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いつもこうなる我が家

案の定、財布のお金が減った。

夫はそうなることが予想できていたのか怒ってはいなかった。
ただ、自分の勘違いではないことを確認したかったのだと思う。
夫は見て見ぬふりをする人ではない。
次男の部屋へ話に行った。

前からお金が減っていると思っていたこと。
あえて財布を置きっぱなしにしたこと。
家族しかいない家でお金がなくなるとしたら次男しかいないということ。
人の財布から金をとるな、そんなことするなと。
遊びたいなら働けと。

それを静かに話していたように思う。
次男がごめんと一言言えば済む雰囲気だった。
夫は相手が本気で謝ればすぐ許せる人だった。

しかし、もちろん次男は認めない。
知らん知らんの一点張り。
普通ならこれ以上話は進まずうやむやになるが、
夫はこういうのを逃がさない。
思春期だから反抗期だからは関係ない。

そして捨て台詞に吐かれた次男の
「証拠見せろや。」の一言に大爆発した。

次男の部屋の棚や引き出しを見事に全部ひっくり返してなくなったお金を探し始めた。
次男の部屋はめちゃくちゃになった。

次男は夫の気持ちが乱されることをあえて言い、試すようなところがあった。
荒れる夫を哀れむような、また我慢できなかったね、と呆れたような顔で見ていた。

いつも我が家はこうなる。
夫が悪人に思われるかもしれないが元は明るく元気で思いやりに溢れる人だ。
そんな人でもこんな風になってしまう。

子育てをしながら人にはいろんな一面があることも知った。
私も含め、自分でも知りたくなかった自分がいた。

そして夫のお決まりのセリフ
「もう出ていけ」だった。

…私はこの件で翌日に控えていた親友との旅行をキャンセルした。ほんの僅かな楽しみさえも叶わなかった。
そんなこともあったねと今は思う。
みんな普通の顔して暮らしてる。
みんな誰にも気づかれないのに頑張ってる。

#親 #子育て #非行 #怒り   #家族

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