日本声ヨガ協会
スタンフォード大学「従業員のウェルネスとストレス管理」コースで学んだ、マネジメント層が持つべき視点
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スタンフォード大学「従業員のウェルネスとストレス管理」コースで学んだ、マネジメント層が持つべき視点

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 こんにちは。日本声ヨガ協会代表の八田幸子です。今日はスタンフォード大学の「従業員のウェルネスとストレス管理」コースで学んだことをお話したいと思います。

 個人のストレスはチームの生産性と企業の生産性に大きく影響します。しかし、そのストレス管理について、企業のマネジメントする立場の人はどのように考えればいいのでしょうか。

ストレス管理と組織の生産性

 大抵の企業では働いている時間が長いことを良しとするため、従業員は定時退社や有給取得に罪悪感を感じたり、不安になったりしてしまうことが多いです。適切な休養を確保しづらい職場風土が少なくありません。また、リラックスするためにマッサージに行ったり、ジムで身体をトレーニングする自分の時間は後回しで推奨されない状況があります。

 スタンフォードの授業では、「セルフケアはselfish(利己的)なものではない。」と繰り返し教授が話していたのがとても印象的でした。個人がリフレッシュして、ストレスが低減でき、心の余裕や心理的な安全性が確保されていると、安心して仕事に取り込めるようになるようです。

 責任感が強い人ほど、仕事の時間や家庭の時間を中々取れていないことが多く、職場としても個人のセルフケアを尊重しないと、個々のエネルギーレベルが下がり、結果的にチーム全体のエネルギーレベルが下がり、企業全体の生産性が下がっていくということでした。

 今回のスタンフォード大学のコースの内容を短く要約すると「個人が回復力(レジリエンス)を高めることはチームパフォーマンスに不可欠である。そのため、セルフケアは決して利己的なものではない。」ということ。そして、「制度が形骸化せず、各自が計画的に時間を確保してその時間を罪悪感なく大切に充実させることが大事」ということを学びました。

 仕事での会議やディスカッションと同じぐらい重要なものとして、自分の時間をスケジュールに組み込むことです。仕事や家族のケアも大事ですが、それと同じぐらいセルフケアも大事なのです。自分が健康でなければ誰かを支えたり喜ばせることはできないですね。

 この「自分時間」のことですが、教授や生徒たちはMeTimeと呼んでいました。MyTimeではなく"MeTime"なんですね。セットでこんな風に使われます。My life is too busy. I need some me time.

メンタルとフィジカルのセルフケアの重要性

 セルフケアで大切なのは単発的にではなく継続的に行うことです。マインドフルネスを継続して行ったり、ジムに通うなどの定期的で一貫したセルフケアが社員には必要です。メンタル的にもフィジカル的にも同じことが言え、それが社員の健康に繋がります。

 自分の心と身体が理想的な状態を頭に思い描いてみてください。その状態だと、生産性が高まるだろうことは明らかです。しかし、大抵の場合それを達成するのは難しいですよね。

 なぜ、達成するのが難しいのでしょうか?

 そこには、それを阻む様々な障壁があるからです。 障壁の例としては、家族への責任感、仕事への責任感、企業文化の期待(残業や土日出社が当たり前、しないと罪悪感を感じるなど)などがあります。

 これらの障壁を克服をするには、セルフケアを事前に計画して定期的に振り返り、その時間を死守するこですと。会社のチームメンバーや家族にも、自分にとって、それがいかに重要か共有しておくことが大切です。そして、MeTime中はそれに専念できるようにします。セルフケアに集中できるように、罪悪感がない状態で行うことです。自分を回復することに専念して定期的に継続することで、セルフケアが効果となって現れるのです。

 授業では、これらをPlan、Protect、Proceedと3つのプロセスに分けて説明していました。回復力を高めるためのセルフケア計画し実行する、不安や罪悪感のない状態で行う、行うときはそれに専念することが重要です。

 また、「セルフケアは利己的(selfish)なものであるという考えを払拭すること」が企業と企業のマネジメント層に必要なことと言っていました。従業員の心理的安全性が確保された状態でセルフケアで回復力を高め健康であることはチームの生産性を高く保つために欠かせないことです。

セルフケアを行うための5つの戦略

 ここで言う「セルフケア」とは、自分を回復して仕事に集中するためのものです。継続的に生産性をあげていくためには回復力が大事なのです。ストレスがかかっても、元に戻る力があれば生産性を継続的に維持できます。

 それを育むには、5つのセルフケア戦略があります。それらは、1つ目は身体的戦略、2つ目は社会的つながり、3つ目は心の習慣、4つ目は感情的な健康、5つ目はマインドフルネスの実践です。

1つ目のフィジカルの部分は、睡眠、食事、運動、遊び、余暇、レジャーを楽しむことです。

2つ目は、社会的なつながり。心理的安全性、多様性、リーダーシップなどです。

3つ目の心理的習慣。認知バイアス、リフレーミング、ポジティブにとらえることなどです。

4つ目はメンタルヘルスです。セルフケアの時間を取ることに対する偏見や不安、我慢するべきというバイアスや、汚名をなくすことも含まれます。

 また、メンタルヘルスの課題を抱えていることを言える環境を整えることも不可欠です。もし、助けを求めたり不安を打ち明けることの心理的安全性がない環境だと、抱え込む問題が増えすぎて、燃え尽き症候群、うつなどの病気、休職や退職に発展してしまいます。弱音を吐くのは未熟だということを払拭していくことが個人ではなくチームレベルで必要す。

 上司がやることとしてDoとDo Notを明確にわけることなどもしました。例えば、チームメンバーとの信頼関係を築くために仕事の話だけでなく、(プライバシーに配慮しつつ)私事や志事の話題も共有しておくことなどです。

 もしかしたら、日本では飲みの席で、これが行われてきたかもしれません。ただ、飲み会の席では単なるストレス発散や愚痴の時間になってしまうことも少なくないので、定期的なOne on Oneミーティングを設定するなどして、メンバーを気にかけて信頼関係を育むことが推奨されます。

 ここで重要なことの1つに、もし社員のメンタルヘルスの問題が深刻な場合は病院や専門医に診てもらうことです。また、One on Oneで話したことは絶対に他言しないなど、ガイドラインを決めておくことが従業員に安心感を与えます。

 メンタルヘルスに課題がある人は、発言が不安定で意見が変わりがちでパフォーマンスが落ちやすくなる傾向にありします。メンタルヘルスの課題である可能性があるので、単に生産性が低い人だと決めつけたり非難したりしないようにしましょう。

心と脳のトレーニング「マインドフルネス」という戦略

 5つ目はマインドフルネスです。3つ目・4つ目の戦略を実行するには、認知トレーニングが必要です。そもそも自分の心の癖や感情の振れを認知していないとどんな心理テクニックやセルフケアも発動しません。そもそも根本的に、マインドフルネスを活用して自分を客観的に認知するトレーニングが必要です。

 大抵の場合、成功したときに人は自分を褒めませんが、失敗した時は自分を攻めがちです。「こんなのもできないの?」とか「自分は失格だ」と厳しい批判を自分に向けていないでしょうか。

 自分が出来たことは思い切り褒め、足りていないところは、こうするとさらに良くなる理想に近づけるよね、とポジティブに変換することが効果的です。こういった自分の心のコントロールをマインドフルネスで訓練します。

 例えば、モチベーションがfear(恐れ)からくるのか、物事をcare(関心を持つ)ことからくるのかを自分に尋ねてみましょう。恐れからくるモチベーションは短期的には有効ですが、疲労が大きく、精神的なダメージが大きいものです。こうしたら相手は喜ぶな、より良いものができるな、などの形でモチベーションを維持することが大事です。ネガティブなモチベーションだと、失敗したらどうしよう…と考えがちで、そうすると、ちょっとした脅威に対して過剰なストレス反応が起きやすくなります。

 こうした心のコントロールを、感謝や慈悲のマインドフルネス瞑想を学び、納得した上で実践継続することで心と感情のバランスがとり、集中しやすくなります。

 私は、企業向けにマインドフルネス研修、講座、ワークショップ、講演などを行っていますが、社員様向けのマインドフルネスプログラムを行う前に、まずはマネジメント層の意識改革が重要であることをスタンフォードの授業で学びました。この学びをプログラムの開発と改善に活かし、企業従業員の皆様の心身コンディション調整やパフォーマンス向上に、お役に立てたら幸いです。

法人向けマインドフルネス研修

詳細は以下までお問い合わせください。
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