#早川書房
【書評】『闇の精神史』木澤佐登志[2023] ジャンクな疎外論
本題とは関係のない近況報告――
下に載せるのは、1月1日の朝に書き上げた書評である。その日の夜、校正してnoteに投稿するつもりでいた。
知ってのとおり、その日の16時10分、能登半島地震が発生。金沢市の私の自室では、2メートルを超える本棚が倒れ、床中に本が散乱し、とてもパソコンからnoteを更新するどころではなくなってしまった。
地震発生時、私は外出中だったが、部屋にいたら高確率で死んで
【読書メモ】『なめらかな世界と、その敵』伴名練[2022]
以下、いわゆる書評というより、雑文的な読書メモ。
物語の核心部分についての記述を含むので、ご注意ください。
伴名練[2022]『なめらかな世界と、その敵』早川書房. 知人から勧められていた伴名練の短編集『なめらかな世界と、その敵』を、2023年7月某日、読み始めた。同時代のSF、というか大衆文学全般を読む習慣が全くと言ってよいほどない私にとっては、「近年の小説」というざっくりしたカテゴリーそ