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らんどまーくすぺしゃる

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書き手

書き手

 はじめまして、または改めまして、波勢邦生と申します。現在、京都大学大学院の文学研究科・博士課程におります。(※2020年4月より単位取得満期退学、博論執筆中)

 14才で教会に通い始め、17才で洗礼を受けて以来、人生の大半をキリスト教と関わることに費やしてきました。「なぜキリスト教を信じたのか」と聞かれても未だ説明できません。だから、17才以来20年間、考え学び、研究してきました。

 このN

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聖なるもの

聖なるもの

 礼拝に出席しなくなり久しい。とくに必要を感じないからだ。蛇足ながら説明しておくと、いわゆる教会の公的集会をプロテスタントは「礼拝」と呼び、カトリックと聖公会は「ミサ」、正教会は「奉神礼」と呼ぶ。礼拝に出席しなくなり久しい。

 出ない理由はシンプルで「聖なるもの」への態度が違うからだ。プロテスタントは原理上、また歴史的にみても聖俗二元論を排する向きがある。ぼくは、この世界に「聖なるもの」とそうで

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変わるけど、変わっては駄目

変わるけど、変わっては駄目

 昨日からなにしろ首が痛くて困っている。単に寝違えただけかと思っていたのだが、一夜明けてもまだまだ痛くて、首をぐるぐる回すこともできないというていたらくだ。こういう小さなことだけでも、普通に動かせていた身体が動かなくなるというのは全くつらい。

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情緒と清浄

情緒と清浄

 文化に関する appreciationと appropriationにまつわる論争を見かけて、それについては意見がないわけでもないので何か書こうかと思ったのだが、すぐに思い直してやめてしまった。昨日のエントリで、研究に「世間を持ち込まない」という岡潔さんの態度について書いたけれども、私もいまのところ、この場では「そういうモード」だからである。

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死ぬのが怖い人へ (5)

死ぬのが怖い人へ (5)

子供の頃から死の問題に取り組んできた私は、情報収集のため親鸞会にも顔を出しました(※第3話・第4話を参照)。そして退会した後も妙好人と浄土真宗について、情報を集め続けました。
この第5話では私が得た情報についてまとめます。

情報収集して分かったこと私が大学時代までに集めた情報には、死の問題を解決するのに欠かせないものが含まれていました。

まず妙好人について。

彼らが住んでいた世界は獲信・他力

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しばらくじっと見ていること

しばらくじっと見ていること

 岡潔さんの話、続き。

 昨日のエントリで述べたように、岡さんのテクストというのは全体として読んでゆくと「すごさ」と「ヤバさ」が渾然一体となっているものなので、その扱いにはわりと慎重な注意が必要となる。もちろん、わかりやすい「すごさ」の部分だけを抽出して語るというのも一つの(そして当然の)選択肢だが、そうは言っても彼の思想の「すごさ」はその「ヤバさ」と不可分のものであるような気もするし、場合によ

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岡さんのヤバみ

 ちょっと必要があって、岡潔さんの文章を久しぶりにまとめて読み返してみたのだけど、発表された時系列順に読んでいくと、岡さんの思想と表現がどんどんヤバい方向に先鋭化していくのが手に取るようにわかって、これはなかなかすさまじい読書体験だった。

 岡さんは1960年に文化勲章を受賞した2年後に、毎日新聞紙上で『春宵十話』を連載し、それが1963年に単行本化されてベストセラーになって以後、精力的に著書を

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「本心」という幻想――自身を暴力的に扱わないことで得られる自由について

「本心」という幻想――自身を暴力的に扱わないことで得られる自由について

 数日前に、心の中の「自然現象」というエントリを書きまして、そこでは心内に「自然現象」のように勝手に生じてくる感情や気持ちというものを、「私そのもの」だと思い込んでしまうことで、人生がつらくなってしまうということはままあるものだ、ということを述べました。

 本エントリは、こうした事態の背景にある構造をより深く分析し、その上で、それに対する一定の処方箋も示す有料記事です。具体的には、「自然現象」の

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創価離脱3年目

 とあるアカウントから@が来て、私がツイッターを始めて、今日で4年になるんだと教えてくれました。ということは、私が創価学会の現場を離れて、3年程になるわけですね。ツイッターで1年ほどあーでもないこーでもないとウダウダ言ってから離脱したので。まだ、そんなものか・・・という感じがするほど、遠い昔の事のように感じるんですけどね。

 現場を離れ、退会もしたんですけど、聖教新聞の販売強化月間や選挙のシーズ

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かっぱさんの退会秘話

私が退会した直のきっかけになった事件の話をしときましょか。

結構な役職を持ったままではあったんですけども、活動はしないって決意をして1年ほどたった頃だったっすかね。今みたいに是々非々なんて発想はなくて、完全にアンチマンな状態で、それでもしつこく家庭訪問を受けて活動への復活を勧められ学会嫌悪度マックスだった頃でした。地区の婦人部長が訪ねてきても、口もきかずに玄関をバンって閉ざして追い返したりしてま

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なにかに「なろう」とすること

Q. 粗野な心も敏感になれるのでしょうか。

 質問を、言葉の裏の意味を聴いてごらんなさい。粗野な心も敏感になれるのでしょうか。私の心は粗野だと思い、敏感になろうとするなら、敏感になろうとするその努力こそが粗野なのです。どうかここを見てください。感心していないで、見てごらん。ところが、私が粗野であることを、変えたがらずに、敏感になろうとせずに認識したり、粗野とは何かを理解し始めて、日々の生活でそれ

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ザ・師弟

私はソーカが嫌いです。( ̄(工) ̄)

最近は特に「師弟」を全面に押し出しておるようですが、特にその「師弟」が嫌いです。師弟とは、どこまで行っても模倣に過ぎず、真似っ子はどこまで行ったって真似っ子です。

技術的な職人芸のようなものなら、師匠の元で、師匠の模倣から始まり、技術を身につけ、独立して一人前になるという過程があって、そこには師弟があって素晴らしいと思うんすが、ソーカの師匠の場合は生き方の

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ザ・功徳

ザ・功徳

ソーカな人々の間でよく使われる用語のなかに「功徳」って言葉があります。

多くの場合は、自分の悩みが解決したり、病気が治ったり、目標にしていたことを達成して満足したり、生きづらかった環境が自分の思うように変化していったり、そんな自分&仲間の都合を軸として使われがちな言葉です。(ひとつ言っておきますけど、そういう会員もいるよという話であって、すべてのソーカマンがそうだということを言っているのではあり

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万年氷河期女の話

「法華経を信ずる人は冬のごとし。冬は必ず春となる。」

有名な御書の一節で、婦人部の大好きな言葉です。
その言葉を胸に、たとえ報われないまま永遠につづく努力の日々であろうと生きていけるほどの希望のパワーフレーズです。
それに基づいた利他の実践に生きる姿を、私は否定するものではありません。それはきっと生命力にあふれ充実した満足に満ちておるでありましょうや。

しかし、ソーカは広い。
それは違うだろ・

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