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「アスリート同意書」を導入すれば、キャリアに納得できるアスリートが増えるかもしれない

アスリートの置かれている状況はあまり恵まれているとはいえず、大半のアスリートは競技生活引退後の生活が悲惨になりがちな状態は多く触れられており、このアカウントでも多く触れてきた。(他の記事を参照いただきたい)

更に「成功者側」に位置するようなアスリートで、巨額の年俸を稼いだとしても破産する確率が一般と比較して有意に高い。他にも詐欺の標的にもされやすい等々。

これについてスポーツ関係者が可能な限り納得が出来るようになる効率的な方法を考えたため、以下にまとめておくこととする。アイディアとして受け止めていたければ幸いである。

構造自体は変わらない

そもそも人間を競わせて興行化する方法は古代ローマ時代の剣闘士の殺し合いの頃からほとんど変わっていない。むしろマスメディアの登場で強化されている。

そしてこれらで利益を得ている関係者が多い限り、これらがすぐに中止される可能性は限りなく低い。同時に規制もなかなか入らないだろう。

スポーツ推薦なども学校側が選手を使って宣伝するという利権があるために変わることはなかなかないだろう。

納得感の欠如

さて上記のような仕組みが突如として変わることはない。

その中で「何が問題か?」と言えば、関係者が実態を把握しづらく、納得もしづらい状況になっていることだろう。

現状のスポーツに関係する教育では、幼少期から上記のような構造になっていることを知らない子供本人はもちろんのこと、親をはじめとした周囲の大人でさえも詳しくは知らない可能性がある。

競技生活を始め、学校教育も終え成人を迎え、その後も競技を続け引退が近づいてきた。

ここで大成してコメンテーターなどになれた人はおめでとう。あなたは「当たり」を引いた。

しかしそれ以外の大半の人はどうだろう?大半の人は引退前後で「スポーツだけを頑張ってきたら、他のことは何もできなくなっていた」という事実に気が付く。しかし気付いた時にはもう遅く、取り返しがつかない状態になりがちである。そして中には「騙された!」「こんなはずじゃなかった!」「誰も教えてくれなかった!」と被害者感情を抱く人もいるだろう。

繰り返すが仕組みは変わらない。その中でこのような被害者感情を持つ人を減らすには、最初からスポーツに取り組む人は上記の状況になっていることを知って、自らや周囲の人々も納得して取り組んでいれば問題にはならない。万が一希望通りにならなくても承知の上、納得の上で取り組んでいるためである。

タバコの広告

ところで昨今のタバコの箱には喫煙が有害である旨が述べられている。

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日本ではこの程度であるが、いくつかの国では、タバコの広告にデカデカと「肺がんになるリスクが上がります」というような記述が痛々しい画像と共に掲載されている。これらは掲載義務が法律で定められている。

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画像引用:https://scroll.in/pulse/808419/tobacco-related-cancers-account-for-half-of-all-cases-among-indian-men-says-study

こういう広告が載っていたとしても、喫煙者は一定数いるのも事実である。

「アスリート同意書」の導入

上記のような仕組みは変わらないものの、状況を関係者に納得してもらうには、同意してもらうほかない。例えば以下のような同意書の記入を義務付けるのはいかがだろうか。

「スポーツに競技者として取り組むことは将来の破産確率を上げることにつながります。私 (アスリート名)は、スポーツに取り組むにあたり、これらのリスクを理解していることをここに同意します。」

のような趣旨の同意書をアスリートに記入させ、この同意書が無い場合には、協会に登録が出来なくなったり、公式戦に出場が出来ないようにすればよい。これなら登録の際に規約に同意するのと同じ要領で導入が出来、工数もほぼ掛からない。(もちろん運動と健康は相関があるので、行き過ぎが問題であるなど、文面の調整などは必要である。生命に不可欠な水でさえ飲みすぎると死ぬことがある。)

これであればその後、関係者がローマ時代の剣闘士の奴隷のようにアスリートを駒のようにこき使おうが、使い捨てにしようが、引退後が悲惨になろうが全て同意の上として、アスリートも関係者も割り切ることが出来る。

同時にアスリートとしても、毎年更新の際に考えさせられる機会が自動的に訪れることになる。もちろん講習や説明会を通した教育との併用は有効である。これらの仕組みを幼少期の子供に分からせるのは不可能に近い。業界を知らなかったご両親でもそこまで深く知らない可能性がある。そこで毎年このサインをさせれば、考える良い機会になるのではないだろうか。

同時に選手と団体の言い争いも減るだろう。構造上しょうがないことが分かれば文句も出づらい。「宝くじを全財産買って当たらなかった!許さない!」と言っている人はあまりいないだろう。(いるのかもしれないが・・・。)

もちろんアスリート視点では「頑張ったんだから報いが欲しい!」「人生を捧げてきたんだから報われたい!」という感情は痛いほどわかるが、現状の仕組みではそうはなっていない。どこかで折り合いをつける必要がある。

納得感が最重要

上記のように、社会の仕組みは変わらない。変わったとしてもあなたが現役中に変わることはほぼないだろう。

事実を突きつけるのは夢が無いという意見はよくある。しかしながら現実から目を背けてしまっては万が一うまくいかなかった場合に取り返しがつかないことになる。よって、現状の構造・仕組みのような現実を見つつも、高みを目指す、夢を追うのが健全ではないだろうか。

上記のような仕組みを把握し、是非納得が出来るキャリアを構築していければ幸いである。

長期的にはもっとカジュアルに取り組み、「本業」でも成果を出し、スポーツでも世界大会を目指すような選択肢が増えていけば幸いである。


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