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廣瀬 武士/廣瀬建築設計事務所 本と気付いた事が殆どです。建築の話は適当にします。 基…

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廣瀬 武士/廣瀬建築設計事務所 本と気付いた事が殆どです。建築の話は適当にします。 基本的に個人のメモ帳です。

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最近の記事

ぱいかじ南海作戦

椎名誠の本。先に「岳物語」を読んだが、恐らく「岳物語」は著者にとって特別な本で、他の作品と比べたら異色だと思いこの本を読んでみる事に。椎名誠の場合は作品数も多く、内容も多岐に渡るのでどれを読んで良いか迷ったが、手にとって裏のあらすじを読んでなんとなくで購入。多分次からも同様にどれを読もうか迷うと思う。 内容は南の島でほぼ自給自足の良く判らない関係の共同生活を送ると言うもの。小説なのでドキュメントのようなとても厳しいものは無く、面白そうな生活が描かれている。 描写の仕方に著者

    • 線路のない時刻表

      鉄道関係の著書で有名な宮脇俊三の本。計画され工事が行われ、もう少しで開通するローカル線が、赤字削減の為に計画中止となり不通となってしまう区間を著者が国鉄などの協力を得て訪問し歩き、架空の時刻表を作って想像するという内容。 最近の鉄道オタクの様な押し付けがましい表現も無ければ、難解な専門用語も無い。普通に鉄道好きのおっちゃんによる旅行記として読むことができる。 個人的にはオタクでは無いが、鉄道は好きで、新幹線より各駅停車を好む傾向にあるので、この本はとても面白く読めた。 宮脇

      • 限りなく透明に近いブルー

        最近は作家というより良く判らないポジションにいる村上龍のデビュー作。 元々は同じ性の村上春樹から入り、同時代に注目を浴びた村上龍の作品に興味を持ち、読むならデビュー作からと思い、タイトルの美しさにも惹かれて手に取った本。 内容はタイトルとは裏腹に麻薬・セックスにおぼれ、日々の目標を探す若者の日々を描いたもの。これをヒッピー文化を描いた物とか、繊細な文章で表現しているとか、若者の葛藤を描いているとか評価されている部分もありますが、個人的にはそれらは現在の若者を同じ様に表現した

        • 岳物語 / 続岳物語

          どちらも作家の椎名誠の作品で息子「岳」について書かれた本。 一時期子供を育てるための方法が書かれた「教育本」の様に扱われていたこともあるが、続岳物語のあとがきで書かれているように、この本は父親の椎名誠と息子の岳との友情物語として読むのが正しいと思います。 息子との出来事を父親の目線で書かれており、それらはどれも息子と正直に向き合っている姿であり、共に冒険をして成長している。このような姿勢が、なかなか自分をさらけ出して試行錯誤しながら子供と正直に向き合えない大人が増えた時代に

        ぱいかじ南海作戦

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        • 読んだ本
          20本

        記事

          村上朝日堂

          最新作「1Q84」でまた注目を浴びている村上春樹の短編集。初期の作品です。 デイリーアン?日刊アルバイトニュース?どの名称が一番伝わるのか判りませんが、雑誌の連載をまとめた物です。 殆ど2頁で1話の形態で書かれています。文章もとても簡潔に書かれていて、長編小説での文体とは全然違い読みやすいです。 好き嫌いをはっきりと言い、かと言ってその書き方は最低限のラインを守りながら読み物として楽しめる文章になっています。 小説の時のように比喩を使って隠れた意味を含むのではなく、単純に

          村上朝日堂

          建築をめざして

          ル・コルビュジェの有名な著書。 とりあえず建築を志す、やっている者ならば読むべき本だと思います。 恐らく原本が書かれたのが1926年だと思いますが、確かに現代から見たら古い本です。当然その間に建築の考え方も変わっていますし。 しかしそんなことは関係無く読むべき本だと思います。 ル・コルビュジェは音楽で言えばビートルズと同じだと思うのですよ。 現代音楽でビートルズが避けれらないのと同じように、現代建築ではル・コルビュジェは避けられない存在だと思います。それ程影響力があります。

          建築をめざして

          光の教会 安藤忠雄の現場

          安藤忠雄の代表作の一つである「光の教会」についてのノンフィクション作品。施主が教会を建てようと考えたところから竣工・その後までを施主・建築家・工務店など色々な目線で書かれている。特に設計事務所の担当者、工務店の現場所長からの目線も多く書かれていて、建築家目線だけの一方的な話しでも無いし、逆に施主目線だけの話しでも無い。建物を中心としてしっかりとそれぞれの想いが描かれている。 この建物は学生時代に直接訪れた事が有り、その建物の雰囲気も知っている。だからこそこの本で書かれている

          光の教会 安藤忠雄の現場

          ほんとうの環境問題

          養老孟司氏と池田清彦氏による環境問題に対する本。それぞれが1章を受け持ち、最終章で対談してまとめられている。 取り上げられている事は、地球温暖化や京都議定書・ゴミ袋問題・ペットボトル問題・エネルギー問題など色々。 内容としてはそれぞれの問題について改善策を考えるというより、それに対する考え方、それも色々なことを含めた大きな視点からの考え方を述べています。 CO2排出量などでも日本がいくら頑張っても、その頑張りを比べにならない位に無駄にする勢いで中国などが排出している。また

          ほんとうの環境問題

          世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド

          村上春樹による1985年発表の長編小説。ファンの中では一番の傑作と言う人も多い。 2つの物語が交互に書かれており、それらがリンクして全体を構成している。 最初は題名が個性がありすぎるので敬遠していた感じがあったが、書評に惹かれて手にとって見ることに。たまたま他で読んでいた建築家の磯崎新関係の本で出てくる話題から、現都庁のコンペ頃に発表された本であることが判り、一気に親近感が沸きはまりました。 まだ村上春樹の本はさほど読んでいないのですが、今のところ一番の本です。次点は「国境

          世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド

          平家物語-現代語訳-

          祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり… 有名なこの一文で始まる平家物語、西暦1100年頃からの平家の栄華と没落を描いた物語です。調べてみると軍記物として扱われるらしいです。 今までに戦国時代と明治維新の本を中心に読んできて日本史全体に興味を持ち、その最初の文献で有る「日本書紀」「古事記」を読みましたが、今回の平家物語はそれに続く形で読みました。 歴史的には大和大国や聖徳太子、大化の改新、平将門などがあるのですが、これらは古過ぎて諸説有り過ぎているため、まだ古代に対して疎い

          平家物語-現代語訳-

          現代語訳 古事記

          日本書紀と並ぶ日本の歴史書の始まりとされる「古事記」、それの現代語訳です。 先に紹介した日本書紀と同じシリーズで、同じ訳者なのでそのままの流れで読めて判りやすいです。 読んで初めて判ったのですが、古事記と日本書紀は殆ど内容と言うか、方向性が同じです。 どちらかと言うと古事記の方が読みやすいと思います。 なので興味の無い人や時間の無い人はどちらか一つを読めば良いと思います。 まあ、興味の無い人はそもそも読まないと思いますけど。 日本の場合宗教と言うのを意識しないことが多いで

          現代語訳 古事記

          プラトン入門

          タイトル通り哲学者プラトンの「哲学」についての入門書。 プラトンの代表的な著書と、代表的な考え方「イデア」について本当に丁寧に初歩から説明してあります。 プラトンでもニーチェでも哲学者について入門書を書く場合、どうしても「哲学」自体の考え方や説明が必要になるのですが、それについてもこの本は書かれています。 初めて哲学を学ぼうとした時は哲学者によってその考え方が違うのも判りませんし、そもそも哲学に違いがあるのすらわかりません。 ですから本当は「哲学入門」みたいな本が欲しいと

          プラトン入門

          風の歌を聴け

          村上春樹のデビュー作。 学生の夏休みの一区間を描いている作品。 だからと言って、海や山など行って浮かれた描写は一切無く、淡々とした日々を描いています。 この頃から今の文体は感じられます。 丁度電車にのって1時間半。 個人差は有りますが、このくらいで読めます。 この時間が多いのか少ないのか、払った時間と比べて得るものが多いのか少ないのか。 個人的にはCDの「ジャケ買い」ではないですが、タイトルだけで読んでみたい本です。 (初投稿2010.1.17)

          風の歌を聴け

          日本書紀 現代語訳

          日本最古の歴史書である「日本書記」の現代語訳です。 色々歴史を勉強してきて、結局は一番大元を学ばないと始まらないなと感じたため読みました。 宗教書ではないですが、日本の神教の大元になる本になるのかな? キリスト教で言う聖書みたいな感じです。 一番最初に神様が出てきてどんどん沢山神様が増えていきます。 ここら辺が一神教のキリスト教とかと違っていて、名前を覚えるのが大変です。 まあ、今までに聴いた事の有るような名前だけを覚えていけば、読む分には困りません。 始まりは他の宗教の

          日本書紀 現代語訳

          ル・コルビュジェとはだれか

          この本はコルビュジェについて具体的に書かれた本ではなく、著者の磯崎新が今までにコルビュジェについて書いた短編を集めた本です。 なので、コルビュジェについて細かく色々と知ろうとか、自伝的なものを期待すると全然違う内容に落胆すると思います。 一応年譜みたいなのはありますが。 個人的に今、磯崎新にはまっているので、磯崎氏のコルビュジェに対する考え方が判り、面白く読んだのですが、純粋にコルビュジェの本として捉えると好き嫌いが分かれると思います。 (初投稿2010.1.8)

          ル・コルビュジェとはだれか

          五重塔

          この本は1927年に書かれた本で、五重塔を建てる一人の一途な職人の事を描いた本です。 普段はのっそりとしていて、動きも遅く、気も回らず、もちろん金儲けなどは全くできず、しかし腕だけは自信が有る若い職人が「谷中感応寺の五重塔を自分が建てたい」と思う一心で突き進む話しです。 どうやら色々調べると結構な「傑作」として扱われているのですが、自分はこの本を安藤忠雄が薦めていたことで知りました。 安藤忠雄の本で2回くらいこの本ともう一冊の本を薦めていて、普段は「建築をする上で必要な本を

          五重塔