1921年出版。政府の有力者である温家宝元首相の妻に食い込み、「関係」(政府の大物たちとのコネ)を駆使し中国で巨万の冨を築いた筆者とその妻の回顧録。有名な政府高官が実名で登場し、彼らとその親族がどのように蓄財したのかがインサイダーの視点で語られる。中国の超上流階級である「赤い貴族」の都合や利権ですべてが運営され、法治主義がなく高官であっても簡単に粛清されてしまう有様が描かれている。以前読んだ「国際指名手配 私はプーチンに追われている」の中国インサイダー版のような感じで、独裁主義国家の恐ろしさが痛感できる一冊。
(2023年11月20日)