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言語と思考の枠組みが現実世界を規定する|価値観や世界観で「観え方」が変わる|How lanugage shapes the way we think


"How lanugage shapes the way we think"

上に載せたのは、最近視聴してとても興味深かったTEDのスピーチです。以下の例1と例2で、動画内で紹介されていた例について触れて、その後私の考える事例を紹介します。それぞれの人の言語と思考の枠組みで現実世界の捉え方は変わってくるのだということを伝えられたらなと思います。

What we know about the human mind is actually incredibly narrow and biased=人間のマインドは(良い意味でも悪い意味でも)バイアスがかかり狭められている

例1~例3では「世界観」について、例4では主に「価値観」について説明しています。

例1:色の観え方

色の印象は世界共通ではない。明るい色、暗い色としか言語を通して認識しない(区別しない)国もあるし、細かく定義づけしより繊細に色を捉えられる国もある。

日本では水色や藍色などとして青色をより繊細に捉えることができるが、世界各国、これとはぜんぜん違う捉え方をしたりする。言語が変われば、観え方も変わるということ。

例2:女性名詞と男性名詞

「橋」という単語がヨーロッパの言語において、ある国では女性名詞として存在していて、ある国では男性名詞として存在している。

女性名詞としての「橋」はどのように形容されるか?「綺麗だ」「美麗だ」などといったイメージを持って説明されることが多いらしい。(ドイツ語)

男性名詞としての「橋」はどのように形容されるか?「頑強だ」「大きい」などのイメージで説明されることが多いらしい。(スペイン語)

例3:星空の観え方

ここからは動画内であった例ではないが、星空の観え方について言及したい。

オリオン座や冬の大三角、北斗七星などといった星座を知っている人ならば、多くの星が輝いている星空を、より意味を持った景色として捉えることができる。

人間は知識や経験を介在して新たな体験を得ていくため、良い意味でも悪い意味でも何かしらの先入観を持って現実と対峙している。

例4:個人の人生における大事なことを判断するのは価値観

人それぞれ、考える基準が違う。まず、ここまでの例では言語の違う国の間の、世界の観方の違いを見てきた。

そしてここでは、同じ言語を用いる人々の間でも、それぞれの知識や経験、価値観が違うことにより「現実世界を規定する言語と思考の枠組み」が異なることを示したい。

少し話がずれるかもしれないが、生活の中で言語や観念によって個人の核となる中心の部分が形成され、それを通して世界を認識しているということに基づいて、話を進めていく。

私たちはたまに、他の人の感覚に違和感を感じて異議を唱えることがある。例えば、基本的に他人に興味が無い人と、他人に大いに興味がある人が一緒にいたとする。

そのとき、あまり他人に興味がない人は、相手の話を、自分の興味のある話題以外はそこまで注意して聞かない。

そして、他人に興味がある人は、相手のそのような態度を理解できず、なぜちゃんと自分の話を聞いてくれないのかと思う。度々喧嘩に発展する。

理解しやすいように極端な例を出したが、次は「A」というアーティストに興味がある人とない人がいるとする。

「A」に興味がある人は「A」の話をしたいが、興味がない人は「A」の話をしたくない。いつだって人間関係の中では、このようにコミュニケーションの利害が対立する場面がある。

ここで、本当の意味での「他者理解」が求められる。相手が「A」に興味があることを洞察する。相手が「A」に興味がないことを洞察する。そして、少し相手側に歩み寄る。

その時初めて、その二者間では程よいコミュニケーションが取られることとなる。「A」の話題に偏りすぎないが、「A」の話題に全く触れないわけではない。

相手が「A」のことを好きな気持ちを蔑ろにせず、「A」に興味がない相手を責めず巻き込みすぎない。

言語は共通であっても、それぞれ人の知識や経験、価値観が違うことにより「現実世界に価値を付与する言語と思考の枠組み」は全く異なる。

相手がどのような価値観を持っているのか。家族を大事にしたいのか、仕事を大事にしたいのか、趣味を大事にしたいのか、健康を大事にしたいのか。人間関係において常に相手の大事にしている要素を考えることで、相手との適度な利害調整がなされる。

相手が本当に欲しいものはなんなのか。相手(または自分)が大事に思っているものはなんなのか。それが人間関係において重要なことであり、そして自分の人生と対峙する上でも重要なことである。

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