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Promises ~死に様~

結婚してから、まだ数年だけど何度も喧嘩して、離婚話だってしたことがある。
それでも、今日まで家族幸せに暮らせている。

毎朝起きると、そばには妻と子供が当たり前のようにいる。
それは、いつもの変わらない日常だが、飽きのこない日常である。

呼吸するのと同じように、食事するのと同じように、私は家族と共にある。

私は物心がついた頃から父親に虐げられてきた。酒呑みの父は、仕事から帰ってきて酔っ払っては私を呼びつけ、仕事の愚痴や祖父の嫌味を聞かせた。挙句の果てには、私や母をこっぴどく怒鳴り散らし、少しでも反論しようものなら相手が泣き出したり体が震え出すまで怒り続けた。母は何の抵抗もせず、いつも父の言いなりだった。
「ここは日本ではなく北朝鮮だったか」と頭の中で呟く毎日だった。

私は、妻も子供も愛している。
自分自身のことは、メンタルが弱くてちっぽけな存在だと自覚している。

だからこそ、虚勢を張ってしまうことがある。
周囲に自分を偉く見せようとするとき、そんなときは大体が失敗に終わった。

もういい。

カッコ悪いのは確かに嫌だが、それでもいいと今は思う。
本当の幸せを掴むためなら、背に腹はかえられない。

むしろ、カッコ悪く生きよう。
家族に恥ずかしい思いはさせないまでも、泥臭い生き方で、当たり前の日々を精一杯に生きよう。

ときには脱力も必要だが、力を入れたり抜いたりすることも1つの動作の連続なわけだから、それをどのタイミングでやるかも含めて真剣に考えながら、力まずに生きよう。

そのように思考を定めて、ものの理を突き詰めていけば、「仕事」も「呼吸」や「食事」と同じように捉えられるんじゃないだろうか。

「自分のため」「家族のため」…
そんなに大儀に考えなくても、ごくごく普通にこなせるんじゃないだろうか。

昔の武士は、「生き様」ではなく「死に様」
を考えて行動をとっていたらしい。

妻が「(私を)選んで良かった。」
子が「(私の家に)生まれてよかった」

そう言ってもらえるような男になって死ねれば本望だと思う。

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