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非行

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息子の非行の日々
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#怒り

悲しい思い出

悲しい思い出

次男の交通違反が続いた頃からまたうまくいかない。
仕事のお弁当の有無を聞いてもちゃんと返事しない、
起きる時間を聞いてもはっきり聞こえない、
夕食の有無を聞いても黙っている、
おはよう、おかえり、おやすみを言ってもすべて無視。

肉体労働でしんどいのかもしれないが目に余る勝手さだった。返事がないなら作らない、起こさない、を宣言し貫けばよかった。

あの頃の私には毅然とした態度が足りなかった。
こう

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いつもこうなる我が家

いつもこうなる我が家

案の定、財布のお金が減った。

夫はそうなることが予想できていたのか怒ってはいなかった。
ただ、自分の勘違いではないことを確認したかったのだと思う。
夫は見て見ぬふりをする人ではない。
次男の部屋へ話に行った。

前からお金が減っていると思っていたこと。
あえて財布を置きっぱなしにしたこと。
家族しかいない家でお金がなくなるとしたら次男しかいないということ。
人の財布から金をとるな、そんな

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怒りのあらわしかた

怒りのあらわしかた

彼女から初めて私に電話があった。
喧嘩してしまい次男が出て行ってしまったということだった。

疲れていた彼女が先に寝てしまい、次男はその態度がさみしかったのか、自分を大切に扱ってもらえなかったと思い込みキレたらしい。

怒りの表現として次男が自分自身を罵り叩くような行動をしたことで彼女も不安になったのだと思う。

自分なんかいらないんだと卑下する言葉を言い、自分を傷つける様子を思うと胸が締

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イライラを撒き散らす

イライラを撒き散らす

一人暮らしを始めた次男がどのように暮らしていたかは分からない。
寮の近くをわざと通り、干されている洗濯物から生活を想像するしかなかった。

夫は次男のことに触れなかった。

自分が追い出したという責任を感じてないわけではなかったと思うが、夫の心もかたくなだった。

以前被害届を出された事件について家裁から呼び出しの手紙が届いた。

保護司の助言もあり、事件についてしっかり反省し、真

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怒り

怒り

ピリついた毎日だった。

保護観察中の分際で、遅くまで帰らないこと、仕事に寝坊すること、次男の態度の悪さに夫はイライラしていた。

「やりたいことをやるなら筋を通せ」という夫のまっすぐ過ぎる正論は正しかった。

そして正論では伝わらないことが山ほどあり、言葉でねじ伏せても効果はないように感じた。

次男はあまりしゃべらなかった。
というより、話してもどうせ聞いてもらえないことを感じ

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