見出し画像

自分を取り戻すための日記 27

2022.6.1 再び、時給600円の世界<後編>

前回、「演劇はもはや職業にはなれない。仕事ではない」と書いた。
法律で定められている最低時給も払えない仕事はもはや仕事ではない。
趣味かボランティアだ。
人一人の最低限の生活も生きていく権利も保障できない職業なんて、仕事とは呼ばない。
演劇は金持ちしかできない金のかかる道楽・趣味なのだ。

それに気づけただけでも自分の中ではかなり大きく前進した。
それに気づくのに長い年月がかかったし、幾多の辛酸を舐めた。舐めきった。

演劇が好きで好きでたまらなくて、夢見て憧れてこの世界に入ったから、
最初はたぶんこの現実を認めたくなかったのだと思う。
真面目に誠実に正直に働くことが、こんなにも否定され利用され搾取され足蹴りにされ暴力を振るわれるターゲットになるということを、どうしても認められなかった。
好きで好きで夢見ていたから、夢と現実の落差が本当に辛かったしきつかった。

夢の世界の裏側がこんなにもハラスメントと暴力と犯罪が横行しているヤクザな世界であることを、その「現実」を長い間認められなかった。
身体を壊して心を壊して、やっとその「現実」を認めることができた。

ここからが新しい始まりだ。
現実をきちんと見つめ、冷静に状況を分析し、自分の頭で考える。
そこにはもう感情はいらない。

「好き」という感情が、事実を見せないように目隠しをしていた部分が確実にある。
搾取と暴力を繰り返し、人間を平気で奴隷扱いする人がこの業界でのし上がり、大金を稼ぎ、夢のエンターテインメント世界を作っているのだと知って、ショックと絶望でかなり打ちひしがれたけど、その現実をちゃんと認識しないと先には進めない。
ここが正念場。

貧乏な田舎の家に生まれ、7歳でレイプ被害にあい、親から虐待されて育ち、自尊心を破壊され、大きな心の傷を抱えて生き延び、生活費のために高卒で必死で働き、誰にも扶養されず、今も築45年の安アパートに一人暮らしで、安定した仕事もなく、日雇労働で毎日の生活費をギリギリ補っている、こんな私がこの世界で何が出来るか。

才能とか運とか環境とかお金とか、色々言い訳をして誤魔化してきた。
でも、もうわかっている。
ここで生きていくのは、才能や運や環境やお金だけじゃない。
もちろんそれらがあったほうが容易にラクに生きていけるだろう。
でも、それだけじゃないのだ。

何も結果を出していないのに自信に溢れた人たち。
平気で嘘をついたり、他人の手柄を横取りできたり、他人を奴隷扱い出来る人たち。
どんな批判もまったく聞こえないか聞こえないふりを出来る人たち。
鈍感で厚かましくて図太い人しか、この業界では生きていけないのだ。

私はどう転んでもこんな生き方や仕事の仕方は出来ない。
質が違うのだから仕方がない。

彼らは絶対変わらないし、私が命をかけて変える必要もない。
他人を変えるために自分の命を削らなくていいし、自分の信念を曲げてまでこの業界で生き延びようとも思わない。
人を騙したり貶めたり抑圧しないとここにいられないなら、もうそんな世界は私には必要ない。
今すぐ消え去る。

だから、ここからが重要だ。
辞めることも逃げることも立ち去ることもできる。
でも、それでも演劇をやりたいならどうするか。
エンターテインメントを大好きならどうするか。

時給600円では東京では生きていけない。
演劇は生活費を稼ぐための仕事にはならない。

抑圧と暴力と一部の人だけが得をするシステムに二度と入らないで、他人も自分も殺さず、自分の夢を叶え人に夢を見せる方法。

この腐った業界システムが全て崩壊したあとに、私達が本当に必要とするエンターテインメントが現れる。
人に希望と夢と生きる力と変革を与えるホンモノの芸術。真のエンターテインメント。
やがて必ずやってくるその時、私は何をするか。あなたは何をするか。

もうまもなく。
時はやってくる。

いま、私は何を選び何を準備すればいいのか。
いま最後のチャンスが私の目の前にある。

#日記 #エッセイ #演劇 #舞台 #演劇制作 #舞台制作 #女性と仕事 #女性の働き方 #女性の生き方 #転職 #フリーランス #AC #アダルトチルドレン #虐待 #自虐 #自尊感情 #依存症 #パワハラ

読んで心が動いたらサポートをお願いします。それでまた書き続けることが出来ます。