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音楽の話

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フルアルバム、販売開始しました

フルアルバム、販売開始しました

そうなんです。

Plum Phish Project

というグループ名で、

The Day for Plum Phish, 01
プラムフィッシュにうってつけの日、01

というアルバムタイトルです。

衝動的なリフ、情熱的なドラム、抒情的なソロが渾然一体となる新しいポストロックでオルタナティブなジャズです。

一貫したテーマを感じられる名盤となりました。

演奏は私(Guitar & Ba

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音楽理論を逆手にとって自由になりたい 二重調性メソッドという"失敗"

以前、

バークリー式を逆手に取り、脱本質化する演奏を行うことで、音楽理論=バークリー式という鉄の檻を外から眺め、他の音楽理論、理論化されていない音楽を輸入する余地を生み出していきたい。

と、述べました。

その方法論として、あるコード進行(※1)に対してバークリー式では全く不適切なスケールを使用する「二重調性メソッド」、というのを実験的にやってみました。

しかし、タイトルにある通りその試みの

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音楽理論を逆手にとって自由になりたい 前提となる問題提起編

さて、結構アグレッシブなタイトルにしてみましたがどうでしょうか。

最近、「二重調性メソッド」なるものを構築しようとして四苦八苦しているわけですが、それが少しまとまりそうなので、まとめようというのが今回の趣旨になります。
詳細、というより四苦八苦の跡はTwitterの方を見てもらえるとわかるかもしれません。

音楽理論は唯一無二なのか私たちが日ごろ聞いている音楽のほとんどが、ある音楽理論に基づいて

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思い出のアルバムを勝手に語る――Weezer Make Believe

思い出のアルバムを勝手に語る――Weezer Make Believe

WeezerのMake Believeです。

テスト期間中、深夜まで勉強……していたのか遊んでいたのか、ともあれ深夜まで起きていて、定期テストを解いて、午前中のうちに帰る、そんなときに良く聞いていました。

帰るとちょうど多分13時ごろに家につくような時間帯、座るためにわざわざ普通列車に乗って、うたたねしながら聞いていた記憶です。

Hold Meの頃に眠りに落ちて、My Best Friend

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製作日記22 Beat Tapeができました。Lofi hiphopというジャンルの中に埋没しないために。

製作日記22 Beat Tapeができました。Lofi hiphopというジャンルの中に埋没しないために。

前の製作日記からずいぶん間が空いてしまいました。

というのも、やっぱりあんまり書くネタがないというか……。

製作日記として機材とかを紹介するなら、普通に機材のレビュー書いたほうがいいな、と思いまして、機材レビューをつらつら書いてきたわけです。

しかし、Beat Tapeができたので、それに合わせて少しだけ書きたいことを書こうと思って、こうして日記の形にしています。

Lofi Hiphop恐

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Old Blood Noise Endeavors Dark Star Pad Reverb レビュー

Old Blood Noise Endeavors Dark Star Pad Reverb レビュー

最近、MNGしたリバーブ、Old Blood Noise Endeavors Dark Star Pad Reverbですが、最高でした。

ただ、日本語のレビューがほとんどないので、購入前に知りたかったこと等をここにレビューしておきます。
できる限り詳細に機能を紹介することを目指しています。
インプレッションだけ知りたい人は、下の動画を見てください。

とりあえず、下の動画みて、カッコイイ!欲し

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Love Theme from Spartacusから考える楽曲のアナライズ

Love Theme from Spartacusから考える楽曲のアナライズ

Love Theme from Spartacusは皆さんご存知でしょうか。

知ってるという方は、おそらくBill EvansやYousef Lateefの演奏で聴いたことがある、ということじゃないでしょうか。

私はこの曲が非常に好きで、好きが高じて出典である映画、スパルタクスを見てきました。

これです。
監督:スタンリー・キューブリック(シャイニングの人)
主演:カーク・ダグラス(マイケル

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トラックメイカーにあこがれる?結構簡単です。――無料で始めるMPC Beats

トラックメイカーにあこがれる?結構簡単です。――無料で始めるMPC Beats

私は、2020年の頭ごろから、ジャズヒップホップ、Lofi Hiphop、Boom Bap系のトラックを作るようになりました。
当初はCakewalkを使っていたのですが、J DillaやNujabesが使っていたAKAIのサンプラーを模した無料DAW(Degital Audio Workstation)であるMPC Beatsに移行しました。

ところが、思っていた以上に何をやっていいのかわから

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東郷清丸の"ロードムービー"がどれだけ素晴らしいか語りたい

東郷清丸の"ロードムービー"がどれだけ素晴らしいか語りたい

これ、本当に素晴らしい曲なので、どうしても語りたいんですよ。

いろいろ素晴らしい点はあるのですが、冒頭から語っていきたいと思います。

まず、ゆらゆらとした音で、歪ませたギターのリフがさみしげで良い。

そして、音数を極限まで減らしたミニマルなアレンジが素晴らしい。
これもまた、さみしさの表現になっているように感じます。

そういった音色や音楽的な部分も非常に素晴らしいのですが、今回は歌詞の方を

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"家族の風景"を考える――キッチンにハイライトとウィスキーグラスがあるって、どうよ。

"家族の風景"を考える――キッチンにハイライトとウィスキーグラスがあるって、どうよ。

という一節を聞いたことがある人は少なくないと思います。

そう、家族の風景/ハナレグミです。

私は、対バン相手だったシンガーソングライターがライブでカバーしていたのを聞いて、初めてこの曲を知りました。
その際、細かい所は忘れましたが、「家族の、心あたたまる、そんな風景を思い描いて」的な曲紹介から歌いだしたことをよく覚えています。
で、曲を聴きながら、キッチンにハイライトとウィスキーグラスが置いて

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最もコスパよくDTMを始めるには

フリーミアムなビジネスモデルが近年、非常にさまざまなところでみられるようになりました。
Spotifyなどもそうですし、"基本無料"とうたわれているのは大体そういうビジネスモデルだと思います。

この流れは、DTM業界でも例外ではありません。
2013年にCakewalkがGibsonに買収され、2017年に開発・生産が中止されたはずのSONARの最上位のもの(6万円くらい)が無料(!)で、Cak

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ギタリスト第7世代――Tom Misch Cory Wong Mateus Asato mark Speerの共通点

ギタリスト第7世代(※)の旗手は、
Tom Misch
Cory Wong
Mateus Asato
Mark Speer (Khurangbin)
で決まりだと思います。
(Tom Mischはギタリストじゃなくてプロデューサーだろ!とかって批判はあるかと思いますが)

ネットの力彼らには大きな共通点があります。
ひとつには、インターネットで人気に火が付いたという点。

Tom MischはBe

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JC再考――Mansur Brown

JC再考――Mansur Brown

これまで、真空管サウンドのオルタナティブを考察してまいりました。
とりあえず、序論と結論だけ貼っておきます。

そのオルタナティブの一例として、ジャズコーラス(JC)を挙げました。
その中で、JCの特徴はピュアなクリーンであり、ギター・エフェクターの個性をそのままアウトプットできる、と結論づけました。

ただ、異常に普及しているアンプにしてはちょっと例が少なかったのも否めません。
今回、JCの特徴

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