2022/10/03 ロードトリップでイタリアまで旅に出た。
最もの理由は死ぬまでに見たい絵がそこにあったから。
しかし私は極めてわがまま。
見たいもの?死ぬまでに?
ああ、そんなもの、
”一生のお願い”のように湧いて出てくる。
しかし、この絵はこの絵だけは、
見ないで死ぬわけにはいかない絵
だったのである。
その絵を求めてこの日私は
朝からヴァチカン美術館の長蛇の列に立った。
1時間半後、ようやくこの球体を目にする。
しかし、今回私はわがままに、
自分が見たかった作品
感動した作品にだけ触れようと思う。
『天井画、絵画、フレスコ画部門』
『建築構造部門』
『 彫刻部門』の3つに分けていきたい。
天井画、絵画、フレスコ画部門
この絵を見た時に思った。
建築構造部門
この部屋自身はミケランジェロが設計しており、
半球形の丸天井となっています。
小ぶりな部屋なのに、
圧巻の存在感でしっかり印象に残っています。
彫刻部門
そして共にバチカン美術館に所蔵されている。
アポロ・ベルヴェデーレは、
紀元前4世紀の大理石でできた
このギリシャ神話の神アポロ像。
穏やかで優しく、妖艶な印象に比べ、
この写真のべルヴェデーレ・トルソーは逞しく、
筋肉質で ミケランジェロはこの胴体に感銘を受け、
システィーナ礼拝堂の登場人物の一部を
この胴体で表現したと言われている。
頭上から入る光により陰影が浮き上がり
大変力強く見えました。
つい最近芸術に接着剤で手を
引っ付けプロテストする輩が増えているが、
この彫刻もまた被害にあったばかり。
勘弁してほしいものだ。
訴えは他所でやってくれ。
偉大な芸術に安易に触れるなんて
もはや罰当たり甚だしい。
最後に…
私が死ぬまでに見たい作品
そう、『アダムの創造』(Creazione di Adamo)である。
この作品は1511年ごろの作品で、
旧約聖書の『創世記』に記された神が、
最初の人類たるアダムに生命を吹き込む
そんな場面を表現しているとされています。
ミケランジェロは、
システィーナ礼拝堂の天井画制作の完成までに
約4年を費やしました。
何故私がこの作品を死ぬ前に、
そして見なきゃ死ねない絵。
そう思ったのか。
実は亡くなった祖父の影響でした。
私の祖父は伊勢湾台風、戦争を経験していた。
そんな祖父は美空ひばりが大好きで、
私がりんごの歌を歌うと喜んだ。
そんな祖父はどこで得たのか
1枚のポストカードを持っていた。
そこに写っていたのはフランス パリの
ノートルダム大聖堂の写真だった。
そんな祖父は言った。
大人になってから知った、
祖父は戦争孤児だった。
きっと盗みもしたし、
人を騙してでも生き延びたのだろう。
その言葉は重かった。
そしてその日から祖父は私に
時々こんな話をするようになった。
その言葉は
戦争を知ってる人の
地獄を見た人の
重い、重い言葉だった。
しかし、それは叶わず私の祖父は亡くなった。
私は無宗教だし、
なぜ人が生まれたかなんて
その時まで考えたことが無かった。
そして初めて、
学校の図書館でそれらを調べた。
そして出会った絵がこれだった。
『アダムの創造』(Creazione di Adamo)
何故か、祖父の死を
アダムが息を吹き込まれた絵で感じた
図書館の中で涙が溢れた時、私は誓った。
私が祖父の目になり足になり
ノートルダム大聖堂へ行く。
そしてアダムの創造を見に行って、
人が生まれた理由を感じると。
しかし、感じたのは
という人間の悲しい歴史や背景
いや、性(さが)だった
そして今の世界も全く人間は懲りず
各々の正義を背負い奪い合うのだ
知れば知るだけ虚しくなった。
何故人は生まれたのか
私は今もまだわからない。
でもこの絵を見た時、
祖父との会話がリンクし、再会を感じた。
その時私は、幸せで、懐かしかった。
所要時間見込み4時間で計算していたが結果、
5時間以上をここで過ごした。
ヴァチカン美術館。
私にとって思い入が強い場所となった。
どこよりも、祖父に近づける場所。
また、会いに行こう。