五重塔

この本は1927年に書かれた本で、五重塔を建てる一人の一途な職人の事を描いた本です。
普段はのっそりとしていて、動きも遅く、気も回らず、もちろん金儲けなどは全くできず、しかし腕だけは自信が有る若い職人が「谷中感応寺の五重塔を自分が建てたい」と思う一心で突き進む話しです。

どうやら色々調べると結構な「傑作」として扱われているのですが、自分はこの本を安藤忠雄が薦めていたことで知りました。
安藤忠雄の本で2回くらいこの本ともう一冊の本を薦めていて、普段は「建築をする上で必要な本を自分で探し出す事から建築は始まっている」と言い、具体的な本を薦めないのが、あえてこの本を薦めていたので興味を持ちました。

読んでみるとなぜ安藤氏が薦めたのかが判りましたし、安藤氏の仕事振りと重なるところも多々あります。
一生懸命、一心不乱などと言えばそれまでですが、実際にそれをする大変さなどは計り知れません。
しかしやはり、仕事をする上ではそれが一番大切なのだと教えられます。

文章自体は形式は知りませんが、古い日本語で書かれているので、最初コツをつかむまで読みづらく感じるかも知れません。
でも、社会人で普通に日本語を使っている人なら読めると思います。
(初投稿2010.1.5)

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