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「なんでこんなこともできないの」の裏にある価値観の押し付け

どうも。藁科侑希(わらしなゆうき)です。
普段は大学教員やスポーツ現場でコーチやトレーナーをしております。
今日が318日目のnote投稿です。

これは自戒も込めてなのですが、「なんでできないの?!」と吐き捨てるように相手にぶつけてしまっていることはないか。その言葉を発した事による影響力をきちんと把握できているか、というお話です。

結論から言ってしまえば、タイトルにもある「なんでこんなこともできないの」は、パワハラにもあたる文言で、もしお子さんや生徒がそれを言われた場合、たった一度でも大きな心の傷を負わせかねない、ということです。
それが、無意識に出てしまった言葉でも。

今日はそんな、価値観を押し付けることの弊害と、「どうしたら一緒にうまくできるか」の考えに至れるようにするためのお話。

●その言動で与えるのは不快感とネガティブ思考

「なんでできないんだ」
「〇〇が当たり前でしょ」
「いい大人がどうしようもない」
「××さんを見習ったらどう」

書いていて自分も不快感を感じてしまいましたが。
こうした言葉を日常的に言われたり言ったりしていませんか。

「なんでこんなこともできないの?」をはじめとしたこのような言動は、相手に不快感を与えます。と同時に、「あなたはできない人です」とレッテルを貼る行為でもあります。

「なんで〇〇なの?」は質問の形をした、その人の感情をただ相手にぶつけているだけの投げかけにすぎません。答えようとしても、もし答えたとしても、解決には至らないネガティブな思考のループと問答になるでしょう。

その質問者側の立場に立って考えてみれば、それは「あなたのためを思って」「現状をより良くしたいから」言っているのだと思います。なので、言った側からしたらそれは善意で、むしろ『良いことを言っている』と感じていることさえあるんですね。

しかしながら、その言葉は相手を攻撃し、深く傷つけてしまうような、強いものです。

「できない理由」を問うように投げかけるのであれば、せめて「できるようにする方法」を一緒に考えられるようにする。
その言葉がけや言葉の選択、相手の気持ちと考えに寄り添うことが求められますよね。

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●「自分が当たり前にできること」は相手が必ずできるとは限らない

また、自分の価値基準が前提となるのもあまり良くないことだと思います。

「これくらいはできるでしょ」
「それをやるのは当たり前だ」
「普通はこうするんだけど…」

と考えるのは自由だと思います。
ただし、それを口にそのまま出すかどうかになると話は別ですね。

事実として、相手と自分は異なる人間で。育ってきた環境も異なれば、価値観や考えるプロセスも違います。
そのために、いくら仲が良くても、結婚していたとしても、自分の当たり前が相手の当たり前とぴったり全て重なることはありません。

こうした価値観のすれ違いが、人間関係を悪くするとも言われていますので。
その人の価値観を知るためにどうすればいいのかといえば、その人が「何に怒るか」を知ることが近道とも言えます。

上記の記事から抜粋します。

人は自分がみた世界や自分の価値観が「普通」だと思っていて。
自分以外の考えや価値観に対して疑問や"怒り"を覚えることがある。

何に対して怒るのか。何が感情の波をより立たせてしまうのか。
ここまでは許容できるが、そこから先は許容できない。つまり、「怒ってしまう境界」はどこなのか。

これらを擦り合わせることで、自分と相手の価値観を捉えることができ、その解決方法を探すことができるようになるのだと思います。

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●質問の形をした無意識の"口撃"を排除する

このように、感情をぶつけるのではなく、「一緒に考える」姿勢にする。
これが最も大切な、円滑に人間関係を積み上げていくスタンスなのだろうと思っています。

わざわざ、ネガティブ思考に陥れるように、自分の感情を吐き捨てるような言動をこぼすのではなくて。プラス方向に考えられるように、誘導する。
無意識的に、反射的にもしそうした言葉が出てしまうのであれば、その習慣を「なんであなたは…」から、「自分は…と思う(感じる)。だから…」と言い換えてみる。

すると、同じ思いと願いを込めているにも関わらず、相手が受け取る際の言葉の印象が全く異なります。

「なぜ?」はとても強いエネルギーを持っています。
加えて、無意識的に出てきやすい言葉であるとも思います。

だからこそ、その無意識を意識的に変えるように取り組んで、無意識に"口撃"をしないような口癖や考え方に落とし込むことはとても有効なのだと思います。

「なんでできないの?」は過去のことをただ非難するだけで、生産性は全くありません。建設的でもありませんしね。
それよりも、一歩踏み込んで「どうやったら」それを解決できるのか、というプラス方向に考えることに一緒に向く方がよほど建設的です。

反射的にもしそのような言葉を出してしまうのであれば、
 「感情が昂った時にはまず深呼吸を必ず1回する」
 「『なるほど』と口に出してみる」
 「今ある事実を述べるにとどめる」
 「『どうしたらいいかな?』と一旦引き取る」
ようなことができるといいのかなと思います。

人は、マイナス方向に責められたり、攻撃されたり、トラウマになったりしたことを強烈に記憶します。その記憶がその後の人生の足枷になったり、ひどい時には精神疾患を罹患することになったりもします。
子どもであれば、「自分が何かをすることで怒られる」と消極的になることで防衛しようとして、その後の積極的な発言や言動を奪うことにもつながりかねません。

今回は、「なんでできないの?!」という反射的な言葉を発することだけに言及しましたが。
これは、不快感をあらわにするような表情、ため息などの「非言語」で、言外に相手に受け取られるケースもあるのだと思います

これらが無意識のたった一言でも、ひと動作でも引き起こされうる、と意識するだけでも、今後の言葉を発する・感情を表す自分に対して、責任を持つことができるようになるかもしれませんね。

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今日はここまで。318日目おわり。
最後までお読みいただきありがとうございました!

それではまた明日。

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【保有資格】
 博士(スポーツ医学 筑波大学)
 日本スポーツ協会公認バドミントンコーチ3
 日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー
 日本障がい者スポーツ協会公認障がい者スポーツコーチ
 日本障がい者スポーツ協会公認中級障がい者スポーツ指導員
 日本障がい者スポーツ協会公認障がい者スポーツトレーナー
 NSCA認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト
 NSCA認定パーソナルトレーナー
 高等学校教諭専修免許(保健体育科 茨城県)
 中学校教諭専修免許(保健体育科 茨城県)
 赤十字救急法救急員

【現在の大学担当授業】於:東京経済大学・千葉大学・日本女子体育大学
 <体育実技>
  ●バドミントン ●卓球 ●バレーボール ●トレーニング理論実習
 <ワークショップ科目>
  ●テーピング・マッサージ実習 ●スポーツ医学理論実践
 <講義科目>
  ●健康の科学a ●健康の科学b ●スポーツとの出逢い


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