世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド

村上春樹による1985年発表の長編小説。ファンの中では一番の傑作と言う人も多い。
2つの物語が交互に書かれており、それらがリンクして全体を構成している。

最初は題名が個性がありすぎるので敬遠していた感じがあったが、書評に惹かれて手にとって見ることに。たまたま他で読んでいた建築家の磯崎新関係の本で出てくる話題から、現都庁のコンペ頃に発表された本であることが判り、一気に親近感が沸きはまりました。
まだ村上春樹の本はさほど読んでいないのですが、今のところ一番の本です。次点は「国境の南、太陽の西」かな、「風の歌を聴け」も好きだけど。

個人的な好みですが、この本は村上氏の書く性描写がくどくなく好きです。村上氏の書く「性」は「生」への隠喩と言う意見もありますが自分としては好きでは有りません。
自分がまだ文学に対して入門レベルだからかもしれないですが、隠喩とかの回りくどい表現方法がなかなか理解できません。まあ、これを理解できないと文学は理解できないと考えていますが。

話の内容はSF的でありながら淡々ともしていると自分は感じました。しかし一気に読めてしまう勢いもあります。
自分としては映像化して欲しいと思った始めての本かもしれません。
読んでいない人には是非読んで欲しいと思う本です。
(初投稿2010.4.5)

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