岳物語 / 続岳物語

どちらも作家の椎名誠の作品で息子「岳」について書かれた本。
一時期子供を育てるための方法が書かれた「教育本」の様に扱われていたこともあるが、続岳物語のあとがきで書かれているように、この本は父親の椎名誠と息子の岳との友情物語として読むのが正しいと思います。

息子との出来事を父親の目線で書かれており、それらはどれも息子と正直に向き合っている姿であり、共に冒険をして成長している。このような姿勢が、なかなか自分をさらけ出して試行錯誤しながら子供と正直に向き合えない大人が増えた時代に「子育てバイブル」の様に扱われた原因だと思います。
しかし読んでいくとやっている事は特別ではなく、父親として息子への接し方に悩み、考え、不安になりながら接しているのが分かります。これは子供に限らず、人と接する方法に正解やマニュアルは無いのですから、当然の事だと思います。そしてそういった不安などを自分の力で切り開いた先に結果が付いてくるのだと思います。

このように書くととてもシリアスな内容に思えますが、基本的には椎名親子とカヌーイストの野田知佑を中心とした遊びの事が書かれています。しかしその自然を中心とした遊びは現代ではなかなか目にすることが無いので、それを知ることだけでも読む楽しさがあります。

まだ自分には子供がいないですが、子育てに対する大切さを知ることが出来ました。しかしそれはこの本での事を真似るのではなく、真剣に向き合うと言うことです。
休みの日にゴロゴロしていてはいけないと言う事です。
(初投稿2010.7.1)

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