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宛先のない手紙 vol.2

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ほぼわたしの考えを垂れ流すエッセイのようなもの。その2。
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2019年7月の記事一覧

広くて狭い、愛しき世界

広くて狭い、愛しき世界

“ネット越しの人”がリアルに付き合いのある人よりも近しく思えたことがある。高校2年生の頃のことだ。

何でその場を知ったのかは憶えていない。とある未成年、若者向けの掲示板で、わたしは彼女に出会った。

遠く離れた広島県に住んでいる子で、年は三つ下。たまたま出会ったわたしたちは、互いの恋愛相談を中心に、さまざまな話をしていた。

当時、わたしは誰にも自分の恋愛話をしたことがなかった。ひとりに言うと、

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グレーのグラデーションを許すこと

グレーのグラデーションを許すこと

スマホがあれば、(時におかしなことになるときもあれど)最短ルートをいつでもどこでも調べられるようになった。効率的なことが是とされて、すぐ得られる答えがもてはやされている。

長い文章を読まない人が増えているといわれ、欲している答えをいの一番に書くことが推奨される。結論しか読まれないから、はじめに答えがわからないと離脱されるから。何なら見出しで答えを述べる。現代人は忙しいから。

ただ冗長なものや蛇

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だから、言わないでいよう

だから、言わないでいよう

小型犬ほどよく吠える。大型犬のような自信がないからだそうだ。祖父母は犬を飼っていたけれど、わたしはあいにく飼育経験がないから、真偽のほどはわからない。個体差やしつけ次第なんじゃないの? とも思っている。

ただ、人は自信に満ち溢れている人ほど吠えないような気がしている。精神的に余裕があればあるほど、細かいことに目くじらをたてる必要がなくなるのかもしれない。



ひたりひたりと不安が忍び寄ってく

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インタビューメディア「ミチイロ」をはじめて。

インタビューメディア「ミチイロ」をはじめて。

先日、こんなことやるよーとnoteに書いた。

無事、先日7日に開始。小さな一歩を踏み出した。

わたしはTwitterの固定ツイートに、以前からこんなことを提示している。

1年と少しが経過した今も、わたしには書くことしかない。ここに「聞くこと」が加わってできたのがミチイロだ。



人のことをコンテンツのネタにする、ということに抵抗感がある。だから、基本的にわたしが個人で書くものは「わたし

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理想は、ふんわりがいい

理想は、ふんわりがいい

何かをはじめるとき、そこには何かしらの理想がある。

築きたい家庭像、描いていた夫婦関係や親子関係、自分のキャリア。確固たるものではなくとも、何となくの理想を抱いている人の方が多いように思う。

むしろ、理想はぼんやりしているくらいの方がいいのかもしれない。



友人の子どもが、担任の一存で作文を発表するはずだったところを別の子に変えられたと聞いた。聞いただけだから一方的な判断はできないけれど

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7月7日。七色の日に未知の色を届け始めます

7月7日。七色の日に未知の色を届け始めます

2018年1月。参加したノオト主催のライター交流会で、わたしは目標にこんなことを書いた。

「市井の人に話を聴きに行く仕事をしたい」

当時、すでに取材の仕事をしはじめていた。お店や、病院や、地域で活動する団体。どれも「市井の人たち」だ。

今は市井の人といえども、SNSで突如著名人になる(なってしまう)可能性がある。だから、どこまでが市井の人なのかといわれると、なかなか難しいなあとも思う。

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