(強み✕脅威)については、市場縮小や競合出現等に備えるために、ベンチャー業界における先行者利益を享受し、他社よりも早く、かつ、豊富なノウハウを蓄積します。
それを基礎にして上場企業等にも事業を広げたり、別の事業を創出したりすることが考えられます。
もちろん、この点も抜かりなく行っています。
WARCの経営陣は皆さん会計専門家なので、先々必ず来る脅威に対し、先手を打っております。

そして、W✕O(弱み✕機会)については、最大の問題である会計専門家等の人材獲得が問題です。
この点についてはリファーラル採用を強化して、若手会計士の皆さんと繋がりを作っています😁
また、もう一つの弱点である営業力についても外部リソース等を活用し、克服しようとしています。

最後に、W✕T(弱み✕脅威)については、ひとまずは自社の弱点を克服する努力を日々続けています。
採用難易度が高いので採用専門家の力を借りて繋がりを広げたり、経営陣が自ら活発に外部の会計士の皆さんと繋がりを創出したりしています。
事業部単位でもそれぞれの事業部の採用チームが採用広報の活動を行って、人材との接触点をドンドン増やしています。
事業難易度の高さについても、社内教育制度の充実化を図っていて、各事業部で教育資料等を作成しているところです。
経験が浅い新人が入っても、しっかりと教育できれば弱点ではなくなりますからね!
脅威はある程度予想できるので、その脅威が発生する前に弱点をある程度補強できていれば、損失を最小限に抑えることができます。


以上が簡単なSWOT分析・クロスSWOT分析です。

大したことはしていないので、そこまで難しいフレームワークではありません。
慣れた人であれば簡単なメモ書き程度で脳内で処理できると思います。
頭の体操として新卒の研修等で使ってみると面白いかも知れません👍

お試しあれ。


おわりに

今日は有名なフレームワークであるSWOT分析及びクロスSWOT分析について、簡単にではありますが解説させていただきました。

ビジネスマンの皆様にとっては常識的なフレームワークだと思いますが、たまに使ってみると頭の体操になりますよね😁

若手の皆さんも昼休みとかに軽くSWOT分析してみると新しい発見があるかもしれません。
検討しているときに「うちの会社の強みが全然思いつかない!」という悲しい事態が発生するかもしれませんが、それはそれで転職を考える良い機会だと思って活用してください。

今の時代、同じ会社に10年以上いる方が珍しいと思うので、3年以上働いたら転職を検討するのもありだと思います!
その際はいつでもSYNCAに登録してください(笑)
というか、転職情報は常にチェックしておいた方が良いとは思います🤔
チャンスはいつ来るかわからないので。



では、また書きます🎵


【お問い合わせ】

この記事は、株式会社WARCの瀧田が担当させていただいております。
読者の皆様の中で、WARCで働きたい!WARCで転職支援してほしい!という方がいらっしゃったら、以下のメールアドレスにメールを送ってください😁
内容に応じて担当者がお返事させていただきます♫
この記事に対する感想等もぜひぜひ😍

recruit@warc.jp

【WARCで募集中の求人一覧】

【次の記事】


【著者情報】

著者:瀧田 桜司(たきた はるかず)
役職:株式会社WARC 法務兼メディア編集長
専門:法学、経営学、心理学
いつでも気軽に友達申請送ってください😍

Facebook:https://www.facebook.com/harukazutakita
LinkedIn:https://www.linkedin.com/in/harukazutakita/

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?