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自分を取り戻すための日記 34

2022.7.7 幸せと不幸
 

幸せな人はどんどん幸せになり、不幸な人はますます不幸になる。
 
この言葉を聞いた時、なんて理不尽なんだろうと思った。
 
A子は生まれつき裕福な家庭に生まれ、親から愛され大切にされ、人権を尊重され差別されることもなく自由にノビノビ育ち、10代から親の資金で海外に留学し、多国籍言語とコミュニケーション力を身に付け、そのスキルを活かして今も世界的に活躍し、莫大な報酬を稼ぎ、20代でセレブと結婚し子どもを産み、世界各国に家と別荘を持ち、世界を股にかけて活躍している。
 
B子は生まれつき貧乏な家庭に生まれ、親から愛されず虐待を受け続け、人権を奪われ自尊感情を育てることもなく、支配され差別され利用されて育った。十分な教育も受けられず、10代から生活費のために働き出し、低賃金・長時間・重労働・女性差別・セクハラ・パワハラにことごとく合い、体を壊し精神を病み、毎日生きるためにお金を稼ぐことで精一杯で、自分が何か好きで何のために生きているかさえわからず、毎日死にたいと思いながらようやく生きている。
 
ただ生まれ落ちた環境が違うだけで、将来が決定し、幸せな人はずっと幸せで、不幸な人はことごとく不幸になる。
この事実がどうしても受け入れられなかった。
 
許せない。
腹が立つ。
そんな酷いことがあるか。
子どもは生まれる場所を、親を選ぶことができないのに。
 
周りの人たちは皆口々に言う。
「金持ちのお嬢様はみんな性格が良くて穏やかで余裕がある。いい環境で親から愛されて育ったお嬢様が男性からもモテるのはよくわかる」
その言葉を聞くたびに、
「貧乏な家で虐待されて育った女はみんな性格が悪くて意地汚くて焦っていて。親から愛されたことないから性格歪んでるし、自虐的で暗くて最悪」という言葉が聞こえてくる。
 
お金持ちのお嬢様が優しくて性格が穏やかなのはその通りだろう。
生活に余裕があるし大切に育てられているし、愛されることに慣れているから。
 
自分が暗くてネガティブで自虐的なことは重々解っている。
だから幸せになるためにはとてつもない努力が必要なことも自覚している。
 
心と体に負った深い傷の痛みにのたうちまわって未だ余裕なんかない。
根深い後遺症は長い間私を苦しめてきたし、この先もそれが完全に解消することはないだろう。
小さくて柔らかかった頃にぐちゃぐちゃにされた心と体は、もう二度と元の形と柔らかさには戻らない。
歪んでゴワゴワなままだ。
 
親を恨んでもレイプの加害者を憎んでも暴力をふるった相手を責めても、
もう私は元には戻らない。
永遠に大切なものを失ったままだ。
永遠に欠けたままだ。
 
でも、だから不幸になっても仕方がないなんて嫌だ。
虐待にあった子どもや暴力の被害者は不幸になるしかない、なって当然と定義づけられたら生きていけない。
 
歪んでゴワゴワになってしまった心を抱えながら、幸せになる方法を考える。
酷い虐待にあった子どもが幸せになった成功例をつくる。
レイプという魂の殺人にあった女性が逞しく生き延びる前例をつくる。
 
どんな環境に生まれても、どんな悲惨な経験をしても、どんな残酷な傷を負っても、人は幸せになれる。
どんな人でも幸せを摑める。
そう思いたいし、そう思わないとこの過酷な現実を生きていけない。
 
鈍感な人からよく「何が辛いのか」と聞かれる。
「すべてが辛い」と答える。
息を吸うのも辛いし、笑うのも辛い。
半世紀たっても未だに夢でうなされる。
それほどまでの恐怖を味わった。
暗くなってもネガティブになってしまっても笑えなくなっても仕方がないと思う。
 
でも、私は無理にでも笑う。
どんなことが起こってもすべては経験だと考える。
経験だから成功も失敗もない。
幸も不幸もない。
ただの経験だ。
だからどんなことが起こっても大丈夫。
経験はやがて必ず力になる。

私たちにはその力がある。
誰もがその力を持っている。
後は自分を信じるだけだ。
 
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