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人生を変える10の質問|人生の充実度・幸福度・満足度を上げるには?|短期的視点と長期的視点

個人の主観的幸福

世界経済フォーラムの「世界幸福度ランキング2022」によると、日本は先進諸国の中で最低の順位が付けられています。その内訳を見てみると、客観的ウェルビーイング(国民一人当たりGDPなどの指標を参考に客観的に示した結果)よりも主観的ウェルビーイング(個人が自分の人生の充実度/幸福度/満足度を評価する)が低い水準となっています。

もう一つ、興味深い情報をお伝えしたいと思います。慶應義塾大学大学院の前野隆司教授が紹介するデータでは、幸福感とパフォーマンスの関係性は「幸福度の高い社員の創造性はそうでない社員と比較すると3倍、生産性は131%で、業務上の事故は70%少ない」という結果が出ているそうです。

では、個人の主観的幸福を増幅するためにはどうしたらいいのか?このテーマについて今回は語っていきます。以下は、自分に問うてほしい質問10個です。最大5点でそれぞれ点数を付けて、現状を把握した上でより高い充実感を得られるようにしていきましょう。

1.ちゃんと寝られていますか?

充実感を感じるためには、その土台となる身体が機能していなければいけません。なぜなら、幸せホルモンと言われる神経伝達物質が効果的に働くためには分泌しうまく運ばれる必要があるからです。

その上で、最も重要なのは睡眠。自分に適した時間寝ることができたか、睡眠に際して課題を解決できているか(入眠困難など)ということが自身の健康状態と精神の幸福度に直結してきます。

2.食べすぎず少食すぎず、少し運動をしていますか?

過食も少食も、心身が疲れる原因となります。特に、現代人は消費エネルギーに対して摂取エネルギーが多い傾向があり(本国の豊かさゆえ)、食べすぎないことが重要となってきます。また、身体や幸せホルモンの材料となる栄養バランスも重要です。

そして、少し運動をすることは健康状態や精神に対して驚くべき効果をもたらします。例えば、朝に日光を浴びながら散歩をすると、最も重要で生活の基盤となる幸福感をもたらすセロトニンが出てきます。ランニングをしたり、運動をしているとエンドルフィンという幸福ホルモンが出てきたり、その他様々な物質を分泌します。

食事や運動に気を遣うことで、健康を増進し、その上毎日幸せな感覚を得ていくことができるということです。

3.日々、少しでも他人とコミュニケーションを取っていますか?

人とコミュニケーションを取ったり、例えば仕事において間接的に喜んでくれるお客様を想像して人との繋がりを感じたりすることで、「オキシトシン」という幸福ホルモンが出ます。セロトニンの次に重要な物質はこのオキシトシンです。また、これらの幸福ホルモンは相互に作用することもあります。

4.親切や優しさを他人に与えていますか?他人に感謝していますか?

アドラー心理学では、「幸せとは何か?」という問いに対して「幸せとは貢献感である。」と答えます。誰かに対して自分が貢献している、役に立っていると感じることこそが幸せであるということです。香港大学の研究においても、小さな親切や社会奉仕活動などが個人の幸福感に寄与するという調査結果が出ています。

そのように、親切や優しさを人に与えるということと、それに対して「感謝する」「ありがとうと言う」というのはセットのようなものです。実際、他人や環境に感謝を言うことで、幸福度は上昇します。カリフォルニア大学の研究では、被験者に10週間に渡り、何かの対象に対して感謝したことを毎週5つ書かせました。すると、幸福度が25%上がり、健康に関する悩みも逓減したとのことです。感謝は幸せホルモンの分泌にも関与します。

5.何かに対して夢中になれていますか?趣味や作業などに没頭している時間はありますか?

マインドフルネス瞑想というものがあります。これは、自分の現在の呼吸に集中し、目の前の呼吸だけに没頭することで、自動的に出てくる思考を排除して脳に良い効果をもたらすというものです。これは、何もしていないことによる没頭・集中です。

次に、何か行動に対して没頭・集中することを考えたいと思います。例えば、映画を見るのが趣味ならば目の前の映画を観ることに対して没頭・集中する。言い換えると、没入感・臨場感を目の前の映像に感じながら観ることで、何にも代えがたい充実感を得ることができます。

呼吸に集中するでも、映画を観るのに集中するでも、好きなYouTubeに没頭するでも、スポーツ・運動に没頭するでも、絵を書くことに集中するでも、文章を書くことに集中するでも、バイトや仕事に集中するでも、勉強に集中するでもなんでもいいので、過去や未来の余計なことを一切考えずに眼前の行動に集中することが幸福感増強のために重要です。

6.小さなことでもいいので達成感を感じられていますか?

掃除をしたり、料理を作ったり、宿題をやったり、ウォーキング・ランニングしたり、筋トレをしたり、洗濯物を干したり、やらなければいけないタスクを片付けたり、朝起きれないけど体を起こしてみたり、本当に小さいことでもいいので面倒なことをやっちゃって達成感を感じることが重要です。

小さなことでも成功すると、「自分はできる」という自己効力感が毎日増えていき、その上ドーパミンという強力な幸福ホルモンが出てきます。生き生きとした感覚やドキドキ楽しい感覚を得ることができる物質です。

それに加えて、大きな目標、例えば「志望校に合格する」「仕事でプロジェクトを成功させる」「貯金を〇〇円貯める」「就職・転職活動を無事成功させる」「家族と〇〇へ旅行に行く」「恋人を作る」「毎日運動を2分する」「少し摂取カロリーを減らしてダイエットを成功させる」などの大きな目標も長期的に達成していけたらなお良いです。毎日の充実度がかなり上がるはずです。

7.自分が好きなこと、やりたいことをする時間は取れていますか?ワクワクする体験はできていますか?

没頭・集中・夢中になることと少しかぶるのですが、映画を観る、好きなYouTubeを観る、スポーツ・運動に没頭する、絵を書くことに集中する、自分の好きなモノを買う、色々なワクワクする体験をするなどといった自分の「好き」を満たす体験をすることが大切です。それを生活のなかで生きがいとすることができれば、日々頑張れるし充実した生活を送れると思います。

8.自分が大事だと思うことを叶えられていますか?重要だと思う価値観を人生に反映させられていますか?

例えば、「家族を大切にすることが最も大事」と言うならば、休日くらいは家族と時間をたくさん過ごせるようにしたほうがいいですし、「仕事が一番大事」と言うならば、仕事にとことん打ち込んだら良いと思います。「遊びこそが自分の生きがい」と言うならば遊びをとことんやればいいですし、「勉強に集中したい」と思うならば勉強を最優先にしたらいいです。

ここでポイントとなるのは、自分が重要だと思う価値観に優先順位をつけることです。人は選ぶに選べない生き物です。何かを断り、もう片方をするというふうに決めないと、すなわち「決断」をしないと行動に移せません。どっちつかずで自分の行動を決める「軸」を持っていなければ何1つも大切にすることはできません。

自分の行動の「軸」となり、「羅針盤」となる重要だと思う価値観の優先順位を考えることで、長期的に見て充実した人生を作っていけるのです。なので、自分の中で大事にしたいことをよく考えて、記し、可視化しておくことが重要です。そして、長期的に見た人生の中でそれだけは絶対に譲れないものとして大切にしていくんです。

ちなみに、私に価値観の優先順位は健康→幸せ→成長→感動→リラックスという感じです。仕事か家族かでいったらどちらかというと家族の方が優先順位が上ですし、遊びか勉強かでいったらどちらかという勉強の方が優先順位が上です。

9.自分や他人、過去や周りの環境を許せていますか?

始めにも話したように、重要なのは「個人が主観的に感じる幸福」です。そこで主観的幸福の妨げとなるのは、幸せを邪魔するマインドセット、すなわち「許せない」という感情です。この負の感情が現実を捉えるフィルターとなって、良いことがあってもマイナスな事象に捉えてしまうことになります。

まずは、不完全な自分が許せないという感情を乗り越えましょう。自分の欠点や不安は認識しながらも、それを仕方のないことだとして「自己受容(ありのままの自分を受け入れる)」し、肯定的・楽観的な思考を以て「こんな自分でも大丈夫」「なんとかなる」という根拠のない自信を持ちましょう。そして、過去の失敗も、過去のいさかいも、過去のいざこざも全部今の自分の一部だとして受け入れる。

次に、こんな嫌なことをしてきた/してくる他人・環境のことを許せないという感情を乗り越えましょう。許せない感情や怒りの感情は自身のメンタルに多大な影響を及ぼします。心と体に非常に悪い影響なんです。なので、他人がそのような言動に至った背景に想像力を巡らせながら、仕方がないとして「許し」というプレゼントを与えましょう。悩まなくて良いことで悩まない。

10.肯定的・楽観的なマインドセットを持てていますか?

肯定的・楽観的なマインドセットは最も重要な要素です。現実をプラスに捉え、良い方向へ向かうという見方をすることができる「癖」が付けば、どんどん幸せ、嬉しい、楽しいの源泉は増えていきます

とにかく、幸せというのは私という主体が、主観的な価値観で捉えた感覚でしかないんです。なので、楽しい色眼鏡をかけているなら、そこで現実を捉えて感じる感情も楽しくなる。肯定的・楽観的なマインドセットこそが最重要なんです。

精神科医の樺沢紫苑先生が推奨している、「自己受容の日記」というものがポジティブなマインドセットの特訓に役立つので紹介させてください。まずはその日にあったネガティブなことを一行書き、それに対するフィードバックも一行書く。

そしてその後に一日のポジティブな振り返りを三行使って書いて、最後に一日を総合的に見たフィードバック(感想とプラスで続けたいことなど)を一行書く。これに取り組むことで、ネガティブなことに向き合いながら、マイナス<プラスの肯定的・楽観的なマインドセットが身につくはずです。

【幸福への短期的な視点】

明るい気分で、毎日楽しく充実した生活を送っている自分を想像してみてください。今回の10個の質問にフィードバックをして、最大5点に近づいていけるように行動を取っていけば、かなり充実した生活を送ることができると思います。

あなたが幸せを感じていて、そしてあなたと一緒にいる人がその幸せを感じ取って一緒に幸せになる。そんなふうに幸せの繋がりができる好循環を作り出すことができるんです。

特に、目標・集中・健康・貢献などの要素は、短期的に見ても間違いなく成果に繋がり、自身に繋がり、そして長期的な幸福にもつながっていきます

【幸福への長期的な視点】

加えて、長期的な幸福を築いていくためには、「必ず大切にしたいものは何か?」「それを叶えること、守ることはできるのか?」ということが最も大事です。自分の理想の人生像を考えたときに、絶対に譲れない優先度の高い価値観を実際に重視した人生を送る。そうすることで、自分の人生の「意味」を、自分にとってオーダーメイドの人生の「成功」を掴むことができるんです。

そのようにして自分だけの充実した人生を作り上げるのが人生の目的であると私は考えています。なので、自分が幸せな姿を他者に波及させながら、他者との関わりの中で幸せを作り出していく。そんな楽しく幸福な人生を、ここまで長い記事を読んでくださったみなさんには送っていってほしいです。今回の記事で少しでも幸せのヒントを皆さんに感じてもらえたなら最高に嬉しいです。ぜひ実践してみてください!!


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