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【五輪シミュレーション】観客上限1万人のスタジアム。その雰囲気は?感染対策は?

来月開幕する東京オリンピックについて、大会組織員会などは会場の収容定員の50%以内で1万人を上限とすることを原則に開催することを決めた。

現時点でも賛否両論があり、また詳細も決まっていないことも多く、開催まで1か月を切るというのに不安が多く残っている。

実は、2か月前にこのような記事を書いた。
新型コロナウイルスの変異株が急増し、東京、大阪をはじめとした1都2府1県に緊急事態宣言が発令された4月後半。その時の姿を伝えるために、スタジアムのコロナ対策を記したものである。

果たして…
コロナウイルスの感染は食い止められるのか。
東京オリンピックは無事開催できるのか。
以前のような熱狂のスタジアムは取り戻せるのか。

今の時を記録し次の時代に残すために、スタジアムの現状をリポートし残しておきたいと思う。



この記事の舞台は、浦和レッズのホームグランドである埼玉スタジアム2002。
東京オリンピックでもサッカーの会場にも選ばれている国内を代表する競技場である。
(収容定員は6万4千人)


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オリンピックのメイン会場である国立競技場(収容定員6万8千人)、サッカーの決勝が行われる横浜国際競技場(収容定員7万2千人)と同規模を誇っており、今回の収容上限1万人が適用された際にも、この3つの競技場が同じような対策が取られると想定されている。


前回記事を書いた4月時の観客上限はオリンピックと同じ1万人。(現在は、まん延防止等重点措置の適応で5000人)


今回は、オリンピックとほぼ同じ想定で行われた2か月前の記事を元に、それから2か月間経った直近のJリーグのスタジアムや試合の様子を加えることで、

「1万人のスタジアムとはどういうイメージか」
「コロナ対策はしっかりと取れているのか」
「観客の動線はどうなっているのか」
「観戦するときに何を注意したらいいのか」

などを、多くの方に伝えることができるのではと思っている。



情報が少なすぎるために、世の中の多くの方が持ってしまっている不安や疑問。
このレポートによって、少しでも解消されればと思っている。


上限1万人の試合(まん延防止等重点措置下)

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4月25日に行われたJ1リーグ浦和レッズvs大分トリニータ。
チケット発売後にまん延防止等重点措置が実施されたため、収容上限1万人(実際は発売途中で終了)となっている。

通常走っているスタジアムまでのシャトルバスは走ってなく、電車で最寄りの浦和美園駅まで行ってスタジアムまで15分くらい歩くか、あるいは公共交通機関以外の方法(自家用車や自転車など)で、スタジアムまで来ることも推奨されている。(この時はスタジアム駐車場も有料予約制で一般開放をされていた)

平常時の試合では、公共交通機関で来るように推奨されていたので、ここは大きく変わったポイントだった。


スタジアムへの入場

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通常、スタジアムの入場で最も混む時間となるが、人はそれほど多くない。むしろまばらだ。
いつもの混雑と比べるとスムーズに入場できるけれど、どうしても寂しさを感じてしまう。

スタジアムの内外にスピーカーが設置されていて、感染対策の案内が大きく流されている。


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入場ゲートでは、アルコールによる手の消毒と検温、マスクチェックなどが行われている。
マスクから鼻を少し出している方が係の方に注意されていた。案内は徹底しているようだ。


チケットは係が確認後、観客自身で切り離し袋に入れる方式になっている。


(6月25日追記。現在はオリンピック用にゲートの位置が手前に変わり、大きなテントが建てられている。また、4月に行われていなかった係員による手荷物検査も再開されている)

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スタジアム内の啓蒙

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スタジアムのいたるところにマスクの着用についてのポスターや貼り紙が貼られていて、観戦ルールが啓蒙されている。

このあたりは、この1年間でだいぶ整備されているポイントだ。


座席の間隔は

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スタジアムの中の様子。
6万人以上収容できるスタジアムに1万人弱の観客のため、2階席や南側アウェイスタンドなどは開放していない。1万人収容だとスタジアムのかなりのエリアを使っていないことになる。

座席については、左右が1席ずつ空きがあり、前後は1列まるっと空いている。


通常であれば、多くの観客を入れているスタジアムで、この観客数だと正直ガラガラであり、スカスカ感を感じてしまう。
5000人制限、1万人制限などの議論もあったけれど、大規模スタジアムの中で考えた時にはどちらも大差ないように思う。


また、基本的に観客の全員がマスク着用。
食事や飲み物を取るときだけマスクを外している感じだ。マスクを外して話をしている人は見かけなかった。

屋外のスタジアムでもあり、換気は十分にある。また、周りとの距離も空いているので、感染の怖さを感じることはなかった。



制限のある中での応援

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現在、応援での声出しや飛び跳ねなどは禁止されている。

サポーターたちは、太鼓と拍手、手拍子と限られた中で工夫をしながら応援し、選手を鼓舞している。

とはいえ、ゴールのシーンや激しいプレーの時などにはため息や歓声などが出てしまうこともある。オリンピックの時には、このあたりがとても気になる。


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スタジアムのオーロラビジョンでも感染対策が流されていた。

ここまで伝えてきたように、スタジアム内外で、しっかり対策が取られており、また観客も慣れていることもあり、



改善の余地


もちろん、気になるところはある。
ここからは、サポーター目線で見た時に、改善の余地が感じられたことを4つ挙げたいと思う。


1.ハーフタイム時のトイレの行列

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サッカーの試合の特性とも言えるが、ハーフタイム時にトイレが混雑してしまう。
行列の整理や間隔の徹底など、動線をしっかりと決めることが必要かもしれない。


2.試合後の混雑

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試合終了後、観客が一斉に帰るのでゲートまで混雑してしまう。一応、スタンドごとに分散しての退出が案内されていたようだけど、ほとんど機能していない。
オリンピックでは、しっかりと分散を明示して、実施することが必要かもしれない。


3.アルコールの提供(オリンピックでは中止)

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4月の段階では、スタジアム内の飲食ブースでアルコールの提供もされていた。
ビール会社がスポンサーとしてついていることもあるのかもしれないけれど、この状況下ではスタジアム内でのアルコールの販売は考えてもいいのかもしれない。

ひとつのアイデアだけど、特製のビールグラスなどを試合後に販売(本当はビールの6本パックとか欲しいけど法律で無理かな)して、おうちに帰って乾杯しようみたいな施策はできないものだろうか。

ビール会社のロゴをサッカークラブのロゴとダブルネームで入れられれば思い出の品にもなるし、酒屋やスーパーなどでのブランドの指名買いにもつながると思う。


4.暑さ対策 ※6月25日追記

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オリンピックで気になるのは、やはり暑さ対策だ。
6月から浦和レッズの試合は基本的に夕方から夜の時間帯で行われている。
スタジアムでは屋根のあるところは少なく、スタンドの多くで直射日光が真上から当たってしまう。
昼間の試合などは、水分補給、帽子やうちわの用意など、コロナ対策と同時に暑さについても相当な対策が必要となってくる。

また、無理をしないことも重要になってくる。


最後に


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いろいろ気づいた部分はあるけれど、それでも、全体的に見るとスタジアムの感染対策はしっかりとられていると思う。

通勤の電車やスーパーなどへの買い物に比べてもリスクは大きいとは言えない。



とは言え、新しい変異株も生まれているし、これまでの対策では不十分になる事態も起こり得るかもしれない。
まずは、ちゃんとした情報を知ること。伝えること。
そして、個人個人がしっかりと対策を取ることをやるしかないだろう。

もし、状況が悪化するような場面が起きたとしたら、しっかりとした判断をすることも大切になる。

コロナが終息し、何年か経って「こういったことがあったね」「こういうオリンピックがあったね」と語り合えるような平穏な日がくるのを待っている。


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最後まで読んでいただきありがとうございました。


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