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#古典落語

落語「子ほめ」について

落語「子ほめ」について

一 噺の話

なにはさておき、そもそも「子ほめ」とは何なのか。いきなり大枠の部分から論じてゆくことにする。基本的に、まずもって言えることというのは、「子ほめ」というのは、古典落語の演目のひとつであるということである。よって、それ以外の「子ほめ」については、ここではひとまずおいておくことにする。ここでいう「子ほめ」とは、実際の子育ての方法や子供の褒めかたや叱りかたとは、何も関係がない。つまり、落語の

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日曜日の落語

日曜日の落語

2022年10月16日
TVK「浅草お茶の間寄席」
昔昔亭A太郎「堀の内」

九月にチバテレビで放送された回も録画してあったのだけれど、やはり日曜日のお昼に、のんびりと落語を見るのは格別なものがある。そこそこじっくり集中して見れるので、TVKでの再放送のチェックは絶対に欠かせない。ただ、どちらかひとつにすればいいものを、もし見逃してしまったらとか、チバテレビ放送分を録画に失敗してしまっていたら、な

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年末年始 2021/2022

年末年始 2021/2022

12月28日。「徹子の部屋」。ゲスト、タモリ。とても期待していたのだが、密室芸を披露するコーナーは今回なかった。久しぶりに見れると思ったのだが。残念。しかし、芸論的にいえば、あれは、別に年齢を重ねて円熟味を増していったからどうなるというようなものでもないような気はする。だから、わざわざ今のタモリがする必要はなかったということか。まだ頭がぎらぎらてかてかしてたころの方が、たぶん見るからにいかがわしさ

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日曜日の落語

日曜日の落語

2021年11月21日
落語立川流の家元にしてイリュージョニストでもあった立川談志がこの世を去ってから、ちょうど十年が経った。もうそんなにもなるのだ。あまり十年という実感はわかないが。そういわれてみれば、まあそうなのかなと思うくらいだ。しかし、東日本大震災のときには、きっかり十年の節目なのだなという感覚や感慨は、そこそこだがあった。まだ津波の映像とか震災直後の時期の映像などは、あまり好きこのんで見

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日曜日の落語

日曜日の落語

2021年11月07日
TVK「浅草お茶の間寄席」。三遊亭天どんの「宮戸川」。モアイと獣を掛け合わせたような野趣あふれる雰囲気にじわじわと忍び寄る老化の色合いがプラスされ、なんともいえない過渡期の相貌を見せ始めている。ゆえに、いまだギトギト感を残しつつも萎びている初老風の造形というのは、今でしか味わえないものなのかもしれない。そう考えると、そこそこ貴重か。でもまあ、噺家なのでどう見えていようがどう

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日曜日の落語

日曜日の落語

2021年10月24日
「立川志らくの演芸図鑑」。落語のゲストは、柳家花緑。冒頭、志らくが花緑のことを同志と紹介していた。そういえば、かつては志らくと花緑のどちらがいいかなんていうことをよく考えていたものだった。花緑はまだへっぽこに毛が生えたぐらいのレヴェルでしかなかったので、いつになってもきっとこれは志らくには追いつけないだろうななんて思っていたころのことである。それでもいつかは二人で大看板にな

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ワクチン浮世

ワクチン浮世

近ごろのワクチンのお噂であります。聞くところによると、新型コロナウィルスのワクチンというのは、実のところ、あるところにはあるようですな。だが、ないところにはちっともない。異物が混入した不良品も混ざっていたようだが、それを報告するとすぐに代替のワクチンが届けられるという。出てくるところには出てくるわけです。ないところにはこないというのに。自治体の接種の予約はずっと埋まったままで、なかなか予約ができな

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「子ほめ」ろん

「子ほめ」ろん

TVK「浅草お茶の間寄席」にて、桂歌春の「子ほめ」を聞く。まずは楽屋インタヴューでの「チバテレビさんは東北新社みたいなもの」発言が物議を醸しているとかいないとか。ただし、おそらくは子供が接待要員をやらされている家庭というのはそうは多くないと思われるので、これは誰も傷つけない(はずの)ギャグであると判断することができる。
本題の「子ほめ」に関しては、噺が終わった後にしばらく時間が経ってから気づいたこ

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