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限りなく透明に近いブルー
最近は作家というより良く判らないポジションにいる村上龍のデビュー作。
元々は同じ性の村上春樹から入り、同時代に注目を浴びた村上龍の作品に興味を持ち、読むならデビュー作からと思い、タイトルの美しさにも惹かれて手に取った本。
内容はタイトルとは裏腹に麻薬・セックスにおぼれ、日々の目標を探す若者の日々を描いたもの。これをヒッピー文化を描いた物とか、繊細な文章で表現しているとか、若者の葛藤を描いていると
岳物語 / 続岳物語
どちらも作家の椎名誠の作品で息子「岳」について書かれた本。
一時期子供を育てるための方法が書かれた「教育本」の様に扱われていたこともあるが、続岳物語のあとがきで書かれているように、この本は父親の椎名誠と息子の岳との友情物語として読むのが正しいと思います。
息子との出来事を父親の目線で書かれており、それらはどれも息子と正直に向き合っている姿であり、共に冒険をして成長している。このような姿勢が、なか
光の教会 安藤忠雄の現場
安藤忠雄の代表作の一つである「光の教会」についてのノンフィクション作品。施主が教会を建てようと考えたところから竣工・その後までを施主・建築家・工務店など色々な目線で書かれている。特に設計事務所の担当者、工務店の現場所長からの目線も多く書かれていて、建築家目線だけの一方的な話しでも無いし、逆に施主目線だけの話しでも無い。建物を中心としてしっかりとそれぞれの想いが描かれている。
この建物は学生時代に
世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド
村上春樹による1985年発表の長編小説。ファンの中では一番の傑作と言う人も多い。
2つの物語が交互に書かれており、それらがリンクして全体を構成している。
最初は題名が個性がありすぎるので敬遠していた感じがあったが、書評に惹かれて手にとって見ることに。たまたま他で読んでいた建築家の磯崎新関係の本で出てくる話題から、現都庁のコンペ頃に発表された本であることが判り、一気に親近感が沸きはまりました。
ま
平家物語-現代語訳-
祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり…
有名なこの一文で始まる平家物語、西暦1100年頃からの平家の栄華と没落を描いた物語です。調べてみると軍記物として扱われるらしいです。
今までに戦国時代と明治維新の本を中心に読んできて日本史全体に興味を持ち、その最初の文献で有る「日本書紀」「古事記」を読みましたが、今回の平家物語はそれに続く形で読みました。
歴史的には大和大国や聖徳太子、大化の改新、平将門
ル・コルビュジェとはだれか
この本はコルビュジェについて具体的に書かれた本ではなく、著者の磯崎新が今までにコルビュジェについて書いた短編を集めた本です。
なので、コルビュジェについて細かく色々と知ろうとか、自伝的なものを期待すると全然違う内容に落胆すると思います。
一応年譜みたいなのはありますが。
個人的に今、磯崎新にはまっているので、磯崎氏のコルビュジェに対する考え方が判り、面白く読んだのですが、純粋にコルビュジェの本と